ソウル市、毎日排出されるコーヒーかす145tをリサイクルする体系構築
コーヒーかすの分離排出→自治区が回収→リサイクル業者が安定的に再活用…事業者募集 バイオ燃料、畜産農家の堆肥、飼料、環境にやさしい建材などにリサイクル可能 生活廃棄物を年間53千t減少、焼却・埋立費用↓…温室効果ガスの減縮、ゴミ袋費用も↓ ソウル市は、市内のコーヒー専門店が毎日出す145tのコーヒーかすを安定的にリサイクルできるシステムを構築する。コーヒー消費量の増加に伴う生活廃棄物問題を解消すると同時にコーヒーかすをバイオ燃料や堆肥などにリサイクルする考えだ。ちなみに、ソウル市にあるコーヒー専門店は計13516店で、全国で見ると5店のうち1店(約19%)がソウルにある。 コーヒーかすは、発熱量が高いことからバイオ燃料として活用できる。そのほかに、畜産農家の堆肥や飼料、環境配慮型建材、キノコ栽培用の培地などその使い道は様々。しかし、コーヒーかすだけを回収することが難しく、リサイクルのニーズも少ないため、ほとんどが焼却されるか埋め立てされている。これによる生活廃棄物は年間53千tに達する。また、費用も問題になっている。コーヒー専門店はゴミ袋の購入に、自治区は焼却や埋め立てに費用を費やしているからだ。 特に、コーヒーかすの発熱量(5649kcal/kg)は、木屑(2828kcal/kg)より2倍高く、バイオ燃料として十分利用できる。コーヒーかすを畜舎の床にのこぎりくずと敷けば、のこぎりくずの費用を節約できるだけでなく、悪臭も抑えられる。 市は2018年から年間500tのコーヒーかすを回収後、農家に提供して堆肥化してもらっているが、大口の需要先がなく、ほとんどが生活廃棄物になっているのが現実だった。 しかし、ソウル市はコーヒー専門店に認証マークを付着するなどベネフィットを付与し、コーヒーかすを分離排出するよう誘導して、自治区で回収したコーヒーかすを安定的にリサイクル業者に提供し再活用してもらうシステムを構築することを計画している。 このシステムが構築されれば、生活廃棄物の減少により環境保全の効果を上げられるほか、焼却・埋立による温室効果ガスも年間最大48千tも低減できると思われる。また、参加店舗のゴミ袋の費用も減らせる。コーヒーかすの回収のために、各自治区の自活センターと連携すれば、社会的弱者階層の雇用創出効果も期待できる。 このシステムの構築にあたり、コーヒーかすのリサイクルに参加する業者を2021年12月20日から2022年1月31日まで募集する。参加対象は、酪農・畜産業者、堆肥製造会社、火力発電所、熱併合施設など。ソウル市ホームページ内のお知らせ「コーヒーかすリサイクルの活性化のために事業参加者公募」で確認後申請可能。問い合わせはソウル市資源循環課(☎02-2133-43920)まで。 また、市はコーヒーかすの安定的な回収およびリサイクルに向けた制度改善策を政府に渡すことを準備している。 ソウル市気候環境本部のユ・ヨンシク本部長は「ソウル市のコーヒーかすリサイクル事業は、コーヒーかすを様々な方法でリサイクルすることで、環境を保全し、焼却・埋立などにかかる社会的費用を減らすとともに、参加店舗のゴミ袋の費用を低減させられるほか、社会的に弱者階層に新しい雇用を創出できる一石四鳥の効果をもたらすだろう」としながら「ソウル全域のコーヒー専門店の参加を促していく」と話した。
登録日投稿者SMG ヒット449