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古いディーゼル車の低公害化で今年約58トンのPM2.5を削減

2018年1月~10月まで、早期廃車やDPF(ディーゼル微粒子除去装置)装着などにより、約3万台を低公害化 根本的な対策である「早期廃車」を柱に、古いディーゼル車の低公害化事業を改変 11月7日公害車両の運行制限を違反した車両1,189台に10万ウォンの過料を科す 2019年からソウル型公害車両の運行制限を首都圏に拡大するなど、強力な対策をとる計画 ソウル市が、2018年度(2018年1月~10月)、ディーゼル車を含め、29,957台の古い自動車(建設機械を含む)に対し、早期廃車やDPF装着などの低公害化を行った結果、PM2.5(微小粒子状物質)とNOx(窒素酸化物)が大きく減少した。特に、低公害化の対策のうち、発がん物質グループ1のNOxの削減にもっとも有効な対策は、古いディーゼル車の場合、PM-NOx(粒子状物質と窒素酸化物の同時削減装置)の装着、建設機械の場合はエンジンの交替であることが分かった。 <古い自動車の低公害事業による大気質の改善と排出量の減少> 2015年から2018年まで、ソウル市は、計87,566台の古い自動車(建設機械を含む)に対し、低公害対策を完了した。ソウル市の古い車両に対する低公害事業の推進により、ソウル地域のPM2.5の排出量が大きく減少し、濃度も低くなっていることが分かった。2011年の1,553トンに比べ、2015年のPM2.5の排出量は1,314トンと、4年間で239トンが減少したもの。 PM2.5とNOxの濃度の場合は、2003年から2年間のモデル事業以降、事業が本格的に展開された2005年度と2017年度を比較すると、PM2.5は58㎍/㎥から44㎍/㎥へ、NOx(NO2基準)は34ppb(2005年)から30ppb(2017年)へと改善している。 <古いディーゼル車の削減に向けた政策の強化> 一方、政府は、ディーゼル車を削減するために、大型トラックに対する廃車補助金(現行最高440~700万ウォン)を実現するほか、「クリーン・ディーゼル政策の廃棄」を宣言するなど、古いディーゼル車に対する管理・規制を強化している。ソウル市も、2005年以前に登録した古いディーゼル車に対し、早期廃車のような低公害事業とソウル型運行制限制度を強く進めていく計画。 ソウル市は、11月7日(水)、PM2.5から市民の健康を守るべく、PM2.5を削減するために、「ソウル型公害車両の運行制限」により、2005年12月31日以前に登録したディーゼル車に対する運行制限を初めて実施した。同運行制限を違反した車両(1,189台)に対し、10万ウォンの過料が科される予定で、「秩序違反行為規正法」第16条および第18条により、事前通知期間中に納付する場合、20%が軽減された金額で納付することができる。 ※違反車両:2005年12月31日以前に首都圏で登録した重量2.5トン以上のディーゼル車 特に、ソウル市は、古いディーゼル車を削減するため、大気環境改善効果の高い早期廃車を中心に、低公害事業を全面的に修正する計画。2005年以前に登録した古いディーゼル車の持ち主は、早期廃車およびDPF装置の装着などの低公害対策をとる場合、補助金を支援してもらえる。早期廃車などの対策に関する問い合わせは、韓国自動車環境協会のホームページ(www.aea.or.kr)や電話(早期廃車:02-1577-7121/DPF装置:02-1544-0907)まで。 ソウル市のイ・ヘウ大気企画官は、「これまで古いディーゼル車の早期廃車などの低公害事業を展開した結果、ソウル地域のPM2.5とNOxが減少し、濃度も改善するなど、大きな効果が得られた。古いディーゼル車を画期的に削減するため、廃車に対する支援金を増額し、公害車両の運行地域も首都圏へと拡大するなど、持続的かつ強力な対策をとっていく計画」と述べた。
SMG 775
15日からソウルを走る電気バス、年内に3路線の29台に拡大

15日からソウルを走る電気バス、年内に3路線の29台に拡大

11月15日から年末まで3つの路線(1711、3413、6514)に29台の電気バスを導入 EV導入計画の初年度目標を実行し、2025年までにエコバス3千台の確保を目指す 全車ノンステップバスおよびバス情報端末(BIT)による到着情報の表示で利便性を向上 メーカー別に電気バスの性能をモニターし、ソウル型標準モデルを作る ソウル市が、電気路線バスの運行をはじめ、PM2.5の削減に乗り出す。11月15日から、ソウル都心部を貫く1711番バスで運行を開始し、年内に3つの路線(1711、3413、6514番)で計29台に拡大するモデル事業をスタートすると発表した。 電気バスは、走行中、大気汚染物質を排出しないため、天然ガス車よりも環境にやさしい交通手段と評価されている。今回導入する電気路線バスは、全車がノンステップバスとなり、交通弱者の便宜性を向上することにも貢献する見通し。 今回の電気バスの運行開始は、昨年発表した「2025 EVが便利な都市、ソウル」の初年度目標を実行すること。ソウル市は、2025年までに、汚染物質を排出しない路線バスを3千台規模にまで拡大する計画と説明した。 ソウル市は、テスト運行期間中、メーカー別の車両・バッテリーの性能、安全性、便宜性、アフター・サービスなどの項目について、持続的にモニターし、「ソウル型電気路線バスの標準モデル」を作る。そうすることにより、今後電気バス導入政策の方向性を決める予定。 ソウル市のコ・ホンソク都市交通本部長は、「ヨーロッパをはじめ、世界の主要都市が一斉に『脱内燃機関』を叫び、公共・民間部門がそろってエコカーの生産と導入に拍車をかけている。ソウル市も、今回のモデル事業を機に、汚染物質を排出しないエコ公共交通機関へのシフトを図るほか、韓国産の電気バスの技術開発にも力を入れ、持続可能なソウルづくりに取り組んでいきたい」と述べた。 「参考」 電気路線バスの運行時期およびEV充電ステーションの写真 運行開始日 運行路線 台数 運行会社 メーカー 備考 11/15~20 1711番(国民大学 ~孔徳洞、29km) 9 トウォン交通 現代自動車 貸切・廃車日程にあわせ、順時投入 11/26 3413番(江東公営車庫地 ~水西警察署、46㎞) 5 ソウル乗合 現代自動車   12/3 5 エヂソン・モータース   12/5~10 6514番(陽川公営車庫地 ~ソウル大学、50km) 10 トウォン交通 ハイガー 仁川港の通関手続きのため、12月初めから運行 写真 < 電気路線バス > < EV充電ステーション>
SMG 1,075

