ソウル市は2022年7月、貧富の格差と不平等に対する新たな解決策を模索するため、初の取り組みとなる「安心所得テスト事業」を開始しました。
安心所得とは、最低生計費を支援する福祉にとどまらず、人間らしい生活を保障するため、所得が少ない家庭にはより多くの支援をするという「下厚上薄」(上の者には薄く、下の者には手厚く)型の所得保障制度であり、7月11日の初支給から5年間、所得保障政策実験が行われます。
アメリカやドイツなどで所得実験を行っている各国の学者たちも、ソウルで始まった「安心所得政策実験」に大きな期待を寄せています。2019年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者マイケル・クレーマー教授は、「安心所得テスト事業は、これまでの研究とは大変異なる設計となっている」と語り、また「今回の実験が、素晴らしい機会をもたらすものと期待している」と述べました。
「安心所得テスト事業」が福祉の枠組みを変える新たな試みであるだけに、ソウル市は今後5年間、効果分析を通じて、韓国社会に適した福祉制度について研究していく予定です。弱者と歩調を合わせて共に歩もうと努力するソウル市に、どうぞご期待をお寄せください。
イラストレーター:@plm_penguin