希望日記

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  • 新年のご挨拶(2010年1月2日)

    SMG 1871
  • ■民選4期が達成した驚異的な記録。私たちはやり遂げました。

      尊敬するソウル市民の皆様!

      そして、ソウル市庁の職員の皆様!

      新年、明けましておめでとうございます。2010年、庚寅年を迎え、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

      民選4期が発足し、市民の皆様と共に創っていくソウルの姿を描き、希望に胸をときめかせていたのが、まるで昨日のように感じられます。その長い道のりも残りわずか半年となり、再び新しい未来を設計する重要な時期を迎えています。

      就任当時、私は、ニューヨークのように活気に満ちた経済都市、パリのような文化の都市、ロンドンのような品格のある都市、ミラノのようなデザインの都市、シドニーのようなランドマークがある都市をつくりたいと願っていました。これらの特徴を融合させてソウル独自のブランド価値を創出し、世界の舞台で勝負したいという希望を抱きました。今、その夢と希望をどこまで実現できたか、じっくり考えてみようと思います。

      私の市長就任後、ソウル市では、73万1000件の新しい雇用が創出されました。東北圏ルネサンスと西南圏ルネサンス・プロジェクトによって、相対的に発展が遅れていた地域が活気を取り戻しました。17倍まで広がっていた自治区間の歳入の格差が5倍に縮小し、江南(カンナム)と江北(カンブク)の均衡発展に向けた画期的な土台が築かれました。光化門(クァンファムン)広場や漢江(ハンガン)特化公園、東大門(トンデムン)歴史文化公園、世運(セウン)緑の帯(チョロクティ)公園など、都市に活力を吹き込むランドマークも完成しました。大気中の微細粉塵は、1995年の観測以来最低値を記録し、生活圏の緑地は、就任前に比べて246万㎡も増えました。無料または廉価で提供される文化プログラムの開催も年間500回以上と、画期的に増えました。また都市競争力は、就任前の世界27位から12位に上昇し、金融競争力も2007年の43位から、2009年には35位に上昇しました。さらに2008年には中国、日本、タイにおいて、ソウルが「最も訪問したい都市1位」に選ばれました。これらはいずれも過去には存在しなかった記録です。

      これらの成果のすべては、1千万のソウル市民とソウル市庁の職員が私と一緒に同じ夢を見たからこそ、達成できたものです。心より感謝申し上げます。私たちはやり遂げました。ソウル市だけの力ではなく、そして私一人の力ではなく、1千万の市民とソウル市が一緒にやり遂げたのです。

    ■2010年は雇用を増やし、住宅・教育の不安を軽減します。

      それだけではありません。漢江ルネサンス、南山ルネサンス、デザイン・ソウル・プロジェクト、経済文化都市マーケティング・プロジェクト、都心再創造プロジェクトなど、民選4期の主な政策のほとんどは、10年後、20年後を見越した長期的な計画にもとづいて推進する事業です。

      そのため2010年は、民選4期を成功裏に締めくくる年であると同時に、これまで実施してきた事業が民選5期で実質的な成果を上げることができるよう、政策の連続性を保っていかなければならない重要な年です。また、対外的には「韓国訪問の年」や「世界デザイン首都2010」、「G20金融サミット」など、大規模な国際行事のソウル開催が待っています。ソウルに対する国際社会の関心が88年のソウル・オリンピック以来、もっとも高くなるこの機会を巧みに活用しなければなりません。私たちのソウルが、世界トップ10の先進都市の仲間入りを果たすきっかけにしなければなりません。そして対内的には、最近の景気回復を市民の皆様が実感できる年にしなければなりません。希望はさらに大きくし、不安は減らすことで、一般市民が生きる喜びを感じられるソウルにしていかなければなりません。

      このため私は、2010年のソウル市の目標を「ソウルの経済活力が一般市民の活力につながる年」とし、雇用を増やし、住宅や教育の不安を軽減させることに行政の力を集中させます。

    ■雇用なき成長の時代に終わりを告げ、雇用の伴った成長の元年とします。

      まずソウル市は今年、昨年と同じ水準の予算の早期執行を通じて、21万6000件の雇用を創り出します。また、より良質の雇用を創出するために、今後3年間、社会的企業1000社を発掘・育成するなど、ソウル型の新雇用政策を実施していきます。

