<少子化・育児:ソウル型キッズカフェ、「将来のマイホーム」の供給拡大など、出産・育児の負担を軽減する9事業>
まず、「出産した住宅非保有世帯」に2年間、チョンセ(伝貰)保証金融資の利子や月々の家賃を支援する事業を来年から新たに推進する。ソウルに住んでいて2025年1月1日以降に出産した世帯は、毎月30万ウォンずつ2年間で合計720万ウォンの住居費支援が受けられる。希望者はモンタン情報万能キーのホームページ(umppa.seoul.go.kr)から申請できる。
出産した新婚世帯の住宅負担も軽減される。10年後には大型マンション団地「将来のマイホーム」への移住を支援し、相場より低価格の優先購入請求権を付与するなどの特典が提供される。2025年末に入居者を募集する予定で、ソウル住宅都市公社ホームページ(i-sh.co.kr)から申請できる。
子どもたちの安全な遊び場はもちろん、ケアサービスまで提供する「ソウル型キッズカフェ」も、現行の130か所から200か所に増やす。共働き夫婦の出勤と小学生の子どもの登校が重なる朝の登校支援など、保育の空白を解消する「ソウル型朝保育キウムセンター」も、10か所から25か所に拡大運営される(icare.seoul.go.kr)。
また、出産・育児支援の谷間に置かれていた1人自営業者とフリーランスの妊婦当事者に「出産給付金」90万ウォンを支援し、配偶者が出産した1人自営業者・フリーランサーにも「配偶者出産休暇給付金」80万ウォンを支援する。2024年4月22日以降に出産した世帯が対象で、モンタン情報万能キーのホームページ(umppa.seoul.go.kr)から申請できる。
<青年・中高年・老年:大学生サークル支援、シニア雇用支援センターなどライフサイクル別11事業>
ソウルにある54大学の中から社会貢献活動に参加する200のサークルを選定し、最大200万ウォンの活動費を支援する。パンデミック以降、社会的関係を築きにくくなっている青年を対象に、社会的関係づくりの機会を提供することが目的だ。
「ソウル特別市青年基本条例」改正により、兵役義務を終えた除隊者は、軍服務期間(最大3年)に応じて青年政策の恩恵を受けられる年齢が延長される。これには、青年たちが軍服務期間中に享受できなかった社会的・経済的成長の機会を埋め合わせる意味合いがある。
2025年1月には、民間企業への就職を希望する60歳以上のシニア向け「シニア雇用支援センター」もオープンする。退職前の経歴を活かせる仕事探しをはじめ、職務に合わせた教育やトレーニングを提供し、シニアの再就職と社会参加をサポートする。
<福祉・健康:「安心ケア120」「孤独よ、さようなら120」などによる福祉の谷間の解消、市民健康増進など13事業>
介護や孤独に悩む市民なら誰でも電話一本で相談や支援を受けられる「安心ケア120」と「孤独よ、さようなら120」コールセンターの運営も始まる。支援が必要な当事者はもちろん、家族も利用できる。
120茶山(ダサン)・コールセンター(☎+82-2-120)に電話をかけて音声ガイダンスに従い3番(安心ケア)を押すとつながり、直通番号(+82-1668-0120)もある(韓国語)。
救急室の利用が難しい軽症患者や特定疾患者が安心して診療を受けられるソウル型救急医療体制も構築する。軽度の外傷や腹痛・発熱といった軽度の急性疾患者は「ソウル型緊急治療センター(UCC)」、外科系疾患者は「疾患別専門病院」を利用することができる。
区分 | 指定病(医)院 |
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ソウル型緊急治療センター(UCC) | ①ソウルソク(石)病院(ソンパ(松坡)区)、②もっと健康な365医院(ヤンチョン(陽川)区) |
疾患別専門病院 | ①ソウル・ヨンセ病院(マポ(麻浦)区)、②ワントップ病院(カンソ(江西)区)、 ③ソウルプライム病院(クァンジン(広津)区)、④リーダーズ病院(カンドン(江東)区) |
* UCC : Urgent Care Center