小児患者への医療費支援、オリジナル技術の導入など、 ソウルの発展に貢献した外国人投資企業を表彰

11月13日、ソウル市外国人投資企業アワードで、投資誘致や社会貢献をリードした外国人投資企業を市長表彰 抗体ライブラリーのオリジナル技術の韓国導入・小児患者への医療費支援・ホームレスへの無料給食など ソウル市、企業が投資しやすい環境を構築し、雇用創出・人材誘致に力を入れる計画 海外のオリジナル技術を韓国に導入し、抗体新薬候補物質を研究・開発している「エイ・バイオテック」の吉見邦一会長、小児患者とその家族のために、医療費を支援し、本も寄贈している「有限会社P&G KOREA」、持続的にソウル駅のホームレスに対して無料給食活動を展開している「㈱ジヤトコ韓国エンジニアリング」。以上のように、投資誘致と社会貢献をリードし、ソウルの発展に貢献してきた外国人投資企業がソウル市長表彰を受賞する。 ソウル市は、活発な投資や社会貢献活動を通じ、ソウルの経済と社会の発展に貢献した優秀な外国人投資企業と企業家を表彰し、持続的な投資活動を促すために、「2018ソウル市外国人投資企業アワード」を、11月13日(火)の18時、ウェスティン・チョースン・ソウルのグランドボールルームで開催すると発表した。 「2018ソウル市外国人投資企業アワード」は、今年で3回目となり、ソウル市の経済発展のために共にがんばっている外国人企業を対象に、投資誘致と社会貢献の2つの部門について、ソウル市長表彰が行われる。 まず、投資誘致部門では、抗体ライブラリーのオリジナル技術を韓国に導入・投資した「エイ・バイオテック」の吉見邦一会長が受賞する。 吉見会長は、海外の抗体ライブラリーのオリジナル技術を、韓国に導入し、抗体新薬の研究開発専門企業、㈱エイ・バイオテックを設立した。そうすることにより、ソウル市のバイオ産業中核都市支援政策に貢献したことが評価されている。㈱エイ・バイオテックは、今年の1月、ソウルの上岩(サンアム)DMC産学協力研究センターに入居して以来、抗体ライブラリー技術を移転し、抗体新薬候補物質の研究開発を進めている。 次に、社会貢献部門では、ソウル市民の格差問題を解消するために、教育の機会を提供したり、社会的弱者を支援するなど、社会貢献活動をリードしてきた①有限会社P&G KOREA、②㈱ジヤトコ韓国エンジニアリングの2つの企業が選ばれた。 アメリカに本社を置いている、グローバルな生活用品流通会社の有限会社P&G KOREAは、今年6月、ソウル特別市こども病院と、社会福祉法人Kids and Future財団との業務協約を結び、病院の環境改善や、図書および備品の寄付、医療費の支援など、厳しい状況にある小児患者とその家族たちに、経済的かつ精神的支援を行っている。 ㈱ジヤトコ韓国エンジニアリングは、日本の日産自動車の系列会社の韓国法人で、自動車の無段変速機(CVT)市場で大活躍している。同社は、会社が所在する衿川区(クムチョング)地域の児童センターを定期的に訪問したり、ソウル駅のホームレスたちへの無料給食活動を行うなど、多様な非営利団体と協力し、持続的に社会貢献活動を展開している。 ソウル市のキム・テヒ経済企画官は、「外国企業の投資は、新製品と新サービスの導入、技術移転、雇用創出など、ソウルの経済に与えるポジティブな効果が大きい。ソウル市は、これから革新成長をリードするICT、バイオ、R&Dのような産業において、外国人の投資誘致を促すとともに、ソウルでの外国人のビジネス環境をさらに改善していく」と述べた。 「添付」「ソウル市外国人投資企業の日」イベントおよび受賞企業の概要 「添付」「ソウル市外国人投資企業の日」イベントおよび受賞企業の概要 受賞部門 受賞企業名 概要 投資誘致 吉見邦一 (㈱エイ・バイオテック会長) 出生:1955年 主要功績 – ㈱エイ・バイオテック設立、DMC産学協力センターに入居(2018年1月) – ソウル市-香港友池有限公司の投資誘致MOU締結 – (2018年4月) – 抗体ライブラリーのオリジナル技術を韓国に導入 社会貢献 有限会社 P&G KOREA 設立年度:1992年 代表:Balaka Niyazee 業種:卸売り・小売業(流通) 主要功績 – ソウル特別市こども病院の環境改善事業 – 子ども病院に図書寄付、小児患者たちへの医療費支援 ㈱ジヤトコ韓国 エンジニアリング 設立年度:2004年 代表:田中寛康 業種:工学・技術研究開発 主要功績 –...   Read more
SMG 1,032

ソウル市「タクシーの乗車拒否OUT」、15日から直接強力な処罰を

乗車拒否に対する取り締まり・通報による処分権限を自治区から市へ移し、今月初は専門組織を新設 タクシー会社に対しても市がまとめて処罰。スリーアウト制を厳しく適用し、乗車拒否するタクシーに警戒心を与える 「ワンストライク・アウト」への法令改正を建議、代替する交通手段を導入するなど、あらゆる手を使って乗車拒否ゼロを目指す ソウル市は、今月15日(木)から、タクシーの乗車拒否に対する処罰権限を、自治区から取り戻し、直接処分する。そして、スリーアウト制を厳しく適用することにより、乗車拒否を抜本的になくしていくと発表した。現在は、市民が通報した件において、タクシー運転手に対する処分とタクシー会社に対する1回目の処分の権限を、自治区に委任している。その処分権限までをすべてソウル市が取り戻し、処罰を直接与えることで、乗車拒否の根絶を図る。 ソウル市は、昨年12月、乗車を拒否し、現場での取締りで摘発されたタクシー運転手に対する処分権を、自治区から取り戻した。今後は、通報による処分も市が直接担当する計画。タクシー会社に対する処分も、市がまとめて担当する。乗車を拒否したタクシー運転手だけでなく、指導・管理を怠ったタクシー会社も、市が一から処分することにより、会社レベルでの努力も期待される。 ※対象別の行政処分の権限(取り戻し前後) タクシーの乗車拒否については、「タクシー運送事業の発展に関する法律」において、スリーアウト制が導入され(2015年1月29日)、タクシー運転手やタクシー会社の過去2年間の違法行為が累計3回になると、それぞれ、資格取り消しと免許取り消しの行政処分が科される。しかし、現在までは、タクシー運転手の場合、現場での取り締まりで摘発された件のみを市レベルで処分していた。一方、市民から通報された件に対しては、処分する権限が自治区にあったため、処分率が低く、スリーアウト制がうまく適用されていなかった。タクシー会社に対しても、スリーアウト制は厳しく適用されてこなかった。1回目の処分権をもっていた自治区からの処分が甘かったため、2回目、3回目の処分に繋がらなかったのだ。 ※乗車拒否に対する市民の通報および処分の現状(2015~2017) 区分 計 2015年 2016年 2017年 市民通報件数 22,009 7,760 7,340 6,909 処分件数 2,591 739 912 940 処分率(%) 11.8 % 9.5% 12.4% 13.6% 今回の対策は、ここ3年間のタクシーに関する苦情のうち、もっとも大きな割合を占めた乗車拒否に対する処分を強化し、乗車拒否だけは必ずゼロにするという強い目標意識から進められたもの。実際、昨年末、市が現場での取締りによる処分権を取り戻した後、処分率が87%にまで上っている。この期間中スリーアウトされた人も3人もいる。 ソウル市は、昨年9月、処分権限の取り戻し計画を発表し、今月1日は、乗車拒否などに対する行政処分を扱う「タクシー管理チーム」を新設した。現在、自治区などの関係機関と意見を交わしてから、関連制度の整備(事務委任規則改正案2018年11月15日公布・施行)も完了した。 一方、ソウル市は、乗車拒否の通報が実際の処分に繋がるには、現場で証拠を確保することがもっとも大事だと強調した。客が乗っていないことを確認し、行き先を言ったにもかかわらず、運転手が「行けない」と拒否した場合は、音声を録音する。何も言わずに行ってしまう場合は、それを録画し、動画にしておけば、処分の際に役に立つ。乗車拒否の通報は、電話で120番にまで。関連の証拠資料は、Eメール(taxi@seoul.go.kr)に転送すれば良い。乗車拒否に該当するか否かは、国土交通部の取り締まりマニュアルを参照することができる。 また、ソウル市は、乗車拒否を1回犯した時に科される「警告」処分が、市民が感じる不便に比べて弱すぎると判断し、その処分を「資格停止10日」に強化するよう、「ワンストライク・アウト」への法令改正を強く訴えている。さらに、最近話題になっている、スマートフォンのタクシーアプリでの行き先露出による乗車拒否問題を解決するために、タクシー仲介業者を規制する権限を、管轄官庁に与える内容の法令の制定も求めている。 ソウル市のコ・ホンソク都市交通本部長は、「自治区に委任されていた乗車拒否に対する処分の権限を、ソウル市が完全に取り戻し、迅速かつ厳重な処分を科することにより、乗車拒否を繰り返すタクシー運転手とタクシー会社は、業界から追い出されるという警戒心を与えたい。『処分権限の完全取り戻し』という強力な対策を打っても、乗車拒否が根絶されない場合は、オルペミ・バス(かげろうバス)など、タクシーに替わる交通手段を追加的に導入するなど、あらゆる努力を尽くして、今回だけは必ず乗車拒否をゼロにする」と強い意志を表明した。
SMG 519