      それだけではありません。一般市民の経済が活力を得るためには、雇用が成長を生み出し、成長がまた雇用を生み出すという好循環が不可欠です。このため、私は、雇用のない成長の時代から抜け出し、2010年を雇用の伴った成長の元年にしていきます。製造業や知識基盤産業の雇用創出には限界があります。そのため、ソウル市は過去3年半、雇用創出効果の高い新産業群を見つけ出し、その力量を育むために全力を尽くしてきました。雇用効果がIT産業の5倍に上る観光産業がその代表的な例です。このほか、デザイン産業や文化産業、デジタルコンテンツ産業、金融産業の育成に力量を集中させてきた理由もまさにここにあります。都市ブランドマーケティングによってソウルをPRし、漢江(ハンガン)、南山(ナムサン)、光化門(クァンファムン)広場、DDPなどのランドマークを造り、都市デザインを通じてソウルの魅力を高めてきたのも、ソウル市にカネ、ヒト、情報が集まるようにすることで、雇用の伴った成長モデルを作り出すためです。2010年は、こうして種を蒔いて基盤を固めてきた努力が実を結び、市民の皆様のために良質の雇用が生み出される年になるでしょう。

      すでに成果は現れ始めています。就任前は602万人だった観光客が、昨年までで30%増加しました。この勢いで観光客が増え続ければ、今年1年間、3万件以上の雇用がさらに生み出されるでしょう。

      これまで都市の品格を高めてきたデザインも、今後、本格的に雇用につながっていくでしょう。昨年始動した産業デザイン政策が今年はさらに加速化し、麻浦(マポ)、江南(カンナム)、九老(クロ)、東大門(トンデムン)の4大圏域をデザイン産業特化地域として育成するなど、多彩な計画が実施されます。これによって1万7000件の新たな雇用が生まれるものと期待されます。

      特に今年は、ソウルが“世界デザイン首都”に選定された年です。世界デザイン都市展、ソウル・デザイン・ハンマダンなどを通じて、デザイン中心都市としてのソウルを世界に発信するために全力を尽くします。

      ソウル経済の99%を占める中小企業は、一般市民の経済活性化の主役です。中小企業に対する支援を2006年比で2.5倍増やしたのも、より多くの雇用の創出を目指すソウル市の強い意志によるものでした。今年も引き続き1兆5000億ウォンの中小企業育成資金を通じ、中小企業で3万件以上の雇用がさらに生まれるようにします。

    ■住宅不安のないソウルをつくります。

      ソウルは住宅価格が極めて高い地域です。そこで、チョンセ(まとまった額の保証金を最初に全額払う制度)の借家でもマイホームのように不安なく暮らすことができれば、一般市民の負担がはるかに軽くなるはずだと考えました。そのようにして誕生した“長期チョンセ住宅シフト”は、平均10倍の競争率を記録するほど高い評価を得ています。また、チョンセさえも手が届かない低所得貧困層のためには、就任当初の公約通り、4万6000戸を越える賃貸住宅を供給しており、賃貸料を最大25%まで下げました。

      全国初の分譲原価公開制度や後分譲制度、再開発制度管理の透明化を図る公共管理制度の導入などは、住宅市場を変革させた試みとして評価されました。こうした住宅政策を今年も維持・拡大します。

      長期チョンセ住宅は、これまで供給してきた戸数を上回る1万戸以上を2010年に供給する計画です。また、長期チョンセ住宅5万戸を、当初の計画より1年操り上げて2013年までに供給します。ワンルーム型・寄宿舎型など、小型生活住宅を2万戸供給し、低所得層と一般市民のための賃貸住宅も6000戸以上を目標に供給していきます。これを通じて、一般市民の住居を安定化させるために最善を尽くしていきます。

    ■夢と希望の2020ビジョンを具体化します。

      2010年は、世界的な金融危機に見舞われた世界が体勢を整え直し、2020年に向けた準備を始める重要な年です。今こそ、私たちは時代の一歩先をいかなければなりません。そうしてこそ、ソウルは競合する都市を追い抜き、21世紀の中心都市になることができます。

      ソウル市はこのため過去2年間、「ビジョン2020」を掲げ、2020年に向けた準備を行ってきました。今年はこれをより具体化させ、「夢と希望の2020年」に向けた第一歩を踏み出します。

      まず、ソウルの重要な潜在力である歴史文化遺産、自然環境、そして人的資源を最大限活用し、新しい成長のきっかけにしていきます。まず、4大門の内部を世界文化遺産として造成します。特に、古宮や韓国伝統家屋、伝統商店街が密集した鍾路(チョンロ)の北エリアのユネスコ世界文化遺産拡大指定を目指し、敦化門路(トンファムンロ)、巡邏(スンラ)ギル、ピマッギルなどの歴史の道を復元します。これによって、600年の伝統を誇る首都ソウルを、名実共に歴史性とアイデンティティが息づく都市にします。

