2017ソウル都市建築ビエンナーレが、9月2日からソウルで開催される。世界50の都市、40の大学、120の機関など計16,200人が参加する大規模なグローバルイベントで、300の多彩なプログラムが設けられている。
ビエンナーレ期間中に進行される様々な市民参加プログラムのうち、観覧客におすすめのBEST4を紹介しよう。
2017ソウル都市建築ビエンナーレのメイン展示場のひとつトニムン(敦義門)博物館村には、現場プロジェクト「食糧都市」の一環として、ビエンナーレ食堂やカフェがオープンする。特にビエンナーレ食堂では、期間中に公式メニュー「ターリー」を販売し、食糧と水不足についての様々な問題を扱った展示も観覧できる。
ビエンナーレ食堂は、チェンナイにあるイードゥン(Eden)レストラン最高のシェフ4~5人がソウルに常駐し、人件費と運営費を除いたすべての収入は、環境および人権団体に寄付する非営利食堂として運営される。
ビエンナーレ食堂の公式メニューは、インド南部タミル·ナードゥ州地域の彩り料理「ターリー」である。タミル·ナードゥ州は、韓国と同様に米を主食とする米文化圏で、現在加速化する気候変動と水不足により農業に様々な困難が生じている。これは、今後韓国にも起こることが予想される問題でもあるため、こうした問題と関連性のある料理の代表的存在、ターリーが公式メニューに選ばれた。 また、ターリーは大皿にご飯とおかずが1人前セットで出されることから、最近増加している社会現象「ひとりご飯族」にもよくマッチした料理だ。このように、ビエンナーレ食堂では料理を通じて食糧問題を認識し、互いに議論する場が設けられる。ターリーは、ビエンナーレ食堂で15,000ウォンで販売される。
毎週土曜日には、ビエンナーレ食堂で無料で食事ができる「テーマ別ディナープログラム」が運営され、農家、植物学者、昆虫学者、農生物学者、環境活動家、行政家などが市民と一緒に食事をし、食糧関連の懸案を議論する場が設けられる。中東やギリシャの料理をはじめ、韓国の雑草、野生豆、地元食材、都市農家が育てた野菜などで作った料理を提供し、テーマに沿ってシェフも変わる。参加を希望する場合は、ビエンナーレウェブサイトで各テーマ日の2週間前から事前予約が必要で、食事つきであるため人数限定イベントとなる。
場所:トニムン(敦義門)博物館村 ビエンナーレ食堂
日時:ビエンナーレ開幕後9/2(土)~11/4(土)、毎週土曜日午後5:00~7:00
*ビエンナーレ開幕週には土·日開催
**9月30日のテーマ別ディナープログラムは、午後3時30分から食堂連携講演に変更する。
日程 | イベント名 | テーマ | 内容 | 事前申込 |
---|---|---|---|---|
9/2 (土) |
地中海の午後 (茶菓) |
中東と北アフリカの水及び食糧危機 | メニュー:中東・地中海式デザート&ベドウィン・ティー 講演1:サラ・ソリマン(土壌毒性学者、 アレクサンドリア図書館環境研究所) 「エジプトの食糧危機」 講演2:マンフレッド・ランオ(科学者、Future Earth) 「中東と北アフリカ地域の水問題」 司会:メリナ・ニコライデス 通訳:イ・ギョンヒ |
8/20(日)から ビエンナーレ ホームページ |
9/3 (日) |
オリーブの 木の下 |
気候変動に 対応する農業 |
メニュー:ギリシャ料理
講演:ニコラ・ネティエン (農家、アッサス有機農場) 「持続可能性を超えて:気候変動と永続農業」 司会:メリナ・ニコライデス 通訳:イ・ギョンヒ 料理:イテウォン(梨泰院)「サントリーニ」シェフ |
|
9/16 (土) |
森の中の ディナー |
野生植物 代替食糧 土壌再生 |
メニュー:食用雑草で作った料理
講演:カン・ビョンファ(植物学者) 「食糧資源としての雑草と土壌の再生」 司会:ユ・ヒジョン(プル(草)学校代表) |
9/2(土)から ビエンナーレ ホームページ |
9/23 (土) |
豆腐 サミット |
豆 食糧資源 GMO |
メニュー:韓中日の豆腐料理と野生豆ご飯 招待講演:チョン・ギュファ (農生物学者、チョンナム(全南)大学教授) 「豆の起源と遺伝資源としての野生豆」 司会:ソン・ホジュン |
9/9(土)から ビエンナーレ ホームページ |
10/7 (土) |
スパム天国 | 米軍と アジアの食文化 |
メニュー:沖縄おにぎり、ウィジョンブ(議政府)プデチゲ、 フィリピン式パイナップルチャーハン、 ソンジュ(星州)マクワウリ 講演:パク・ギョンボム(農家) 「ミツバチ、マクワウリ、そしてTHAAD」 司会:ユン・スヨン&Matthew Hines(在韓米軍) |
9/23(土)から ビエンナーレ ホームページ |
10/14 (土) |
