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ソウルの楼亭

王と士大夫の空間からみんなのための空間へ――

ソウルをより深く知りたい方々のための一味違う場所

ヒャンウォンジョン(香遠亭)

楼亭とは?

韓国を旅行している間、床を地面よりもいちだんと高く持ち上げて造った高殿のような建物を見たことはありませんか?周辺の景色を観賞できるよう、柱・屋根・床のみで、稀に扉をつけた簡素な建物を見たことは?

このような伝統建築物を楼閣と亭子(東屋)、合わせて「楼亭」といいます。13世紀高麗時代の文人イ・キュボ(李奎報)は、「四方が開放的でがらんと空いており、高い位置に造ったもの」と定義しています。

いつからかは定かではありませんが、東アジアでは古く昔から楼亭を建築して使用してきました。韓国の場合、口伝ではなく記録上に初めて東屋の名前が登場するのは5世紀頃のことです。

パルガクチョン(八角亭)
ソッパジョン(石坡亭)
キョンフェル(慶会楼)

楼亭について知っておきたいこと

楼亭を建築する目的はさまざまです。最も多いのは、周辺の自然景観を観賞するためです。韓国は四季の変化がはっきりしているため、どの民族にも負けず劣らず自然と一体化して生きることを楽しんでいました。大多数の楼亭は山や川辺、渓谷、海辺、または広々とした野原を眺められる位置に建てられています。

文学的交流や風流のために楼亭を建て、ときには学問を学び修練する教育の場所として建てられることもありました。心身鍛錬のための弓打ち修練場や、防御や監視などの軍事的目的で建てられているものもあります。宮殿や官衙などによる公式の宴会のため、ときには宗教的目的から建てられたこともあります。また、1つの楼亭がさまざまな目的のために活用されることもありました。

興味深い点は、楼亭の名前を付ける際には、必ず理由のある名前を決めていた点です。周辺の自然環境に関連する名前を付けたり、雨や雲など自然現象に由来する名前も多いです。また、楼亭の所有者と関連付けたり、特定の事件に由来した名前もあります。

朝鮮時代に楼亭を楽しんだ者は王や高位官僚、または職を引退したソンビ(学識者)や知識人たちでした。そのほとんどは上流階級の者です。楼亭を散策してみると、朝鮮時代の王や士大夫の哲学や知識、彼らの夢見た理想の世界、彼らの楽しんだ風流文化に触れることができます。したがって、1つの楼亭に立ち寄る身近な散歩であるとしても、思った以上に意義深い旅行になるのです。

ソウルの楼亭

ソウルの楼亭の最大の特徴は、宮殿楼亭です。朝鮮時代の唯一の首都であったため、王や王室家族のための楼亭が数多く建てられました。王の空間であるため、王室や国家行事に関する役割を担うことも多かったのです。楼亭の名前として、王室を象徴する龍や鳳凰などが入っていることも、他の地域には見られない特徴です。ソウルの宮殿楼亭を訪れてみると、華やかで贅沢であるというよりは、むしろ意外なほど素朴で質素であることに驚かされます。

ソウルの楼亭は、宮殿を除いては建築当初の姿のまま残っているものが1つもありません。人口が密集する大都会ソウルが産業化の過程を経るうちに、惜しくも失われてしまったのです。日本による植民地時代や戦争を経る中で、わずかながら残っていたものもほとんどが失われてしまいました。特に、ハンガン(漢江)川辺に並んでいた楼亭はすべて失われ、現在ある少数のものも復元されたものです。私たちが現在見ることができる楼亭は、それだけにより大切で価値あるものということができます。

朝鮮の歴史を抱く600年の首都であり、1千万市民と世界中の人々が集まって暮らすメトロポリス・ソウル。ソウルの数多い魅力の中でも、これまであまり知られていなかった秘境であり自然と人間が1つになれる理想的な空間として現在に残る楼亭に、一緒に散歩に出かけてみませんか?

4.慌ただしい日常の中、自分だけの穏やかな休息の地を求めて

10.ソウルの中心で出会う、かつてソウルに暮らした人々のライフスタイル

Epilogue

朝鮮時代から現代にいたるまでさまざまなことが変化しましたが、現在残っているソウルの楼亭は、今なお美しい自然景観と物語を有しています。それそのものが歴史であり文化空間でありながら、これ以上なく美しい休息場所であるソウルの楼亭を散歩してみましょう。朝鮮時代の王や士大夫になった気分で。

本コンテンツの元になった「ソウルの楼亭」(ソウル歴史編纂院)に感謝申し上げるとともに、ソウルの楼亭コンテンツはこれにて締めくくりといたします。

<参考資料>

  • ソウルの楼亭(ソウル歴史編纂院)
  • 亭子が聞かせてくれる物語韓国史(チョンドンマルグッ(青銅馬蹄)、朝鮮Books)
  • 楼亭、ソンビ文化の産室(ウ・ウンスン、韓国学中央研究院出版部)
  • 朝鮮王朝実録(国史編纂委員会)
  • 私たちの歴史ネット
  • 文化財庁 国家文化遺産ポータル
  • 文化財庁 宮陵遺跡本部 チャンドックン(昌徳宮)管理所ホームページ
  • 文化財庁 宮陵遺跡本部 キョンボックン(景福宮)管理所ホームページ
  • 文化財庁 宮陵遺跡本部 チャンギョングン(昌慶宮)管理所ホームページ