      ソウル市は、ほかのどの都市にも劣らない自然の豊かさを秘めた街です。内四山と外四山に囲まれた自然都市であり、また漢江と4つの支流からなる水辺都市です。これを最大限に活用するため、漢江ルネサンス事業の第2段階を実施し、内四山と外四山の裾野の道を整備します。これを通じて、河と山、街がつながる「都市の中のグリーンベルト」を造成します。

      また、これまでの地上中心の平面的な都市計画から抜け出し、地上と地下を複合的に開発する「立体都市の造成」を進めていきます。道路と鉄道の地下化を進め、これまで鉄道や道路によって断絶されていた地域の発展を図るとともに、地上部は騒音や公害のない緑地空間、商業と業務・住居・文化が調和した複合空間に変貌させます。こうした立体都市の造成は、ソウルをより一層クリーンで魅力ある都市にしていくでしょう。

      知識創造産業の時代である21世紀において、都市競争力の源泉は、教育競争力です。私は、「公教育の強化による私教育費の削減」と「創意人材の養成」という2つの目標を掲げています。まず、学習達成度に応じた正規授業の充実化や、教師の専門性強化、放課後学校の活性化を図るなど、私教育の負担を減らすために、ソウル市が先頭となって努力していきます。

      また、ソウルの未来は私たちがクリエイティブな人材をどれくらい確保できるかにかかっています。そこで、私は、もう一つの目標を立てました。それは、ソウル市を「創意教育都市」にしていくというビジョンです。これは、ソウル市の主導で創意教育のための質の高い教師を育成するとともに、創意アカデミーを設立し、奨学制度の導入などを推進し、市立美術館や演戯創作村など、市のあらゆる資産を創意教育の場として活用します。これによって、ソウル市が中心となり、未来の人材づくりに向けた基盤を整えていきます。

      2020年までの最も重要なテーマは、グリーン成長と少子高齢化への対応です。このため、ソウルを世界で最も環境負荷の少ない都市にしていきます。また、保育費や教育費、住宅価格など、費用が高く、恩恵は少ない構造を是正するための対策を講じ、子育てと教育の負担がない都市、健康で幸せな老後を過ごすことができる都市にします。

     そして私は、100年後を見据えた「京仁(キョンイン)メガロポリス構想」を提案いたします。ソウルは、これまでの急速な産業化と高速成長に端を発する交通、環境、高い住宅価格など、さまざまな問題を抱えています。一方、中国の北京や上海、日本の東京など東北アジアの大都市は、規模を拡大して競争力を高める、いわゆる大都市戦争に飛び込んでいます。このため、ソウルもこれからはソウルに限った都市政策ではなく、仁川(インチョン)市や京畿道(キョンギド)と共同で国土の利用計画を策定・実施していく必要があると考えます。大深度鉄道や地下車道の共同計画から漢江の活用と回復、都市鉄道の延長、住宅供給、避難施設の共同利用に至るまで、ソウルと京畿道、仁川市が共に考え、共に推進する長期的な課題を見つけ出す必要があります。これによって、1千万のソウル市民だけでなく、2500万の首都圏の住民全員が幸せな京仁メガロポリスを造成し、これを通じて大韓民国のグローバル競争力を画期的に高めていかなければなりません。

      最後に、「ソウル型福祉」を実現していきます。低所得層や障害者、女性、高齢者、子どもを対象に自立と自活をサポートするソウル型福祉は、これまで市民の皆様の支持に支えられ、しっかりと根を下ろしました。今後は、その対象と分野を拡大させていきます。文化福祉、教育福祉、住宅福祉、交通福祉、環境福祉などによって、ソウルに住む社会的弱者のために網の目のようにきめ細かな福祉政策を実施していきます。特に、希望プラス・クムナレ通帳、希望の人文学課程などに見られるように、自立と自活の意志を持たせることに重点を置いた政策方針を引き続き維持していきます。これによって、「単に与える福祉」にとどまらず、「自立を支援する福祉」にしていきます。またソウル型福祉は、福祉政策が社会的な富の再配分にとどまらず、社会的投資のモデルになり得るということを示してくれるはずです。実際、ソウル型福祉の対象者のうち1万世帯が基礎受給者から経済活動の中心となり、次上位階層の1万世帯が受給者になるのを防ぐことができれば、長期的には、ソウル市全体で1兆ウォン以上の予算削減効果を上げることができるものと期待されます。

    ■市民から信頼され、尊敬される「偉大な組織」

      愛するソウル市民の皆様!