草食男女 | ベジタリアンと 都市農業 |
メニュー:ソウルで生産された農産物で作った料理
講演:ソン・イムボン(ソウル市都市農業課長) 「ソウルの農家」 司会:チェ・ミヒャン(都市農家) |
9/30(土)から ビエンナーレ ホームページ |
10/21 (土) |
多国籍ディナー | 多国籍 食品産業 |
メニュー:ソウルで手に入る輸入食材で作った料理 講演:Amita Baviskar (Institute of Economic Growth、Delhi) 「消費市民:インドのインスタントラーメン Maggi Noodleの普及を中心に」 司会:Rathi Jafer(InKoセンター館長)&ソン・ホジュン 通訳:イ・ギョンヒ |
10/7(土)から ビエンナーレ ホームページ |
10/28 (土) |
地元のごちそう | 種子主権と 生物多様性 |
メニュー:韓国地元の農産物で作った食事
講演:チェ・ユンギョン(カンドン(江東)区種子図書館) 「種子保存のための都市農業」 |
10/14(土)から ビエンナーレ ホームページ |
11/4 (土) |
無銭飲食 | 生ごみ | メニュー:閉幕を控え、ビエンナーレ食堂の冷蔵庫に 残っている食材をすべて利用して作った料理 料理:イードゥン(Eden)キッチンチーム& 食糧都市企画チーム |
10/21(土)から ビエンナーレ ホームページ |
ソウル都心のあちこちで共有の価値を体験できる「共有都市ソウルツアー」が開催される。
「共有都市ソウルツアー」は、市民を対象に行われるソウルビエンナーレのテーマ関連ツアープログラムで、食糧都市・再生空間・生産都市・共有資源というテーマを概括的に扱う「日曜ツアー」と、ソウルビエンナーレのテーマを深く掘り下げる「土曜ツアー」で構成されている。
「共有都市ソウルツアー」を通じて、市民が直接ソウルのユニークな場所を探訪しながら「共有都市」をはじめとするソウルビエンナーレの様々なテーマについて体験し、理解する場が設けられる予定だ。
日曜ツアー
△ 都市環境、資源、食糧問題について考える「食糧都市ツアー」
(9月3日(日)、10月8日(日) / 食糧都市展示、都市農業現場ツアーなど)
△ 使われていない空間を再活用した都心をツアーする「再生空間ツアー」
(9月10日(日)、10月15日(日) / マポ(麻浦)文化備蓄基地、ナンジ(蘭芝)美術創作スタジオなど)
△ 都心の生産の現場を訪れ、未来都市の生産様式を考える「生産都市ツアー」
(9月17日(日)、10月22日(日) / クァンジャン(広蔵)市場、セウン(世運)商店街、ウルチロ(乙支路)一帯ツアー)
△ 持続可能な共有都市について考える「共有資源ツアー」
(9月24日(日)、10月29日(日) / リサイクル活性化スペースツアーなど)
土曜ツアー
△ ソンブクドン(城北洞)一帯を旅するソンブクドン(城北洞)・アートコモンズツアー(9月9日(土)、10月14日(土))
△ ソウルロ7017をツアーし、歩行都市ソウルの姿を見るソウルロ7017ツアー(9月16日(土))
△ 韓国現代建築を代表する建築物のひとつ「駐韓フランス大使館」ツアー(10月21日(土))
各コースの参加申し込みは、ソウルビエンナーレ公式ホームページ (http://seoulbiennale.org) にて各ツアー予定日の2日前までオンラインで可能である。
すべてのツアーはドーセントによる解説つきで、英語ドーセントは事前に申し込みが必要となる。ただし、ツアーは雨天、台風、猛暑、PM2.5などの自然災害により当日キャンセルになることがある。
※ <共有都市ソウルツアー> 日程&ルート(案) *ツアーの日程とルートは変更になることがあります。
区分 | テーマ | 日時 | ツアールート |
---|---|---|---|
日曜 ツアー |
食糧都市 | 2017年9月3日(日) (14:00~17:00) |
トニムン(敦義門)博物館村 – 城郭道- ホン・ナンパ(洪蘭坡)の家屋・ティルクシャ – ヘンチョン(杏村)共センター2(「ヌリン・コッカン」) – ヘンチョン共センター3(育苗場) – ヘンチョン共センター1(植物薬局)- トンニンムン駅 |
2017年10月8日(日) (14:00~17:00) |
トニムン(敦義門)博物館村 – 城郭道 – ホン・ナンパ(洪蘭坡)の家屋・ティルクシャ – ヘンチョン(杏村)共センター2(「ヌリン・コッカン」) – ヘンチョン共センター3(育苗場) – ヘンチョン共センター1(植物薬局) -トンニンムン駅 | ||
再生空間 | 2017年9月10日(日) (14:00~17:00) |
