ソウル市、「チャンギョングン(昌慶宮)-チョンミョ(宗廟)」90年ぶりにつないだ
チョンミョ(宗廟)とは、朝鮮の歴代王と王妃のシンジュ(神主、位牌のこと)を祀った王家の霊廟であり、韓国で初めてユネスコ世界文化遺産に登録(1995年12月)された場所でもある。もともとはチャンギョングン(昌慶宮)と塀を1つ隔てて1つの森としてつながっていたが、1932年に「チョンミョ(宗廟)貫通道路(現在の「ユルゴクロ」)」が開通したことにより、チャンギョングン(昌慶宮)とチョンミョ(宗廟)は分離された。 ソウル市は、チャンギョングン(昌慶宮)とチョンミョ(宗廟)とを、90ぶりに再びつないだ。チャンギョングン(昌慶宮)とチョンミョ(宗廟)を断絶させたユルゴクロを地下化し、その上に広々とした緑地(約8,000㎡)をつくることで、分断されていた緑地の軸をつないだ。 復元された宮殿の塀に沿って朝鮮王室の足どりを味わいながら散歩できる「宮殿塀道」(トンファムン(敦化門)~ウォンナムドン(苑南洞)十字路)も新たに出来上がり、高齢者・体の不自由な者・妊婦・障害者など歩行弱者にとっても便利であるように緩やかなスロープとして設計された。ウォンナムドン(苑南洞)十字路には、散策路につながるエレベーターも設置されている。 復元された塀・緑地や新たに造成された宮殿塀道は、22日(金)より市民に開放される。 これは、2千年の古都であるソウルの歴史を立て直し、文化的品格を高めるということを目標に、2011年5月にオ・セフン(呉世勲)ソウル市長が事業の第一歩を踏み出してから12年目の結実である。開通1日前である21日(木曜日)15時には、市民開放イベントが開催される予定だ。 今回の歴史の復元は、チョンミョ(宗廟)をかつて先祖が計画し建設した空間へと復元することで、朝鮮の宮殿と国家象徴物の歴史的・伝統的価値を回復したという点に最も大きな意味を持つ。 今回の歴史的復元が完了したことにより、近隣にあるチョンワデ(青瓦台)、ソウル工芸博物館、国立現代美術館、そして8月6日にオープンを控えているクァンファムン(光化門)広場と緑地公園として市民のもとに戻ってくるソンヒョンドン(松峴洞)の敷地に至るまで、ソウルの都心が歴史・文化・芸術・緑地の入り混じった空間として生まれ変わることにさらに拍車がかかるものと期待される。 宮殿の塀の周面には約8,000㎡規模の伝統的な森が造成され、朝鮮時代には存在しなかったが今回の歴史的復元を通じて新たに造成された宮殿塀道によって90年ぶりにつながったチャンギョングン(昌慶宮)-チョンミョ(宗廟)をより身近で触れることのできる新たな名所になるものと期待できる。 <復元された塀と礎石> <塀道の松林> <復元された塀> <復元されたプクシンムン(北神門)>
登録日投稿者SMG ヒット627