      民選4期の発足から3年半の間、私たちは数え切れないほど多くのことを成し遂げました。洞住民センター98カ所を減らして市民にお返しし、20年にわたる難題であった資源回収施設の共同利用を実現しました。多くの困難を乗り越えDDPの建設を推進しており、国を象徴する道路、世宗路(セジョンロ)には光化門広場を造成し、都心に新しい活力を吹き込みました。世運緑の帯(チョロクティ)公園や北ソウル夢の森の造成、子ども大公園のリニューアル、ソウル菖蒲園や東大門歴史文化公園のオープン、漢江ルネサンス、南山ルネサンス、東北圏・西南圏ルネサンスなど、目覚しい成果を上げました。

      他の地方自治体をはじめ、国、民間企業、さらには海外の都市がベンチマーキングしたソウル市の政策は30件以上です。

      何よりも誇りに思うことは、創意の遺伝子がいつの間にか私たちの体の中に溶け込んでいるのを確認できたことです。これまで、職員の皆様が提案した創意アイデアは18万6000件に達し、そのうち3944件が実行されました。また、創意学習会は2006年の26回から2009年には494回へと19倍増えました。こうしたソウル市の創意市政は、今や世界から認められています。国連公共行政賞を受賞したほか、ISO9001国際認証を取得しており、テキサス州立大やデラウェア州立大、コーネル大などアメリカの8ヶ所の行政大学院でソウル市の創意市政の実施とその成果を研究する科目が開設され、今年から運営されます。

      こうした驚くべき成果を達成した皆様の情熱を心から誇りに思っています。こうした成果をもとに、2010年にはソウル市を市民から信頼され、尊敬される「偉大な組織」にしていきましょう。

      偉大な組織とは、有能で、清廉で、温かい組織です。昨年が、私たちの創意市政が世界的な注目を集めるほど大きな実を結んだ1年だとすれば、今年は創意市政を完成させる元年にしましょう。市民のために新しい試みに挑戦し、その新しい試みに市民が満足したときにはじめて創意市政は完成されます。そして、市民から愛される組織に生まれ変わったとき、偉大な組織となるのです。

      清廉さなくして偉大な組織はあり得ません。私の就任前は15位だったソウル市の清廉度がわずか2年で全国地方自治体の中で1位となるというかつてない記録を打ち立てました。新監査システムの導入など、全職員が一致団結して努力した結果であります。昨年は、予想外に落ちた順位を見て、がっかりしました。しかし、雨降って地固まるといいます。どこに問題があるのか確認することができただけに、今年はソウル市の清廉度ももう一度しっかりと固まるものと確信しています。そして、これによって、市民から尊敬される組織に生まれ変わることでしょう。

      最後に、温かい組織が偉大な組織を生み出します。経済がとりわけ厳しかった2009年、ソウル市の職員は、分かち合いとボランティアに積極的に参加しました。その結果、昨年は1万2200人以上の職員が1300回以上に渡って姉妹締結機関を訪問し、ボランティア活動を行いました。これをさらに発展させ、市民のための分かち合いとボランティアが日常的に行われるソウル市にしていきましょう。

      こうした温かい心と優れた業務能力、そして清廉さが三位一体となったとき、ソウル市は偉大な組織に発展できるでしょう。そしてソウル市は、偉大な創意都市への跳躍を果たすことができるでしょう。

      尊敬するソウル市民の皆様、そして愛するソウル市庁の職員の皆様!

      どんなことでも熟練した人にはかなわないという言葉があります。この3年半の間、ソウル市はソウル市職員のクリエイティブな思考を土台に、クリーンで魅力ある世界都市を目指し各分野で驚くべき変化を遂げてきました。より親切なサービスで市民に感動を与え、より斬新な事業で世界を驚かせました。こうした豊かな経験や老練さが2010年に偉大なソウル市を創っていくうえで最も大きな礎になるものと確信しています。

      準備しない者にはチャンスは絶対にやってきません。過去3年半の間、ソウル市は世界の舞台で21世紀の主役になるための準備を絶えず行ってきました。こうして固めてきた基盤をもとに、希望と情熱をもって2010年ソウルの夢を切り開いていきます。市民の皆様のご関心とご協力のほどお願い申し上げます。

      庚寅年の新年にあたり、皆様のご多幸とご健康をお祈りいたします。

      ありがとうございました。

    2010年 1月 2日

    ソウル特別市長
    呉世勲