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[2015] 市長挨拶

  • 障害者と健常者が 差別されることなく共存するソウル

  • [2015] 市長挨拶 SMG 859

    こども病院・サムスン発達センター着工式

    日付 2015年4月22日 | 場所 ソウル特別市こども病院

    尊敬するソウル市の皆様、内外からのご来賓の皆様、こんにちは。お会いすることができて嬉しいです。ソウル特別市長パク・ウォンスンと申します。本日ソウル特別市こども病院のサムスン発達センターの着工を心よりお喜び申し上げます。

    私は今感慨深い気持ちでいっぱいです。本日という日を迎えるまで色んな出来事があり、その一つ一つを思い出すと感無量で胸が熱くなります。

    しかし、最近あった一連の痛ましい事件を思うと、心が重くなります。去年、「発達障害の息子が両親の顔もわからなくて心が痛い。家族には申し訳ない」という遺書を残して、5歳の息子を道連れに一家3人が無理心中を図った事件がありました。また、発達障害と判定された4歳の子どもを持つ母親が、子どもを抱いてマンションから飛び降り自殺を図った事件もありました。母親の胸に抱かれた子どもは助かりましたが、母親は帰らぬ人となりました。あまりにもやるせない事件でした。

    市民の皆様、発達障害の親が最も望んでいることは、「子どもより一日だけ長生きすること」だそうです。これは我々の社会で発達障害を患って生きていくということ、そしてその親として生きていくことが、どれほど困難で辛いことなのかを如実に物語っています。

    私は2012年5月1日の出来事を忘れることができません。ソウル市長に就任してから初めて迎える子どもの日を控え、こども病院を訪れました。体が不自由な子どもや身寄りのない病気の子ども、外で自由に遊べない子どもたちを目の当たりにし、むしろこの子ども達にとっては、子どもの日が一番悲しい日になるかもしれないと思うと、非常に心が痛みました。特に、発達障害の専門治療センターがあまりにも少なく、また治療費が高額なことから、このソウル市こども病院での治療を希望している全国各地の子ども達の予約が、平均4年待ちということを聞いた時の気持ちは、今でも忘れることができません。

    ご存じのとおり、発達障害は初期発見と治療が何より重要です。初期に発見して治療を行えば、症状が好転して日常生活も無理なく送ることができます。ところがその時期を逃してしまい、4年という長い時間を何の治療も受けられず、病状が悪化してしまう子どもたちもいるという現実を、私は見過ごすわけにはいきませんでした。

    その日、市庁に戻ってからすぐに、ソウル市こども病院に別途の発達センターを建設する方策を検討し始めました。一番大きな問題は、数百億ウォンに上る建設予算でした。悩んだ末に民間の協力を求めることにしました。この結論を得るまでに数十回の会議を行い、共同建設を提案し、説得する過程が必要でした。

    そしてついに、このようなソウル市の努力が、実を結ぶ時がきました。2013年7月、サムスンから社会福祉共同募金会を通じて、200億ウォンの財源をソウル市こども病院に寄付しました。それにより発達センターの建設がさらに具体化し、目に見える形で実現されはじめました。そしてとうとう本日、歴史的な希望の一歩を踏み出すことになったのです。

    市民の皆様、現在国内に登録された発達障害者数は、約20万人ほどだといわれます。その多くは子どもの時に発達障害と診断されますが、実質的な治療機関がないため、適切な治療を受けられないまま成長します。今もソウル市こども病院には、1年以上の長期にわたる治療が必要な1,700人ほどの子どもたちが、治療の順番を待っています。この子どもたちが治療を受けられるには、最低でも1年、長ければ4年以上待たなければなりません。それが2017年4月、国内最大規模のサムスン発達センターが開院すれば、適時な治療を行うことができ、治療期間も画期的に短縮できます。より多くの子ども達が治療を受けられるようになるのです。

    また、様々な分野の専門家による医療連携を通じた的確な早期診断や、体系的な治療と追跡評価が同時に行われる治療モデルで、患者に合った治療が可能となります。

    さらに、発達障害治療の世界的権威で知られる米国ジョンズ・ホプキンズ大学のケネディークリーガー研究所など、国内外の協力ネットワークを構築し、名実ともに発達障害児向け医療機関のメッカとして、また韓国型革新モデルとして公共医療水準の更なる向上を図っていきます。

    これでだけではありません。ソウル市は短期的・一時的な治療にとどまらず、生涯にわたって治療が受けられるように、現在計画中の「発達障害者障害教育センター」と連携し、生涯治療を支援する方策を策定してまいります。

    市民の皆様、もう少しだけお待ちください。ソウル市は、これからもレベルの高い公共医療サービスで、市民の健康で幸せな生活を営む権利を守るために、最善を尽くしてまいります。障害がもはや障害ではなくなるソウル、障害者と健常者が差別されることなく共存するソウル、誰もが自由に夢を繰り広げ、みんなともに幸せになれるソウル市を実現するために、全力で取り組んでいきます。

    私は、心が動けば、世の中も動かすことができると信じています。覚悟を決めて取り組めば、成せないことなど何もなく、心を動かせば、出来ないことなど何もないと信じています。最初は確信が持てなかったソウル市職員らの心も動き、企業の協力を得ることができました。企業の心を動かすために、ソウル市職員も最善を尽くしました。企業も最善を尽くしました。そしてそのような想いが集まり、本日皆様とともに今日という日を迎えることができました。

    道のりはまだまだ遠いです。やっと始まったばかりです。しかし、これから進むべき道であれば、私は皆様とともに進んでいきたいと思います。一夜にしてたどりつける道ではありませんが、地道に一歩一歩進んでいけば、いつかは我々の夢であるその道にたどりつけると思います。市民の皆様、ともに歩いていきましょう。私と一緒に歩いていただけますよね。

    本日の着工式に至るまで、多くの方々からご尽力をいただきました。サムスン社会奉仕団のパク・グンヒ副会長および社会福祉共同募金会のホ・ドンス会長、そして多くの寄付者およびボランティアの皆様、安全を守るために昼夜を問わず、ご苦労されました工事関係者の皆様、計画通りに完成するためにご協力いただきましたソチョ(瑞草)区関係者の皆様、影から応援くださいましたソウル市こども病院のキム・ジェボク院長および役職員、そしてご家族の皆様に、ソウル市民を代表して心から御礼申し上げます。