10年間放置状態の「龍山整備廠」、未来の新中心地・国際業務地区に生まれ変わる
オ市長、龍山整備廠一帯約50万㎡の開発ガイドライン「龍山国際業務地区開発構想」を発表 超高層ビルの間に公園や緑地が広がりグローバルハイテック企業が集まるアジアのシリコンバレーを目指す 雇用、住居、余暇、文化の「職住混合」を実現する多用途複合開発、地上部の緑地率を50%以上に ソウル市初の「立地規制最小区域」を指定し容積率を1500%↑、非住居用途を70%滋養に 公共(SH公社とKorail)が先に5兆ウォンを投じインフラを開発した後、民間が段階的に完成していくプロセスを実現 オ・セフンソウル市長は、約50万㎡の「龍山(ヨンサン)整備廠」一帯に対する開発の青写真、「龍山国際業務地区開発構想」を発表した。未来都市というキーワードのもと、グローバル都市競争力や技術革新をリードする新中心地として龍山整備廠を国際業務地区に作っていくことを明らかにした。 龍山整備廠の敷地はソウルのど真ん中にあり、汝矣島(ヨイド)公園の2倍、ソウル広場の40倍にあたる規模であるだけに、非常に高価なところでもある。ソウルに残った最後の大規模な可用地で、発展の潜在力も高い中心拠点だが、2013年「龍山国際業務地区における都市開発事業」が一頓挫し、青写真の不在などにより10年間放置されてきた。 ソウル市の構想によれば、龍山整備廠一帯は、超高層ビルの間に広い公園や緑地が造成され、グローバルハイテック企業が我先にと居住したがるアジアのシリコンバレーに生まれ変わる。 雇用やR&D、MICE、住居、余暇、文化生活など、都市の全ての機能が集まった「職住混合都市」として造成される龍山整備廠には、外国企業のほか、人材の誘致・定着を手助けする国際教育施設や病院のような外国人向け生活インフラも入る。 そのためにソウル市は、ソウル市初の「立地規制最小区域」を指定し、法的上限容積率1,500%を超える超高層ビルの建設を許可する計画だ。全敷地の7割以上を業務・商業など非住居用途にし、高密開発による副作用を解消するとともに公共性を確保するため、全敷地に対する基盤施設の割合を4割水準に指定した。 大規模な中央公園や鉄道敷地の線形公園など緑地生態空間を至る所に造成し、地上部の5割以上を緑地として確保し、車は地下で移動する「地下交通システム」を構築する。緑地や歩行空間が龍山駅、龍山公園、そして漢江まで続くため、龍山一帯は緑色に染まる。 また、交通から防災、安全、環境、エネルギーに至るまでICT基盤の都市インフラが整った最先端スマート都市を目指す。地下道路はもちろん、未来交通手段であるUAM(Urban Air Mobility、未来航空交通)やGTX、地下鉄など様々な交通手段を連携させた「モビリティハブ」が形成される龍山は、ソウル都心と江南(カンナム)、仁川(インチョン)空港、首都圏の全駅をつなぐ新交通拠点になる。 事業の推進方法においては、実現性を高められることに重点を置いている。金融危機など外部環境の変化に伴うリスクが大きく、過去龍山国際業務地区事業が頓挫した原因として働いたPFV(Project Financing Vehicle、プロジェクト金融投資会社)主導の全開発の代わりに、公共機関のSH公社とKorail(韓国鉄道公社)が「共同事業施行者」として事業を「段階的・順番通り」に開発していく。 これは、公共が先に約5兆ウォンを投じ敷地やインフラを造成し、民間が個別の敷地を一つずつ完成していく方式だ。 市は、来年上半期まで都市開発区域を指定した後、具体的な開発計画を策定し、2024年下半期に基盤施設の着工を、2025年にはアンカー敷地での着工を目指して事業をスピーディーに推進していく計画。 全体構想としては、龍山国際業務地区(産業)を中心に、汝矣島金融エリア(金融)と、芸術島への変身を準備しているノドゥル島(文化)を三角軸にし、ソウルの都市競争力を引っ張っていく魅力あふれる拠点を完成するという考えだ。 今回発表した「龍山国際業務地区開発構想」の事業区域は、龍山整備廠の敷地、線路敷地、龍山変電所敷地、龍山裏面敷地を含めると、全部で49万3千㎡になるが、これは事業の実現可能性と土地の活用性を考量した上で定まったものだ。 龍山国際業務地区は、①24時間様々な活動が可能な「流合・複合国際都市」、②暮らしの質を高め快適な生活環境が提供される「緑地生態都市」、③世界につながる四通八達の「立体交通都市」、④最先端スマート技術革新の前哨基地「スマート都市」に造成される。 