世界経済のリーダー、革新に基づくソウル経済成長戦略を提言

11月9日(金)、2018ソウル国際経済諮問団(SIBAC)総会、分野別世界経済のリーダーが一堂に フォーブス、シーメンス、ノルバティスのCEOら、ソウルの未来型産業と起業環境構築への提言 ベンチャーキャピタル(ヨズマ)、ゲーム(CCP)、都市インフラ(MITラボ)部門から諮問役を新規委嘱 ソウル市は、2018年11月9日、「ソウルの未来革新成長」をテーマに、第17回ソウル国際経済諮問団(SIBAC、Seoul International Business Advisory Council)総会を新羅ホテルにて開催した。ソウル国際経済諮問団は、2001年に立ち上げられたソウル市長諮問機関で、 マッキンゼー、野村ホールディングス、フォーブス、シーメンス、ブルックフィールド、アウディ、ノルバティス、東レ、ヨズマなど、様々な分野における世界有数の企業の代表28人と、5人の諮問役(コンサルタント)が活動している。今年からはより多くの分野において幅広い諮問を受けるため、世界有数の企業の代表や専門家から3人を新しく委嘱した。イスラエルにて先進的なスタートアップ生態系を構築したことで知られているベンチャーキャピタル(VC)ヨズマグループのイガール・エルリフ会長、仮想現実ゲームの世界的なディベロッパーであるCCPGamesのヒルマル・ピエトルソンCEO、デジタル技術が都会の人々の生き方や意味をどう変化させるかについて研究するMIT Senseable City Labのカルロ・ラッティ所長である。33人の諮問役の国籍は米国、中国、ドイツなど13ヵ国に至るほど多様で、コンサルティング、金融、バイオ、製造業など様々な分野のグローバルリーダーとして活躍している。 2011年から現在まで計16回の総会が開催されており、経済・社会・都市インフラ・文化・環境・起業環境など様々な分野についてソウル市長に334件の諮問を行ってきた。その84%に当たる282件が市政に反映されている。 17回目を迎えた今年のソウル国際経済諮問団総会は、将来の有望産業クラスターの構築Ⅰ、Ⅱと革新産業の生態系の構築という3つのセッションに分けて行われる。 最初のセッションでは、「R&D、バイオ・医療、都市型製造業、文化コンテンツなど将来の有望産業のクラスター構築」をテーマに、エスケル・グループのマジョリ・ヤン会長、ピンケルトン財団のリチャード・スミス会長、CCPGamesのヒルマル・ピエトルソンCEO、フォーブスのクリストファー・フォーブス副会長、現テックリソーシズ会長で元マッキンゼー・アンド・カンパニー会長のドミニク・バートン氏の5人がそれぞれ発表し、意見を交わした。 ‐このセッションで、マジョリ・ヤン会長は、「都市型製造業は、都市ブランドを左右するだけでなく、国レベルの観光業界の活性化や国内投資拡大、需要の掘り起こしなど経済面でもたらす利益が大きいだけに、未来型の製造業のシステム構築及び人材育成が大事だ」と強調した。 ‐リチャード・スミス会長は、「4次産業革命時代において韓国が先頭に立つためには、科学・技術・工学分野での女性人材の育成が重要である。これから女性人材の育成にむけたプログラム構築に取り組まなければならない」と指摘した。 ‐ヒルマル・ピエトルソンCEOは、「仮想現実や将来の先端技術によって変貌する21世紀の都市の姿を予測し、大規模なテレワーク、バーチュアル・ライフスタイル時代のライフシーンやあり方について語った。 ‐ クリストファー・フォーブス副会長は、「ソウルは優れた通信インフラや交通システムを十分生かせば、世界中の人々が楽しめる文化コンテンツをさらに拡散できる潜在力があるはずだ」とし、フォーブス社がニューヨーク市とコラボで実施した事例を紹介した。 ‐ドミニク・バートン会長は、「ソウル市が強みを発揮できる電子・通信・バイオ・医療分野に投資を集中させ、製造業の競争力向上に向けた人材育成に力を注ぐべきだ」と述べた。 2番目のセッションでは、MIT Senseable City Labのカルロ・ラッティ所長、ノルバティスのポール・ハドソンCEO、BASF理事会メンバーのサンジーブ・ガンジー氏、スエズ・エンバイロメントのジャン=ルイ・ショサードCEOが講演し、ソウルの強みを探り、他都市の成功事例を共有した。 ‐カルロ・ラッティ所長は、4次産業革命時代を迎え、これから変化していく生産・消費方式を予測し、「21世紀型都市組織居住単位」、居住スペースに関する青写真を提示した。 ‐ポール・ハドソンCEOは、スイス・バーゼルの事例を挙げ、バイオ・医療研究の加速化や製薬業界における人材育成の重要性について語った。 ‐サンジーブ・ガンジー氏は、「ソウルのR&Dクラスターの研究陣が、ソウルの強みであるデジタルインフラを活用すれば、オンラインで革新的なビジネスができる新たなモデルの構築ができるはずだ」と強調した。 ‐ジャン=ルイ・ショサードCEOは、「復元力に優れたシンガポールやニューオーリンズ、スマートシティーとして知られているフランスのディジョン、持続可能性の向上に取り組んできた中国の重慶から学んで、物を作り、それを消費していく方式に根本的な変化をもたらした「資源革命」を都市レベルの課題として考えていくべきだ」と指摘した。 最後のセッションには、「革新産業の生態系の構築」をテーマに、シーメンスのローランド・ブッシュ副会長、野村ホールディングスの古賀信行会長、ラザード・チャイナのヤン・ラン代表、ASL自動車科学技術(上海)のルドルフ・シュレイス会長、ヨズマグループのイガール・エルリフ会長が参加し、経済革新の原動力である起業環境の整備について語った。 ‐ローランド・ブッシュ副会長は、デジタル時代における革新に向けた協力を強調し、必要条件として投資、人、研究能力、空間、規制といった5つの要素を挙げ、ソウルにおけるスタートアップ生態系の構築に関して今後のあり方を提示した。 ‐古賀信行会長は、「試行錯誤を受け入れ、多様性を重視する社会を作ることこそがスタートアップ生態系を造成するための大前提である」とし、「このような努力は、大企業とベンチャー企業の間の壁を崩し、開放型革新による競争力強化につながる」と述べた。 ‐ヤン・ラン代表は、小さな漁村だった中国の深センが、12社のユニコーン企業と50万社以上のスタートアップ企業が位置する商業ハブとして浮上した経緯を説明し、スタートアップ生態系の造成に向けた政府と大学、企業それぞれの役割について語った。 ‐ルドルフ・シュレイス会長は、ソウルがここ6年間、経済・研究開発・文化交流・住まいの環境などを評価するグローバルパワー都市指数で6位にランクした(全44都市)ことを強調し、IT技術や高い教育水準を誇るソウルならではの強みに注目し、今後変化していく南北関係と南北間の経済協力についてアドバイスした。 ‐イガール・エルリフ会長は、イスラエルの例を挙げた。1991年にわずか23のインキュベーターから始まって、15年後に1千600社以上が立ち上げられた背景を説明し、政府からの支援、人材、技術産業、インキュベーターとアクセルレーター、資金繰り、サービスの6つの構成要素の重要性を強調しながら、ソウルのスタートアップ生態系の構築について提言した。 市長としての総会への参加が今回7回目となるパク・ウォンスンソウル市長は、「世界経済のリーダーから、今後ソウルの経済のあり方に関する多様なビジョンと戦略を提言して頂ける大変意義深い場であった」とし、「ソウルを世界中の革新リーダーが集まり、これまでのない新たな挑戦と実験が他の都市より先駆けて行われる都市にしたい。これからも革新を原動力として、雇用・生産性・所得の伸びが著しいソウルをつくりたい」と述べた。
SMG 501
開場3周年迎えた「高尺スカイドーム」累積観客332万人突破