トニムン(敦義門)博物館村 – マポ(麻浦)文化備蓄基地 – ナンジ(蘭芝)創作スタジオ – ソウルエネルギードリームセンター – ワールドカップ・キョンギジャン駅 | |
2017年10月15日(日) (14:00~17:00) |
トニムン(敦義門)博物館村 – マポ(麻浦)文化備蓄基地 – ナンジ(蘭芝)創作スタジオ – ソウルエネルギードリームセンター – ワールドカップ・キョンギジャン駅 | ||
生産都市 | 2017年9月17日(日) (14:00~17:00) |
DDP – 古本屋通り – チョンゲチョン(清渓川) – MOTOElastico – クァンジャン(広蔵)市場 – セウン(世運)商店街 – ウルチロ(乙支路) – ウルチロサガ駅 | |
2017年10月22日(日) (14:00~17:00) |
DDP – 古本屋通り – チョンゲチョン(清渓川) – MOTOElastico – クァンジャン(広蔵)市場 – セウン(世運)商店街 – ウルチロ(乙支路) – ウルチロサガ駅 | ||
共有資源 | 2017年9月24日(日) (14:00~17:00) |
DDP – 新活用プラザ – 下水道科学館(水循環テーマパーク) – チャンハンピョン駅 | |
2017年10月29日(日) (14:00~17:00) |
DDP – 新活用プラザ – 下水道科学館(水循環テーマパーク) – チャンハンピョン駅 | ||
土曜 ツアー |
城北洞 (アート コモンズ) |
2017年9月9日(土) (14:00~17:00) |
ソンブク(城北)芸術ポンプ場(仮称) – ソンブクドン(城北洞)の木 – ソンブク芸術創作スペース&ソンブク1治安センター – ソンジャム52&スペースCAN – プクジョン(北亭)村一帯(スペースikki、ドローイングスペースSaalgoo、作家スタジオなど) – 城北桃園一帯(ソンノモチプ跡、ヘドン造園跡、城北桃園) |
2017年10月14日(土) (14:00~17:00) |
ソンブク(城北)芸術ポンプ場(仮称) – ソンブクドン(城北洞)の木 – ソンブク芸術創作スペース&ソンブク1治安センター – ソンジャム52&スペースCAN – プクジョン(北亭)村一帯(スペースikki、ドローイングスペースSaalgoo、作家スタジオなど) – 城北桃園一帯(ソンノモチプ跡、ヘドン造園跡、城北桃園) | ||
ソウルロ7017 | 2017年9月16日(土) (14:00~16:00) |
ソウル駅 – ソウルロ7017、ユンスル(パブリックアート) | |
フランス 大使館 |
2017年10月21日(土) (14:00~16:00) |
ソデムン駅 – 駐韓フランス大使館 |
DDPとセウン(世運)商店街の間、チョンノ(鍾路)とチョンゲチョン(清渓川)そしてウルチロ(乙支路)一帯を歩いてゲームをし音楽を聴くという、歩く楽しさをあらためて感じることのできる歩行プログラムが、ソウル都市建築ビエンナーレ期間中、毎週日曜日の午後1時から5時まで行われる。歩行プログラムは、脳波測定器体験をする「脳波散歩」、各場所の他の音楽を聴きながら都市の風景を再発見する「ミュージックシティ」、都市空間で実現されるクリエイティブな都市ゲーム「プレイアブルシティ」、都市で作る「音の森の道」で構成されている。
DDPデザイン通りにある現場プロジェクト「スマート歩行都市」コンテナを訪問すると、プログラムの紹介と詳細な情報が得られる。また、歩行ルートのうちセウン(世運)商店街、チョンゲチョン(清渓川)、ハニャン(漢陽)城郭には臨時案内所が設置される予定だ。
① 脳波散歩 Brainwave Flaneur ② ミュージックシティ Musicity ③ プレイアブルシティ Playable City ④ 音の森の道 Soundlines ⑤ ソウル共有交通(タルンイ/ナヌムカー) Shared Mobility ⑥ 展示・案内 |
ZONE 1, 2, 3, 4, 5 ZONE 1, 2, 3, 4, 5 ZONE 3 ZONE 1 ZONE 1, 3, 4 ZONE 1 DDPデザイン通り |
① 主な内容 | |
---|---|
|
|
② ミュージックシティ | |
|
|
③ プレイアブルシティ | |
|
|
④ 音の森の道 | |
|
あちこちに散らばっているソウル都市建築ビエンナーレの展示場所を、10月28日から29日までの2日間はタルンイに乗って回れるようになった。トニムン(敦義門)博物館村、DDP、セウン(世運)商店街、ソウルロ7017の4つの現場周辺にタルンイ停留所が設けられ、午前10時から午後6時まで利用できる。
展示場 脳波散歩 ミュージックシティ プレイアブルシティ 音の森の道