未来都市キーワード:AI(人工知能)、UAM(未来航空交通)、自動運転、スマート物流、ロボティクス、エネルギー自立、フィンテック、スマートエコ、IoT(モノのインターネット)、資源循環 <龍山国際業務地区 造成鳥瞰図(案)> <①融合・複合国際都市:職住混合を実現したビヨンドゾニングの多用途複合開発を許可> 第一に、雇用、住居、余暇、文化など都市生活に必要な全ての活動が一か所でできる職住混合の融合・複合型国際都市を造成する。平日退社後の夜間時間帯や週末に空っぽになる都市ではなく、24時間活気あふれる都市にすることが目標だ。 (雇用) ICTテック企業、R&D研究所、国際機関など (住居) 都心型住居、スタジオハウスなど (文化) e-スポーツコンプレックス、VR(拡張現実)公演会場など (余暇) 緑地余暇空間、フラグシップショップ、Night Life ストリートなど ここには、最先端テック企業やR&D・AI研究所、国際機関などが入居できる業務スペース、MICE施設、ビジネスホテル、eスポーツコンプレックスなどが入る。特に、今年2月に新設された「ソウル投資庁」を通じてグローバル企業や海外資本を誘致すると同時に、ここで暮らす人たちが定着できるよう教育・医療など全ての生活サービスが提供される国際都市環境も整える。 ソウル市は、このような融合・複合都市を実現するために、龍山整備廠の敷地全体を複数の区画地に分け、各区画地に対して業務、住居、商業など様々な機能が入る「多用途複合開発」を許可する。「2040ソウル都市基本計画(案)」で提示されている「ビヨンドゾニング(Beyond Zoning)」という概念が初めて全面適用されることになる。 <龍山国際業務地区 複合用地 計画(案)> <②緑地生態都市:緑地率50%以上を確保、南北緑地軸の完成…龍山駅とつなげ立体歩行路を造成> 公園や建物内の緑地を含め50%以上の緑地率を確保することで、摩天楼の間に公園や緑地が広がる姿が見られるようになる。北漢山(ブッカンサン)~ソウルの都心~南山(ナムサン)~龍山公園~龍山国際業務地区~漢江(ハンガン)につながる南北緑地軸も完成する。 そのため、龍山国際業務地区から龍山公園や漢江につながる放射型緑地を構築する。中央には、どこからもアクセスできる大規模な中央公園を設置し、鉄道敷地には線形公園を造成する。 龍山国際業務地区の内部から地上・地下・空中を通じて龍山駅まで続く「立体歩行ネットワーク」も作る。例えば、ビルとビルの間にブリッジ(空中)を設置し、地下へつながる地下歩行路を作るなど、天気を気にせず安全かつ便利に移動できるようになる。また、ビルの低層部や地下空間には様々な商業・文化施設が造成されると思われる。 <③立体交通都市:地上部は緑地・歩行、車は地下へ…モビリティハブ第1号を造成> 地上部を緑地や歩行など人を中心とした空間として設定している一方、地下は車両中心の道路交通体系が適用された空間に構築する。これで龍山は都心や江南だけでなく、空港や首都圏全域、そして全国につながる交通拠点として生まれ変わる。 川辺北路(カンビョンブンノ)、漢江大路(ハンガンデロ)、青坡路(チョンパロ)など主な幹線道路と直接つながる地下道路を開設し、ソウルの都心、江南、仁川空港への接近性を確保する。龍山駅近くの敷地には、UAM、GTX、地下鉄、バス、タクシーなど様々な交通手段に簡単に乗り換えやすい「モビリティハブ」を造成する。 特にUAMの場合、2025年を予定する機体商用化に合わせ、金浦(キンポ)空港~龍山国際業務地区間のテスト路線を運営し、今後仁川空港や蚕室(チャムシル)、水西(スソ)などソウル市内の主な拠点をつなぐUAM路線を完成する計画だ。完成後には、仁川や金浦空港からUAMで龍山に着いたらGTXや地下鉄にすぐ乗り換えられるため、移動がもっと便利になる。 <龍山「モビリティハブ」造成構想(案)> <④スマート都市:自動運転、デジタルツインを活用した災害対応などスマートシティインフラ> 第四に、AIや自動運転、スマート物流などICT基盤の未来都市インフラを都市全域に構築し、スマート技術をリードする最先端都市に造成する。例えば、ITS(Intelligent Transport Systems、知能型交通体系)やV2X(Vehicle to Everything、自動車とあらゆるモノをつなげる無線通信技術)のように自動運転のできる道路環境を造成するほか、住宅にはIoT基盤の管理システムを搭載する。 また、実際の都市と同じ仮想の都市を生成し、様々な危機的状況をシミュレーションできる「デジタルツイン技術」ベースの「知能型統合防災システム」を構築し、火災などの災害への対応力を高める。電力網にICT技術をつなぎ合わせた「スマートグリッド」なども適用し、エネルギーの効率を高めると同時に炭素も低減させる。... Read more
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