開場3周年迎えた「高尺スカイドーム」累積観客332万人突破

ソウル施設公団、3年間計436回のスポーツ・文化イベント開催、累積観客332万人達し 雨天中止なく、猛暑日にも快適に観覧できる韓国唯一のドーム球場、プロ野球279試合行われ 米ケイティ・ペリーの来韓公演、K-POPアイドルコンサート続き、文化イベントのメッカ浮上 韓国初のドーム球場として2015年正式オープンした高尺(コチョク)スカイドームが、今月4日に開場から3周年を迎えた。ここ3年間、高尺スカイドームでは、計436回のスポーツ試合や文化イベントが開催され、累積観客は332万人に達する。まさに韓国を代表する複合体育文化施設として位置付けられている。 オープン以来、高尺スカイドームで開かれたイベントの8割近くはスポーツ試合で、これまで352試合が行われた。これによる累積観客は226万人で、全体の67%を占めている。 高尺スカイドームは、韓国プロ野球チームネクセン・ヒーローズのホームスタジアムとして、 100年にわたる韓国野球歴史において、初めてドーム球場時代を切り開いた。この3年間高尺スカイドームで行われたプロ野球試合は279試合に上る。 さらに、今年はホーム球団のネクセンがプレーオフ(3位決定戦)に進出したため、プレーオフ期間(10月16日~31日)だけで7万人以上の野球ファンがドームに集まった。韓国唯一のドーム球場として、雨天中止もなく、猛暑日が多かった今年の夏には特に選手もファンも快適に試合を楽しめたことからその人気はますます高くなっている。 スポーツ試合だけでなく、各種公演やイベント会場としても活用されており、3年間63回のイベントが開催された。イベント時には最大2万5千人まで収容可能な大型公演施設に変身。ケイティ・ペリー(2018年5月)やサム・スミス(2018年10月)など海外人気アーティストもこのドームで来韓公演を開いた。また、世界中で人気を博している防弾少年団(BTS)も、開場初年度から2年連続、当会場でファンミーティングとコンサートを行い、ワナワン(Wanna One)、エクソ(EXO)などK-POPアイドルのコンサートも全席完売になったおかげで、新しい公演文化のメッカとして浮上している。 一方、高尺ドームを運営するソウル施設公団は、オープン後からも観客の要望に応えるため、施設改修を行ってきた。びっしり並んだ座席のため移動困難だったことや試合の状況を確認しにくい小さい電光掲示板などを改修し、観覧客の視野確保や安全性の向上に努めた。 高尺ドーム(ソウル市九老区京仁路430)は、延べ面積83,476㎡、地下2階~地上4階建て、丸屋根の付いたフルドーム(Full-Dome)である。野球場は国際規格(1・3塁左右区間99メートル、中央122メートル、フェンスの高さ4メートル)を満足しており、グラウンドから屋根までの高さは、東京ドームより5メートル高い67.59メートルとなっている。観客席は、1階席~4階席まで計1万6,813席。コンサートなど文化イベント時には最大2万5千人まで収容可能。 ソウル施設公団理事長のイ・ジユン氏は、「より多くの観客に愛して頂けるよう、市民から寄せられた意見をもとに改修作業を進めるなど施設改善に取り組んできた」とし、「これからもソウルを代表する文化体育施設としてドームの管理運営面で最善を尽くして参りたい」と述べた。 <参考画像> <高尺スカイドーム貸し切り実績> <表1> 累積観客(単位 : 人) <表1> 累積観客 集計期間 累積観客数 1 2015.09.15.~2018.11.4 3,327,864 <表2> カテゴリー別イベント開催数及び動員観客(単位 : 回、人) <表2> カテゴリー別イベント開催数及び動員観客 カテゴリー 開催年度 開催回数 動員観客 1 プロ野球試合 2015 – – 2016 14(100試合) 881,683 2017 9(83試合) 722,369 2018 10(96試合) 536,230 計 33(279試合) 2,140,282 2 スポーツ試合...   Read more
SMG 1,229

ソウル市、92社による過去最大規模「外資系就職相談会」開催

8日、ソウル市と産資部・KOTRA・金融監督院が 「外資系就職相談会」 共同開催 ボーイング、アディダス、ジーメンスなど92社参加、計800人採用、1対1面接会も 中途採用に拘る外資系の慣例破り、8割を新卒採用予定。英文履歴書の書き方など特別講座も バイエル・コリアなど8社による「企業説明会」では、ネットで得られない貴重な情報を提供 ソウル市が、8日(木)午前9時30分~午後6時に、江南区三成洞に位置するグランドインターコンチネンタル・ソウル・パルナスホテルにて、「2018外資系企業就職相談会」を開催する。今年は、ソウル市を始め産業通商資源部、大韓貿易投資振興公社KOTRA、金融監督院の4機関が共同で相談会を開催するだけに、参加する企業も過去最多となり、企業と求職者両側の利便性を図るための充実したプログラムを提供するという。 〈アディダス・コリア、ジーメンス、SC第一銀行など92の外資系企業が参加〉 開場では、企業からの人事担当者と1:1で行われる面接を兼ねた相談会の他にも、企業説明会や外資系就職ノウハウを伝える特別講座も行われる。 企業説明会では、バイエル・コリア、アディダス・コリア、デンソー・コリアなど計8社が参加し、各社の人材像、就活ノウハウ、採用予定職務について説明する。韓国企業に比べ外資系の就活が大変な理由の一つとして、ネットから得られる情報が少ないとの声があったからだ。外資系の場合、まず求人情報を見つけることが容易でなく、見つけたとしても韓国企業が自社のホームページにきちんと会社紹介ページを設けているのに比べ、外資系韓国支店の場合は、会社の情報をあまり公開していないことが多いというわけだ。 この他にも、当日会場では、外資系就活ガイドラインを提示する特別講座も開かれる。英文履歴書の書き方や外資系就活ノウハウ、キャリア相談などが行われる。 ソウル市経済振興本部長のチョ・インドン氏は、「現在ソウルには7千社に上る外資系企業が活発に活動しているが、今回の相談会を機に多くの若いグローバル人材が、外資系企業に就職を決め、世界を舞台に活躍できることを期待している」と述べた。 就職相談会:92社 – 会社ごとにブースを設け、人事担当者と求職者の1対1の面接を実施 企業説明会:8社 – 各社の人材像、就活ノウハウ、採用予定職務について説明 特別講座 – 外資系の会社紹介や求人情報案内、就活ノウハウ、英文履歴書の書き方など
SMG 509

