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福祉/健康/安全ニュース

  • 障害者が直接参加して「新型コロナ対応マニュアル」を制作

  • ソウル市総合ニュース SMG 839

    新型コロナウイルス感染症で感じる苦しみは、人それぞれ、状況によって違う。特に障害者の場合、障害の種類によって違う不便さと困難を経験しているはずだ。障害者保護者団体などは、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い、障害者にカスタマイズされた感染症マニュアルが必要だと口をそろえて言う。 ソウル市は、このような現場からの声を聴きいれ、障害の種類(精神遅滞、視覚、聴覚、脳病変、発達)と施設(居住施設、デイケア施設、福祉館、職業リハビリテーション施設、サポート住宅)別にカスタマイズされた10種の「障害者向け感染症対応マニュアル」を制作した。 障害者の当事者が直接参加し、公共交通機関を利用するときや外出・帰宅時など、日常で新型コロナウイルス感染症の予防のために知っておくべき生活の心得や必ず知っておくべき情報を、障害者の目線で優しく解説しているという点が特徴といえる。 指先の感覚で情報を把握しなければならない視覚障害者と一緒に生活している家族や活動支援士は、ドアノブや階段の手すりのように多くの人が触る接触面を、頻繁に消毒する必要がある。 マスク着用法など、日常で守らなければならない生活の心得は、動画でも確認することができる。一人でマスクを着用するのに困難を感じる脳病変障害者は、ストラップのような補助器具を使ってマスクのひもの間を繋いでおき、頭にかぶせてからゆっくり下ろして着用する。口の形を読んで会話の内容を把握しなければならない聴覚障害者は、マスクの前部が透明アクリルでできている「リップビューマスク」が役に立つ。 マニュアルには、新型コロナウイルス感染症対応に比較的脆弱な障害者のための公的支援も含まれている。自宅隔離は原則、単独で生活しなければならないが、一人では動けない発達障害者の場合、隔離場所まで車などの支援を受けることができ、自宅隔離中にも活動の支援を受けることができる。 ソウル市は、10種の「障害者向け感染症対応マニュアル」と23本の動画を制作、誰でも自由に利用できるよう、ソウル市ウェブサイトとYouTube(ソウル特別市障害者権益擁護機関)に掲載したと発表した。さらに25の自治区と障害者福祉施設にも配布する予定だ。 マニュアルや動画の制作には、20代から60代までの年齢層の障害者と健常者、合計29人が参加したという点で意義が大きい。2020年9月から12月まで、コンテンツの企画からイラスト制作、動画撮影までの全過程に参加している。 ソウル市は新型コロナウイルス感染症により経済的にひっ迫している障害者と雇用に困難を感じている脆弱階層のための「公共雇用事業」を推進して雇用を創出するとともに、障害当事者の声を反映し、障害者への理解と認識を改善するという「一石三鳥」の効果を上げたと説明している。 マニュアルは、外出‧帰宅、公共交通機関の利用、大勢の人が利用する施設への出入り、障害者施設の利用など、さまざまな場面で実践できる「防疫行動要領」について紹介している。多様に活用することができるようにポスターやカレンダー、教材などで制作された。 このうち、デイケア施設利用者向けの教材「かしこいデイケア生活」は、発達障害者の新型コロナウイルス感染症対策の教育資料として活用可能なレベルで制作されている。ソウル市は障害者の利用施設で活用するよう勧告する予定だ。 さらに、視覚‧聴覚障害者の情報へのアクセス性を高めるため、テキスト形式のマニュアルを動画で制作した。マニュアルの内容を音声で読み上げ、手話や字幕を追加している。動画‧音声マニュアルは、YouTube(ソウル特別市障害者権益擁護機関)から見ることができる。 動画は、脳病変障害者向けのマスク着用法、透明(リップビュー)マスクの紹介・購入方法、ストレス解消のための屋内運動や遊戯プログラムなどで構成されている。また、各動画に直接アクセスするためのQRコードを一枚に収めたポスターも制作、見たい映像を簡単に見つけることができるよう配慮している。 ソウル市は、今回の「公共雇用事業」が障害者と健常者が共に暮らすための新しい試みであり、4か月という短期間で行われたにもかかわらず、当初目標としていたマニュアルの制作だけでなく、障害者に対する認識の改善という面でも、成果を出すことができたと話している。 事業コンサルティングを担当したインチョン(仁川)大学校のチョン・ジヘ教授は、事業の前と後で、参加者の障害者への認識にどのような変化が現れたかについてアンケート調査を行った。その結果、平均2.42点(5点満点)から3.92点(1.5点↑)へと、障害者に対する認識の改善に効果があることが分かった。 事業参加の感想を分析した結果では、「障害者に対する誤解から理解へ」「障害者と一緒に仕事をする意味が分かった」「障害者と社会への関心が高まった」「ソウル市に感謝」という4つのテーマに分類された。今後、障害者に対する認識改善事業が、講義や教育の形態に留まらず、障害者と健常者が一緒に活動するさまざまな機会を提供する方向へと進まなければならないということを示唆していると、ソウル市は述べた。
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