デンマーク生まれの人魚姫 妹が海を渡ってソウルへ
高さ80センチの小さな銅像。アンデルセン童話「人魚姫」の世界を体験しようと、年間150万人以上の観覧客が訪れる世界的な観光スポットに定着したデンマーク・コペンハーゲンの「人魚姫の銅像」。近い将来、漢江でこの人魚姫の妹に出会えるかもしれません。 ソウル市のパク・ウォンスン(朴元淳)市長は8月12日、デンマーク・コペンハーゲン市庁で同市のフランク・イェンセン(Frank Jensen)市長と会談し、両都市の記念シンボルの交換とともに、気候変動・環境分野における市職員の人的交流など、幅広い分野での交流協力に関する友好協約(MOU)を締結しました。 中核的な文化交流事業として、両都市はそれぞれの都市を象徴する代表的な記念シンボルを相互交換することで合意しました。これはソウル市の提案によるもので、特にソウル市はコペンハーゲンにある人魚姫の銅像をソウル市に誘致するために積極的な働きかけを行ってきており、両都市間における合意がかなり形成されている状態でした。コペンハーゲンの人魚姫の銅像は、デンマーク王室の公式の酒造メーカー「カールスバーグ」の第2代社長のカール・ヤコブセン氏の依頼を受け、彫刻家のエドヴァルド・エリクセン氏が制作したもので、デンマークの国宝に指定されています。 パク・ウォンスン(朴元淳)市長は、「幅1キロ、総延長500キロで、街の真ん中を横切る漢江を楽しいストーリーに満ち溢れたスポットにしたい。その一環として、もし人魚姫の銅像がソウル市にできれば、人魚姫の妹という設定でコペンハーゲンに関する楽しい物語をつくり、子どもたちに想像力と楽しさを与えることができる」と強調しています。 コペンハーゲンと交流するソウルのシンボルは、普信閣の鐘や申聞鼓などが候補に挙げられています。ソウル市は、今回の人魚姫の銅像の誘致だけでなく、世界の各都市のランドマークのオブジェに関する交流を継続的に拡大し、都心の通りや公園など、特定の場所に各都市のストーリーをテーマとした文化施設を造成していく計画です。 人魚姫の銅像 オーデンセのオブジェ デンマークの遊具 オーデンセのアンデルセン博物館 <グリーン環境先進都市コペンハーゲンの優れた政策の共有など気候変動環境分野における交流も活性化 > また、ソウル市は、気候変動・環境分野の国際機関であるC40の加盟国であるという点でコペンハーゲンと共通点を持ち、2014年に「欧州環境首都」に選定(主催:EC、European Commission)されたコペンハーゲンと気候変動分野での交流も活性化させる計画です。 コペンハーゲンの「CPH 2025」とソウル市の「原発を1基減らそう」をはじめ、関連分野の優れた政策と事例を共有するほか、人的交流なども推進します。コペンハーゲンの「CPH 2025」は、2025年までに炭素中立化を目指す中長期の気候計画です。中核課題として、電力供給を化石燃料からバイオマスか風力発電に転換し、2025年までに全ての建物で暖房エネルギーの25%と電力消費量の20%を削減する計画などが盛り込まれています。 <エコ建築物「8House」の視察と、電気自転車に乗って自転車政策とインフラを視察> パク・ウォンスン(朴元淳)市長率いるソウル市の代表団は、コペンハーゲン郊外南部のオアスタッド(Ørestad)地区の住居・業務・商業複合エコ建築物「8House」とコペンハーゲンの自転車政策に関する施設を順に視察しました。「8House」は、冷房に多くの電力を消耗するオフィスビルは北東側に、暖房に多くの電力を消耗する住居用建物は南西側に配置することで、冷暖房エネルギーの効率を最大化し、特に住宅団地では高性能断熱材やLED照明、二重窓などを使用し、暖房設備がなくても冬を越せる「パッシブ(Passive)ハウス」を設計しました。 また、1回から最上階の10階までつながった傾斜路を設置して自転車と歩行者の通路を提供するとともに、緑化屋根を設置してヒートアイランド現象と暴雨に伴う道路の流水を防ぐために設計されているのが特徴です。2011年にバルセロナで開かれた「世界建築祭(World Architecture Festival)」で「最高住居建築物賞」を受賞しました。 パク・ウォンスン(朴元淳)市長は、「韓国‐デンマーク国交正常化55周年の節目の年に、ソウル市がオーデンセ、コペンハーゲンと相次いで友好協約を結ぶことができ、とても嬉しく思う。今回のデンマーク訪問を機に、ソウル‐コペンハーゲンの文化観光交流が活性化するのではないかと期待している」とした上で、「欧州を代表する環境首都でグリーン環境先進国であるコペンハーゲンのノウハウをソウル市の市政に適用し、アジアのエネルギー先進都市になれるよう全力を尽くしたい」と述べました。
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