ディズニー「ミッキーマウス」がソウルへ、 3周年「I・SEOUL・U」とコラボ

I・SEOUL・Uの3周年、ミッキーマウス誕生90周年記念で、「I・MICKEY IN SEOUL・U」のコラボ・ブランド・キャンペーン実施 K-pop、漢江など文化コンテンツのファンが多く、今注目の都市ソウルにデイズ二ーから提案 コラボ・ロゴをディズニーの韓国・グローバルSNSに載せ、I・SEOUL・Uを世界に広報 ミッキーマウスが28日、市民庁にて低所得層に送るギフト・ラッピング・イベントを実施、12月初ソウルをツアーしながら市民と出会う アメリカに住んでいるディズニーのミッキーマウスが、韓国ソウルに初めてやってくる。11月28日(水)入国し、まずソウル市庁を訪問する。12月初めには、NソウルタワーやDDPなど観光スポットを巡りながら市民たちに出会う。ソウル市は、本イベントを事前に盛り上げるため、「I・SEOUL・U」と「ミッキーマウス」が出るティーザー広告を、ソウル全域の地下鉄や屋外ビジョンなどで公開し、コラボ・ロゴもディズニーとソウル市の公式SNSに載せる。 ミッキーマウスは、かわいくて明るい顔で、誕生以来90年間、世界のアニメ史上、最も愛されているディズニーの代表的なキャラクター。「蒸気船ウィリー(Steamboat Willie)」という劇場版アニメで世の中に登場した1928年から2013年まで、計121本の映像、約3万巻以上の図書・雑誌・漫画、約90本のテレビアニメに出演し、世界の子どもたちの親友となった。ニューヨーク、LA、ロンドン、上海など世界主要都市を巡り、各国のファンたちに出会ってきたミッキーマウスが、今回初めてソウルにやってくるのだ。 ソウル市は、ミッキーマウスのソウル訪問を迎え、ソウルの代表ブランド「I・SEOUL・U」とコラボレーションし、「I・MICKEY IN SEOUL・U」という名で多様なブランド・キャンペーンを行うと発表した。今回のコラボは、「I・SEOUL・U」の3周年とミッキーマウス誕生90周年を記念し、ウォルト・ディズニー・カンパニー・KOREA(以下ディズニーKOREA)の提案によって始まった。ソウル市は、国際都市としてのソウルの地位が高くなったことや、K-popや漢江などの文化コンテンツを楽しむファンたちが多く世界的に注目を集めていることが考慮され、ソウル市が今回ミッキーマウスの訪問都市に選定されたと説明した。 コラボ・ブランド・キャンペーンの主な内容は、「I・MICKEY IN SEOUL・U」のブランド・キャンペーン映像公開、「I・MICKEY IN SEOUL・U」ブランド・キャンペーンのロゴ・コラボ、サンタ隊のギフト・ラッピング・イベント、ソウル・ツアーで構成される。 第一に、ソウル市は、2本の「I・MICKEY IN SEOUL・U」ブランド・キャンペーン映像を制作した。この映像は、ソウル市庁本館の大型屋外ビジョンをはじめ、ソウル地下鉄1~9号線の車両内のモニター、光化門(クァンファムン)・汝矣(ヨイ)ナル・忠正路(チュンジョンノ)・会賢(フェヒョン)・東大門歴史文化公園駅のメディア・ボード電光板、ソウル市傘下機関や各区庁が所有するモニター、ソウル市内の民間ビルの屋外ビジョンなどで公開される。 第二に、ミッキーマウスの象徴的な色といえる黒・赤を背景にミッキーマウスが入った「I・MICKEY IN SEOUL・U」のロゴを制作し、I・SEOUL・Uのブランド・フェイスブックや、ソウル市のグローバル・ホームページ、ディズニーの公式SNSチャンネル(YouTube・FaceBook・Instagram)に載せる。 第三に、ミッキーマウスがソウルに到着する11月28日(水)、ソウル市庁の市民庁オープンラウンジで、「2018サンタ隊のギフト・ラッピング」イベントが行われる。ミッキーマウスだけでなく、ソウル市の職員、ディズニーKOREAの役職員、ChildFund KOREAが一緒に、低所得層の子どもたちに送るクリスマス・プレゼントを包装する。当日の夜は、ロッテ・ヤングプラザ本店で、「I・MICKEY IN SEOUL・U」の2本目の映像を公開するメディア・ファサードも披露される予定。 最後に、12月初めには、ミッキーマウスがNソウル・タワーや東大門DDP、光化門など、ソウルの観光スポットを巡り、ソウル地下鉄にも直接乗ってみる「ソウル・ツアー」も用意している。 ソウル市のユ・ヨンシク市民疎通企画官は、「『 I・SEOUL・U 』は、市民のブランドで、市民の生活の中で生き生きし、市民を支えるブランドへと成長してほしい。今回のミッキーマウスとのコラボだけでなく、今後も様々な社会貢献活動を通じて『I・SEOUL・U』が市民になじみ、『I・SEOUL・U』を通じて『市民中心のソウル、市民が幸せなソウル』の価値を広く伝えていきたい」と述べた。
SMG 889

