- オ・セフン市長、12日ロンドンのテムズ川「IFSケーブルカー」で漢江の「ゴンドラ」構想発表
- トゥクソム、ソウルの森、上岩などの候補地から民間の投資提案を検討して選定
- 漢江を新しい角度から眺めるランドマーク・ビューポイントに 観光客を都心部へ誘導する効果期待
- 民間投資事業であるだけに観光・交通需要を綿密に検討し、採算性のある地域を選定
ソウル市のオ・セフン市長は13日(月)<現地時間>、テムズ川にある「IFSクラウドケーブルカー」を訪問しテムズ川の水辺景観を眺望する場で、「漢江ルネッサンス2.0」プロジェクトの一環として漢江沿いの主なレジャー・文化ハブを空中につなげる「ゴンドラ」を構築するとの構想を明らかにした。
2012年ロンドン五輪を機に作られたロンドンケーブルカーは、イギリス最初の都市型ケーブルカーだ。テムズ川を渡る交通機関としての機能の他にも、ロンドンならではの美しい景色を眺められるため、市民だけでなく多くの観光客が訪れる名所として有名だ。
<ロンドンIFSケーブルカー>
市が構想している漢江「ゴンドラ」の計画の核となるのは、ロンドンのように水辺空間の移動性を増大し、一味違う経験ができるレジャー・文化スポットの開発である。候補地として検討しているトゥクソム、蚕室、ソウルの森、上岩一帯は、市民が頻繁に訪ねる空間ではあるものの、交通のアクセス性が低いため「ゴンドラ」のような新しい交通手段が求められる地域だ。
また、ソウル市は、漢江「ゴンドラ」が主要拠点を結ぶ交通機関としての機能を持つだけではなく、漢江を新しい角度から眺められる観光名所になると見込んでいる。
汝矣島、盤浦漢江公園など、都心部に集中していた観光客を誘導することで、漢江をより広く活用できると期待される。
市は今後、トゥクソム、蚕室、ソウルの森、上岩などの候補地に対する民間投資の提案を受け付け、技術的妥当性、交通・環境的影響、需要などを多角的かつ綿密に検討した上で最終対象地を選定し、漢江の新しいランドマークづくりに本格的に乗り出す計画だ。
オ市長は、「ゴンドラは民間投資事業として進められるだけに、観光及び交通需要を綿密に把握して採算がとれる対象地を慎重に選ぶ」と現場で述べた。
<旧都心地域の駅チカ活性化事例:ロンドンのキングス・クロス駅/コール・ドロップス・ヤード>
一方、オ市長は、午前10時半<現地時間>旧都心の駅チカ活性化に成功したキングス・クロス駅とコール・ドロップス・ヤードを訪れた。「キングス・クロス」再開発計画は、総面積27万㎡の敷地で行われた大規模プロジェクトであり、貨物運送が減少し、衰退した地域をオフィス・住居・商業・文化施設など新しい複合的ランドマークとして再開発した事例だ。
「コール・ドロップス・ヤード」は、かつて石炭の集積場だった倉庫を、世界的建築家のトーマス・ヘザウィックが先端的な複合商業施設にリノベーションした事例だ。独特な屋根の下にある広場で様々なイベントが開かれ、グーグルなど先端IT企業がオフィスを構えたことで、新たなITハブとして注目されている。
<キングス・クロス駅>
<コール・ドロップス・ヤード>
<建築物における公共空間造成事例:ロンドンリーデンホールビル(Leadenhall Building)>
また、オ市長はロンドンの革新的な建築デザインの現場を視察した。シティ・オブ・ロンドン中心部で2014年に開館した「リーデンホールビル(Leadenhall Building)」は、建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞したリチャード・ロジャースが設計した建物だ。独特な外観や平面計画、ピロティ空間を配することで、建築のイノベーションを起こした代表的な建築物だ。
<リーデンホール(Leadenhall)ビル前景>
<ピロティ式で建てられた大規模広場>
市は、ロンドンの駅チカ活性化事例、建築物における公共空間造成事例などをもとに、ソウル都心のあちこちにクリエイティブで革新的な公共空間を増やしていく予定だ。そのために民間開発に対する規制緩和、インセンティブ付与など、様々な政策を支援する一方、閉鎖的かつ断絶されている都市空間を有機的につなげ、公共性を一層高めていく方針である。