地下鉄駅舎革新プロジェクトの一環として推進中の「ファン(Fun)ステーション」第2号として、地下鉄トゥクソム駅に運動コミュニティスペース「フィット(Fitness)ステーション」を設置し、日常生活の中で運動できるまちづくりにも力を入れている。ファンステーションは、シンダン駅(6号線)、モッコル駅(7号線)、ムンジョン駅(8号線)などにも追加で設置される予定。
<安全:安心グッズの支援拡大、民防衛避難所の管理・案内強化など市民の安全を確保するための4事業>
様々な脅威から市民を保護するための携帯用安心ベル「ヘルプミー」と安心警光灯も、2024年の2倍に拡大して支援する。
犯罪被害者など安全弱者に提供される「ヘルプミー」は5万個から10万個に、1人店舗の安全を守る安心警光灯は5千個から1万個に増やして提供する。
<文化・観光:水辺活力拠点及びヨイド(汝矣島)ターミナルの造成、のんびりハンガン(漢江)トライアスロン祭りなど13事業>
2024年に初開催され、大反響を呼んだ水泳・自転車・ランニングで構成されるのんびりハンガン(漢江)トライアスロン祭り。来年は期間が2025年5月30日~6月1日の3日間に延長され、参加者枠も1万人から3万人へと3倍に拡大される。
また、チョンゲチョン(清渓川)復元20周年を記念して、クァンファムン(光化門)とDDPを結ぶチョンゲ(清渓)広場~オガンス(五間水)橋区間に最先端の照明技術を駆使した「光のトゥルレギル」も造成する。チョンゲチョン(清渓川)の照明デザインを全面的にリニューアルし、DDPなど周辺スポットの文化イベントと連携してチョンゲチョン(清渓川)の夜間観光を活性化させる計画だ。
ヨイド(汝矣島)から遊覧船に乗ってキョンイン(京仁)アラベッキル(運河)まで観光を楽しめるように、「遊覧船ターミナル」も来年オープンする。カフェ、レストランなどのサービス施設や展望施設を設置し、誰でも楽しめるソウルのもう一つの余暇資源として発展させる。
<交通:気候同行カードの支援拡大、ハンガン(漢江)バスの導入など、公共交通機関の利用を活性化するための7事業>
「2024年ソウル市政策」の市民人気投票で1位を獲得した「気候同行カード」の支援も拡大される。来年1月から、通常は19歳~39歳の青年に与えられる「青年割引」(30日券で7千ウォン)特典の対象年齢が、兵役義務を果たした青年に限り最大42歳まで延長される。
<経済・雇用:小商工人支援など民生回復・外国人の定着による経済活性化のための7事業>
小商工人の廃業決定から事後管理まで廃業の全プロセスをきめ細やかに支援する「新しい道を開く廃業支援」事業は、これまで上半期と下半期に分けて3千人募集していたが、2025年には常時4千人募集に変更・拡大する。店舗の撤去費、賃借料など廃業時に必要な費用も最大300万ウォンまで支援し、コンサルティングはもちろん、再創業・再就職も支援する。
詳細はソウル信用保証財団自営業支援センターのホームページ(www.seoulsbdc.or.kr)から確認できる。
2月からは、フリーランサーと発注者間の不公正な慣行や報酬未払い問題を解決するために、フリーランサーと発注者間の契約代金を第三者である銀行が保管し、業務完了後にフリーランサーに支給する「フリーランサーエスクロー」サービスも試験的に導入する。決済代金の預け入れのほか、紛争発生時には分野別専門家諮問団が相談に乗り、合意に至れるようにサポートする。
<環境:電気自動車充電インフラの支援による火災予防・再生熱工事補助金など3事業>
電気自動車充電器が設置・運営されてはいるものの、消火施設のない地下駐車場には、現場の状況に合った早期反応型スプリンクラーヘッドの交換や簡易スプリンクラーの設置などに最大500万ウォンを支援し、火災が広がるのを防ぐとともに財産・人命被害を減らす。
事業ごとの詳細は、ソウル市ホームページ(韓国語)(seoul.go.kr)、情報コミュニケーション広場(韓国語)(opengov.seoul.go.kr)で公開される電子書籍「2025ここが変わるソウル生活」で確認できる。