年売上8億以下自営業者、手数料ゼロ… 「零細商工業者かんたん決済サービス」加盟店を募集

「零細商工業者かんたん決済サービス」、12月中旬にソウルでスタート、来年以降、全国に拡大 年売上8億以下は決済手数料0%…ほぼすべての零細自営業者が該当 消費者には40%所得控除、政府と協力し基本インフラ「共同QR」開発済み 29日からオン・オフラインで申し込み受付、フランチャイズ・伝統市場などには説明会 消費者の便宜考慮し大手スーパー、百貨店など大規模事業者にも「門戸開放」 不況に苦しむ零細事業者を救済するための「零細商工業者かんたん決済サービス(仮称、原語「小商工業人簡便決済サービス」)」の施行が決まり、10月29日からサービス加盟店の募集が始まる。このサービスは、現行0・8%~2.3%のカード決済手数料を0%台に引き下げることで、零細事業者の負担を実質的に軽減しようというもの。加盟店の決済手数料は、売上額によって0%~0.5%となる。これは、ソウル市、韓国中小ベンチャー企業部、(仮称)ソウル・ペイTFに参加する銀行や事業者などの協議を通じて決められた。 まず、年間売上が8億ウォン以下の零細業者には、0%が適用される。ソウル市内の全事業所のうち8割に当たる66万か所が零細事業者であり、またカード加盟業者(53万3千か所)の9割以上が年間売上8億ウォン以下の零細事業者であることを考えると、サービスの効果はかなりのものになると期待される。このサービスの適用を受ければ、年間売上が8億ウォンを超えていても、手数料が0.5%を超えることはない。フランチャイズ業界などは、クレジットカード手数料が営業利益の30~50%に達する。それだけに、このサービスを通じて零細事業者の負担を大幅に軽減できるのではと市は見込んでいる。 ※ 「ソウル・ペイ」(「零細商工業者かんたん決済サービス」)決済手数料 零細商工業者かんたん決済サービス 年間売上8億ウォン未満 0% 8億ウォン超過~12億ウォン以下 0.3% 12億ウォン超過 0.5% ※ 現行のクレジットカード決済手数料 0.8%~2.3% 一方、「零細商工業者かんたん決済サービス」を利用する消費者には、40%の所得控除が適用される予定。これは、クレジットカード(15%)やチェックカード(30%)を上回るものだ。ソウル市は、韓国中小ベンチャー企業部、5つの民間決済プラットフォーム事業者、11の都市銀行と共同で基本インフラに該当する「共同QR」もすでに開発済み。ソウル市はまた、消費者の便宜を考慮し、かんたん決済サービスの対象に一般事業者も含めている。 クレジットカード決済の加盟率が高く、カード手数料の負担が大きいのは主に食堂やカフェなどの飲食関連の業種だが、ソウル市はこれらの事業者に加入を強く促す考え。具体的には、区や中小企業中央会(ソウル地域本部)、フランチャイズ本部などと協力し、事業所に足を運んで説明を行うほか、加入申込書を郵送するなどの方法が計画されている(11月以降)。またソウル市が直接管理する地下道や地下鉄駅の商店街、伝統市場の商人などにも加入してもらえるよう、関連の協会などと協力して説明会を開催する。食品公社、ソウル交通公社、大韓放射線協会ソウル特別市会、韓国健康管理協会、子どもと未来財団、マミソン、タサンパック、世界キムチ研究所、培花(ペファ)女子大学、韓国ロータリークラブ、義勇消防隊、セマウル婦女会、CJ大韓通運など 加入の申し込みは、オンライン、オフラインのいずれも可能。▴オンライン加入:ソウル・ペイのホームページ(http://seoulpay.or.kr)にアクセスし、事業所情報(商号、住所、連絡先、事業者登録番号など)を入力、申し込み。▴オフライン加入:25の区庁の区民サービス室(民願室)、洞の住民センター、ソウル信用保証財団の支店(17か所)、中小企業中央会ソウル地域本部を訪れ、申込書を作成、提出。また、営業時間に店を空けられないなど様々な事情でオン・オフライン加入が難しい事業者のための方法として、11月末~12月初旬、加盟店 に「共同QRセット」が置かれ、それを参照する加入方法などもある。 「零細商工業者かんたん決済サービス」は、まずソウル地域で年内にスタート、その後、韓国全域に拡大される。第2弾としては2019年の初頭、釜山、仁川、全南、慶南などでの施行が予定されている。なお、このサービスは、スマートフォンアプリで手軽に利用することもできる。店舗に掲示されているQRを消費者がスマートフォンで読み取るだけで、消費者の口座から販売者の口座に所定の金額が振り込まれるという、モバイル直接取引決済システムを利用したシンプルな方法だ。 ソウルの朴元淳市長は、「内外の経済が苦しい中、零細事業者はその波をもろにかぶり、売り上げ自体が激減している。よって、カード手数料の負担が重くのしかからざるを得ない。そんな彼らの苦痛を何とかして軽減したいと思い、この『零細商工業者かんたん決済サービス』の施行を決めた。このサービスはまた、自営業者の救済だけでなく、消費者には所得控除という形の利益を提供し、ひいては国の財政の土台を堅固にするのにも貢献できるものだと考えている。まずは出来るだけ多くの事業者にサービスに加入してもらい、普遍的な決済手段として定着させてゆきたい」と述べている。
SMG 910

6千人参加・165トンのキムチ、史上最大規模の 「第5回ソウル・キムジャン文化祭」

ソウル市、11月2日(金)~4日(日)、ソウル広場一帯で「第5回ソウル・キムジャン文化祭」開催 6千人が参加し、計165トンのキムチを分かち合う史上最大規模のキムチ・フェスティバル 古代の野菜漬けや平壌の白菜など、歴史と地域を代表するキムチが見れる「キムチ100選」 キムチとキムチの材料を廉価で購入できるキムチ・マーケット ソウル市とベンツKOREAの役職員も参加し、最大人数同時キムチ作りのギネス記録更新に挑戦 ソウル広場と武橋路(ムギョロ)一帯で、11月2日(金)~4日(日)の3日間、「温かい分かち合い、ソウル・キムジャンの日」というスローガンの下、「第5回ソウル・キムジャン文化祭」が開催される。今年は、史上最大規模で、6千人以上の市民がソウル広場に集い、165トンのキムチを作ることとなる予定。今年の文化祭では、▲「キムジャンの分かち合い」のイベントだけでなく、キムチの歴史と地域ごとのキムチが分かる展示や、子ども・外国人も含め、誰にでも楽しめる体験プログラムの▲「ソウル・キムジャンガン」、▲「キムチ想像遊び場」など、多様な体験や見物ができる。また、武橋路一帯が「キムチ・ストリート」となり、全国各地のキムチやキムチの材料、キムチを使った料理を試してみることができる。 1. キムジャンの分かち合い(11月2~4日の14:00~17:00) 「キムジャンの分かち合い」は、「ソウル・キムジャン文化祭」の象徴といえるプログラムで、「協力」と「分かち合い」という、キムジャン文化が有する価値を表す。各界の市民6千人が3日間ソウル広場に集まり、計165トンのキムチを作る。 ※キムジャン文化祭の主要後援機関および団体:メルセデス・ベンツKOREA、富栄(プヨン)グループ、新安郡(シンアングン)、ソウル市農水産食品公社、ソウル交通公社、大韓放射線協会ソウル特別市会、韓国健康管理協会、子どもと未来財団、マミソン、タサンパック、世界キムチ研究所、培花(ペファ)女子大学、韓国ロータリークラブ、義勇消防隊、セマウル婦女会、CJ大韓通運など 特に、今年は、メルセデス・ベンツKOREAとソウル市がともに、「1ヵ所で最大人数キムチ作り」部門の世界ギネス記録に挑む。現在の世界ギネス最高記録である2013年の2,635人を越え、3千人が一緒にチャレンジする予定。 去年9月、ホームページで受けた「キムジャン分かち合い」の参加者募集の事前申請は完了したが、現場を訪れた市民なら誰でもソウル広場に別に設けられた「キムジャン分かち合い体験ゾーン」で、キムジャンに参加することができる。 そして、ソウル市は、新しい寄付文化のトレンドに合わせ、カカオ㈱の社会貢献プラットフォーム「カカオ・ガチガチ(一緒の価値)」を通じ、ボランティアの募集(チャカン・ソプン/やさしい遠足)と材料費の募金(ガチ・キブ/一緒に寄付)を行っている。オンライン募金は、10月31日(水)に完了し、募金されたお金は全額、キムジャン材料の購入に使われる。 2. ソウル・キムジャンガン(11月2~4日の11:00~18:00) ソウル広場に設けられる大型のエアードーム「ソウル・キムジャンガン」は、キムチの体験プログラムを行う場所で、去年も好評だった。今年は、デモと展示プログラムを強化した「ソウル・キムジャンガン1」と、講演と体験プログラムで構成した「ソウル・キムジャンガン2」に分けて運営する。 「ソウル・キムジャンガン1」では、「キムチ100選」、「キムチ・ミュジアム」、「名人のキムジャンガン」を用意している。キムチの起源となった古代の野菜漬けや、朝鮮時代のキムチ、全羅道・慶尚道・咸鏡道地方と平壌の白菜キムチなどを、韓国のキムチ名人とキムチ専門家たちが再現する。 ※ソウル市庁出入記者団に対するキムチ100選のショーケース:11月2日(金)の12:00/添付4 「ソウル・キムジャンガン2」では、最高のキムチの作り手を選ぶ「キムチ・シェフ・コンテスト」や、今年の我が家のキムジャンができる体験プログラム「我が家のキムジャンガン」、専門シェフに独特なキムチ料理を教えてもらう「シェフのキムジャンガン」、外国人がキムチの歴史や文化を学び、キムジャンの体験もできる「外国人のキムジャンガン」など、誰にでも楽しめる体験プログラムを用意している。 3.キムチ想像遊び場・制作公演(11月2~4日の11:00~18:00) 家族ぐるみの観覧客のため、子どもの目線でキムジャン文化を直接体験できる様々な公演や遊びも予定されている。体験遊び空間「キムチ想像遊び場」では、遊びを通じてキムジャンの全過程を体験できるため、子どもがよりキムチになじむようになる。また、キムジャンをテーマにした色んな公演も用意してある。キムチの妖精たちが聞かせてくれるキムジャン物語、キムチの妖精たちと模型のキムチを作る体験、ピアノを弾くエビや踊るニンニクなど、キムジャンの材料たちと市民が一つになって楽しめる参加型の公演「ポムリム・パーティー(まぜまぜパーティー)」など、多彩なイベントが観覧客たちを待っている。 4. キムチ・グルメ、キムチ・ストリート(11月3~4日の11:00~18:00) 11月3日(土)から4日(土)の2日間、武橋路は「キムチ・ストリート」となる。産地から直送した全国各地の特産キムチや新安天日塩などのキムジャン材料を、普段より廉価で購入することができる「八道キムチ・マーケット」や、キムチを活用した独特のフュージョン料理を披露する「キムチ・フュージョン・フード・トラック」などが、市民たちの味覚を刺激する予定。 ソウル市のソ・チョンヒョプ文化本部長は、「今年で5回目となった『ソウル・キムジャン文化祭』が、多くの企業や市民の参加により、ソウルを代表する大規模の分かち合い祭りとなっている。今後も新しいプログラムを積極的に開発し、韓国のキムジャン文化が新たな韓流コンテンツへと発展できるよう力を入れていきたい」と述べた。 「ソウル・キムジャン文化祭」の詳しいプログラムや日程は、公式ホームページ(www.seoulkimchifestival.com)で確認できる。その他のお問い合わせは、ソウル・キムジャン文化祭の運営事務局(02-337-9897)まで。 「第5回ソウル・キムジャン文化祭」韓国のキムチ100選ショーケース案内 行事概要 〇日時:2018.11.2.(金)12:00 ※本行事の開幕式:14:00 〇場所:ソウル広場のキムジャンガン1(赤い大型のエアードーム) 〇出席者:ソウル市庁出入記者、キムチ業界の関係者 〇主管:ソウル特別市、大韓民国キムチ協会 〇内容:歴史と地域を反映し、実物が展示される、100種類のキムチに関する説明および試食会を開催(北朝鮮、慶尚道、全羅道など地域を代表するキムチ) 手順 手順 時刻 内容 備考 11:40~12:00 式前公演 -カウンターテナーのルイス・チョイ-ヴァイオリニストのエスダー・リー 12:00~12:20 展示ツアーおよびキムチ説明会漬け→キムチ文化→スタイリングの順 -キムチ名人のイ・ハヨン-世界キムチ研究所のパク・チェリン-培花女子大学のキム・チョンウン調理学課長 12:20~12:40 八道キムチ試食会 -白菜キムチ:キム・スンザ(食品名人第29号)-白菜キムチ:ユ・チョンイン(食品名人第38号)-海鮮ソクバクジ(大根キムチ):イ・ハヨン(食品名人第58号)-北朝鮮キムチ:キム・ウンジュ(キムチ研究家)-全羅道メンドラミ白キムチ:カク・ウンジュ(光州キムチ名人)-慶尚道タチウオ白菜キムチ:キム・ギョンヒ専門家-江原道ズキニ・キムチ:チョン・ミンソン専門家※添え物:ご飯、蒸し豚、お餅、芋、豆腐
SMG 1,019

