ソウル市は2021年1月25日から国土交通部・警察庁と共に、民間ナビゲーション企業に▴信号の色および残り時間などの交通信号、▴乱横断をした歩行者、▴違法駐車・停車の位置など計14種のデジタル道路インフラデータを開放する。 ソウル市は今回の開放が単純に民間にデータを提供するという概念を超え、市民が従来のナビゲーションだけでも車と車(V2V)、車と道路(V2I)がデジタルでつながり、前方の危険を事前に教えてくれるコネクティッドサービスを通じて、デジタル交通産業に革新をもたらすことを期待している。 *コネクティッドサービス(Connected Driving Service):車と車(V2V、Vehicle to Vehicle)、車とインフラ(V2I、Vehicle to Infra)をつなぎ、危険情報を相互に交換しながら交通事故を画期的に減らし、自律走行などを支援するサービス この事業はソウル市が国土交通部と共に推進したC-ITS実証事業の一環で、収集したデジタルインフラデータをナビゲーション企業に提供し、特殊端末を装着したバスやタクシー運転手だけではなく、すべての車の運転手が先端コネクティッドサービスを利用できるよう支援するものである。 ソウル市は早ければ2021年6月から、民間と協力してカーナビゲーションで前方の信号の色や信号が変わるまでの残り時間を秒単位で伝え、運転手の死角にいる歩行者との衝突の危険やトンネル内の停車および違法駐車・停車の位置など、道路上の危険まで案内してくれる「スマート・ナビゲーションサービス」を開始する予定だ。 このサービスにより、市民なら誰でも無料でナビゲーションを通じた道案内はもちろん、リアルタイムで道路インフラとデジタルでつながり、道路の危険などを事前に教えてくれる交通安全中心のコネクティッドサービスを利用できるようになる。 このようなサービスが常用化されれば、信号の時間に合わせて交差路を通過する安全速度を運転手に伝え、急ブレーキ・急発進などによる事故の危険や燃料の無駄を減らし、運転手の不注意により発生する交通事故が30%以上減少することが期待される。 また、交通信号データの開放により、リアルタイムの交通信号の時間を反映した正確な交差路の通過時間も予測可能となり、ナビゲーションでの最適な経路案内および目的地の到着時間の正確度もさらに高まると予想した。
<無料で車と道路インフラをつなぐコネクティッドサービスが利用可能に>
今まで、交通信号や歩行者の危険などの道路インフラデータは、約200万ウォンの高価な端末を装着した自律走行車など一部の車両しか利用できなかった。 しかし、今回のデータ開放により特別な装置がなくても、前方の交通信号や道路の危険などを事前に教えてくれるコネクティッドサービスを、スマートフォンさえあれば市民は誰でも無料で利用できるようになり、差別のないデジタル利用環境がつくられると期待している。<都心・カンナム(江南)など597か所の交通信号を開放、2022年6月までに6車道以上の道路に拡大>
ソウル市はまず、▴都心(四大門内)、▴ヨイド(汝矣島)、▴カンナム(江南)、▴サンアム(上岩)内の道路と、ヤンファロ・シンチョンロなど中央バス専用車道を運営中である22道路の計597か所(交差路)を対象に、交通信号データを開放する。これはC-ITS実証事業を通じて設置済みのインフラから収集したデータである。 また、2022年6月までに6車道以上のすべての市内道路に計2,468か所の交通信号データを拡大して開放し、市民が主に利用する6車道以上のすべての道路でナビゲーションを利用して前方の交通信号を案内する予定だ。これにより、ソウル市全体の信号制御器を基準として約45.9%の交通信号が開放されることになるとソウル市は説明した。 ソウル市は、これから市民の反応や交通事故の節減効果などを綿密に検討して交通信号の開放インフラをソウル市のすべての道路に拡大し、歩行者の交通事故が多い道路区間で乱横断をした歩行者を感知するため、道路インフラのデジタル化を進める計画だ。<オンライン説明会を開催し、2021年2月までに民間ナビ企業を選定>
ソウル市は公開募集を通じて、開放されるデータを利用して市民向けのサービスを担当する技術のあるナビゲーション企業を選定する予定だ。 このため、2021年1月29日にポータル・自動車・通信企業など独自のナビゲーションを所有している企業を対象にオンライン公開説明会を開催する。市民に新しくお披露目するサービスの品質および独創性などを、全員外部の委員で構成された選定委員会で公正に評価し、3~5社を選定する計画だ。 詳しい内容はソウル市交通情報ホームページ(http://topis.seoul.go.kr)などで案内する予定だ。<5Gなど最新技術を適用した超低遅延データの開放により、デジタル交通産業の革新を導く>
交通信号データなどは、1秒でも遅延が発生するとすでに過去のデータとなって価値がなくなってしまうため、超低遅延データの交換は自律走行など未来の交通産業のコア技術として認識されている。 ソウル市はデータ開放のため5G通信ネットワークなどを活用して0.1秒(100ms)単位でデータを収集し、0.1秒(100ms)以内にすべてのデータが相互交換される超低遅延の開放プラットフォームを実装した。