夜道の安心、これからはソウルのどこでも「アンシミ」にお任せ!

1年5か月の準備期間を経てソウル全域に拡大、25日(木)に城北区庁で記念式を開催 会員登録、緊急通報の簡略化、携帯電話の揺れによる誤通報の最小化、管制センターへの自動電話接続機能の搭載 4区を対象としたモデル運営期間、ダウンロード回数1万6千回、登録人数3,600人、サービス利用回数およそ7千回 地下鉄バナー、市内バス音声広告、訪ねてゆくPRブースなど大々的なPRで市民の利用率↑ #. 2018年10月。ソウルに住むキムさん(37歳女性、独身)は、ソウル市が開発した「アンシミ」というアプリを携帯電話にインストールした。以来、帰宅が遅くなるときも、以前ほど不安を感じなくなった。このアプリをあらかじめ起動して、夜道を歩いているからだ。まんいち危険な状況に陥ったときは、このアンシミを通じて助けを求めることができる。緊急通報ボタンを押すか、携帯電話をshakeするだけでよい。そうするだけで、キムさんの現在地を管轄する区のCCTV統合管制センターに通報され、センターが動く。防犯カメラによって状況をモニタリングし、ケースによっては、センターに常駐している警察に出動を要請するなどの措置を迅速に取る。結果、キムさんは危険から逃れることができるというわけだ。 「アンシミ」は、ソウル市が作った携帯電話用のアプリだ。市民が遅い時間に一人で帰宅する途中で危険に陥った際、SOSを発するためのものだ。使い方は簡単で、画面上のボタンにタッチするか、携帯をshake(振る)するだけ。ソウル市は2017年5月から、恩平・西大門・城北・銅雀の4区でテスト運営を行ってきたが、これからはソウル全域(25区)でサービスを利用できるようになる。テスト運営期間の1年5か月の間、不備な点の改善など様々な準備作業を行い、今月25日(木)からいよいよ全地域へのサービスをスタートさせる。 「アンシミ」のコントロールタワーは、区ごとに運営されている統合管制センターだ。ソウル全域に設置されている3万9,463台の防犯カメラ(2018年6月末現在)とスマートフォンアプリを連動させ、危険な状況をリアルタイムでモニタリング、救助活動まで行う。アンシミとはつまり、主に女性のための年中無休24時間運営のセーフティネットと言える。このアプリがあれば、たとえ通報者の現在地が防犯カメラの死角に入っていたとしても大丈夫。写真・映像を撮影する機能が搭載されているからだ。写真や映像を統合管制センターに送り、対応を求めることができるというのが、このアプリの大きな利点だ。 市によると、4区を対象に実施されたテスト運営期間中(2017年5月~18年9月)、ダウンロード回数は1万6,483回、3,614人が会員登録(18年9月現在)をし、サービス利用回数は全部で7,055回だった。運よく事なきを得たが、危険な状況と思われる緊急通報が入り、警察が出動したケースもあった。 これまでは、市民の居住地がアンシミのサービス地域内(4区)であっても、緊急事態が発生した地点がテスト地域(21区)でなければサービスが受けられなかった。しかし今後はサービス地域がソウル市全域となるため、市民がどこにいても、その位置を管轄する管制センターがSOS信号を受け付け、迅速なサポートをしてくれる。 このたびのサービス全面スタートに当たり、ソウル市は、テスト期間に明らかになった不備を改善し、「アンシミ」サービスをグレードアップした。具体的な改善内容としては、▴緊急通報を2段階→1段階に簡略化、▴携帯shake通報機能による誤通報の最小化、▴緊急通報電話の管制センターへの自動接続機能の搭載、▴会員登録の簡略化などがある。そのほか、情報提供サービスもある。ソウル市内210か所の女性安心宅配ボックス、女性安心保護の家、派出所、防犯カメラなどの位置をはじめ、デートDVやサイバー性犯罪が発生した際のサポートについての情報なども得られる。 今回のサービス全域化に際し、市は様々な媒体を利用して大々的なPRを繰り広げている。地下鉄バナー広告、市内バスの中で流される音声広告、訪ねてゆくPRブースの運営などがその例だ。それにより利用率をアップさせ、「市民の護身アプリ」として定着させるねらいだ。 アンシミには、大きく3つの活用法がある。①緊急事態発生時の「SOS通報」、②ひとりで帰宅するときのための「安心帰宅モニタリング」、③安心帰宅スカウトの申し込みがそれだ。 <緊急通報 : 画面タッチまたはスマートフォンをshakeすることで管制センターに自動通報、警察が出動> 第一の活用法だが、夜遅く一人で帰宅する途中で非常事態が発生したときは、画面中央の「緊急通報」をタッチするか、またはスマートフォンを何度も振れば(shake)、管制センターに「緊急」コールが入る。誤ってタッチまたは振ってしまった場合は、5秒以内なら「取り消し」が可能。「緊急」コールの際は、自動撮影された現場の写真または動画(ユーザー設定)が管制センターに送られる。緊急通報が受け付けられると、管轄区の統合管制センターの警光灯が作動して警報が鳴り、マルチスクリーンで利用者の位置情報などが確認される。危険な状況と判断されると、「非常状況」に切り替わり、センターに常駐する警察官が出動するなどの措置が迅速に取られる。 「アンシミ」のシステム <安心帰宅 : 現在地を管制センターに送出、保護者に帰宅メッセージ送信> 第二の活用法である「安心帰宅モニタリング」サービスは、アプリのメイン画面で帰宅モニタリングサービスをタッチ → 目的地を入力 → 「サービススタート」をタッチ → ユーザーの現在地が区の管制センターに送られ、会員登録時に指定した保護者に帰宅することを伝えるショートメールが送信されるというもの。目的地に到着すると、自動で終了する。 <安心帰宅スカウト申し込み、安心宅配などの位置情報およびジェンダーに基づく暴力に関する情報も提供> 第三の活用法としては、安心帰宅スカウトの申し込みのほか、安心施設物の位置情報やジェンダーに基づく暴力に関する情報の提供がある。アンシミを利用した安心帰宅スカウトの申し込みの利用時間は、平日21時30分~24時30分(月曜日は21時30分~23時30分)。安心施設物の位置情報として提供されるのは、安心宅配ボックス、防犯カメラ、派出所、安心保護の家などの位置だ。ジェンダーに基づく暴力に関する情報は、デートDV、サイバー性犯罪などの暴力への対処法や、助けを求めることのできる所などの情報が詳しく載せられている。 アンシミは老若男女を問わず利用可能で、アンドロイド端末ユーザーはGoogle Play、ワンストアで、iPhone ユーザーはApp Storeで「ソウル市アンシミ」を検索すれば、ダウンロード、インストールできる。旧バージョンのアンシミをインストールしてある場合は、削除したうえで新しいバージョンをインストールする。アンシミを利用していて予想外のエラーが発生したときや、改善事項の提案、お問い合わせは、アンシミ運営チーム、または女性政策課まで。 安心運営チーム:<平日、昼間> 2133-5055~6、<夜間・日曜祝日> 2286-6655~6 女性政策課メールアドレス:women@seoul.go.kr ソウル市のムン・ミラン女性家族政策室長は、「アンシミは、防犯カメラや統合管制センターなどの既存のインフラとスマート技術を融合させることで効率的なセーフティネットを構築した、画期的なアプリ。今回のサービスエリア全域化を機に、これまで一部の地域で限定的に利用されていたアンシミが『ソウル市民の護身アプリ』として定着するよう、市民へのPRに積極的に取り組んでいきたい」と話している。
SMG 1,074

ソウル市、スマホで簡単!タクシーQRコード決済サービス導入

ソウル市、韓国初「タクシーQRコード決済」標準モデル設け、来年1月からソウルタクシーへ導入目指す 動的コード方式の採用により、走行距離・割増などで利用ごとに変わる支払額をQRコードに即時自動変換 領収書なくても決済履歴からタクシー利用情報を確認可能、メーター不正操作防止効果でぼったくり根絶 中国アリペイも事業参加、400万訪韓中国人を対象に新たなタクシー利用需要の掘り起こし期待 スマートフォンの普及により、世界が「モバイルファースト」にとどまらず、「モバイルオンリー」の時代に移り変わっているなか、韓国ソウル市が、スマホで簡単に支払いできるタクシー用QRコード決済システムを7万1,845台に上るソウルタクシーに搭載する。 さらにソウル市は、多くのモバイル決済サービス事業者が参加しやすいよう、「タクシー用QRコード決済システム」の標準モデルも設けた。利用者に対しより多くの選択肢を与えるためだ。ソウル市は来年1月のサービス開始を目指して、参加が決まった中国のアリペイの他にも、さらなる事業者の確保に努める考えだ。 このサービスの特徴は、動的QRコードを採用したことである。スーパーやオンラインショップで一般的に使われているのは、静的コード。つまり、最初から決まった値段や商品情報が盛り込まれているQRコードをプリントするか、画面に表示する仕組みだ。これに比べ、動的コードは、走行距離や利用時間帯によって変わる支払額を即時にQRコードに変換できる。ソウルのタクシーは、2017年からアンドロイド基盤の決済端末を使用しており、動的QRコード変換システムも搭載できる環境は既に整っている。 動的QRコードは、静的コードに比べて盛り込める情報量の制限が少ないため、 領収書がなくてもいつどこでも決済履歴から利用情報を確認できるよう、走行距離や乗車料金だけでなく、乗下車時刻や利用したタクシーナンバーまで幅広い情報を盛り込むことができる。 特にソウル市が注目しているのは、外国人観光客目当てのぼったくりタクシーの根絶効果である。多くの観光客がタクシーを利用する際、クレジットカードより現金で支払う傾向があるが、これを悪用して一部の運転手がタクシーメーターを不正操作し、通常料金より高く受け取ることもしばしばあった。 昨年、韓国観光公社が外国人観光客から受けた苦情相談の中で、タクシーに関する内容が13.3%と1位のお買い物関連28%に次いで多かった。なかでもぼったくり行為に関する内容が46.5%と最も多かった。 しかし、利用ごとに変わる支払額が自動でQRコードに変換される動的方式を採用することで、不正操作もできなくなり、ぼったくり行為を防げると考えている。 また、訪韓外国人の約3割を占める中国人の場合、クレジットカードより現金支払いの傾向があるが、タクシーに関する苦情相談者の39.5%の国籍が中国か香港だったことが分かった。中国では、QRコード決済が急速に普及しており、全体の決済サービスに占める割合も2014年の4%から2017年63%へと急増するなど、まさに「モバイル決済天国」として浮上している。韓国に訪れる中国人観光客が年間400万人に上るなか、ソウル市はタクシーのQRコード決済サービス導入によるタクシー利用需要の掘り起こし効果も期待している。 ソウル市は中国のモバイル決済事業に手掛けているアリペイと協議し、ソウルでタクシーQRコード決済サービスを提供することを確定した。サービス開始は2019年の1月に予定している。ソウル市は、他のモバイル決済サービス事業者とも協議し、当事業への参加を促すことで、利用者側の選択肢の多様化を目指す。 ソウル市都市交通本部長のコ・ホンソク氏は、「世界でQRコード方式のモバイル決済が急速に普及しているが、動的QRコード方式を取り入れたタクシーQRコード決済は、米ニューヨークなど一部の都市にしか導入されていない」とし、「韓国ではソウル市が先頭に立ちタクシー向けの標準モデルを設け、市民はもちろん、ソウルを訪問する外国人利用客の便宜を図りたい」と述べた。 ○動的QRコード変換システムによる決済の流れ ○ 静的QRコード、動的QRコードの比較 静的QRコード、動的QRコードの比較 区分 動的QRコード(Dynamic QR コード) 静的QRコード(Static QRコード) 方式 料金などの情報が盛り込まれたQRコードをリアルタイムで生成 QRコードを読み込んだ後、支払額は乗客が受動入力 販売価格が既に盛り込まれているQRコードを読み込んで支払う方式 特徴 使い勝手がよく、盛り込める情報量が多い 受動入力の際ミス発生可能性有り 盛り込める情報量が少ない
SMG 1,327