2014 ハニャン(漢陽)都城国際学術会議 開会の辞
日付 2014年10月29日 | 場所 ソウル市庁多目的ホール
こんにちは。皆様、お会いできて嬉しいです。ソウル特別市長のパク・ウォンスンと申します。本日皆様と一緒にハニャン(漢陽)都城国際学術会議を開催できまして、本当に嬉しいです。ご出席いただいた市民の皆様と研究者の方々に、心から御礼を申し上げます。特に遠いところから快くご出席いただいたタマシュ・フェヤルディ、マッシモ・カルマッシ、リュ・チュンカイ、清水重敦、ニブラ・エルトゥルクの5名様に、深い感謝と歓迎の挨拶を送らせていただきます。本日このように多くの方々にご参加いただいたのを見ると、ハニャン(漢陽)都城への皆様の熱い愛情と関心、熱気を感じます。
ソウルは2千年の悠久の歴史が息づいている、伝統と現代が共存する、美しい歴史文化都市です。そして、その中心にはハニャン(漢陽)都城があります。ハニャン(漢陽)都城は、韓国の伝統の思想・観念・技術が全て融合している都市城郭で、自然と一つになった独特な形と構造を持っており、世界でも非常に稀なケースです。
そのためソウル市は、数百年間私たちの暮らしとともにしてきたハニャン(漢陽)都城をしっかり保存し、その大切な価値を未来の世代に伝授するために、ハニャン(漢陽)都城のユネスコ世界遺産登録を進めており、2012年11月に世界遺産暫定リストに名を載せる成果を収めました。ソウル市は、ハニャン(漢陽)都城が世界遺産に登録され、その価値と意味を世界市民とともに享受するその日まで、絶え間ない努力を続けてまいります。
ハニャン(漢陽)都城の保存整備のため、ソウル市は復元と再現を中心とした方法から原型保存へと方向を転換し、「ハニャン(漢陽)都城の保存・管理・活用のためのマスタープラン(2013年)」の推進に取り組んでいます。途切れた区間を無理やり物理的につなぐよりは、視覚的な連結を通じて保存していますが、例えば案内標識をきれいに整備し、途切れた都城の形跡を表示して、多くの方がハニャン(漢陽)都城をさらに簡単に訪れることができるようにしています。その一環として、私もヘファ(恵化)洞の市長公館から出て他のところに公館を移し、旧公館はハニャン(漢陽)都城探訪案内センターとして生まれ変わるようにしました。
市民と一緒に作るハニャン(漢陽)都城に向けて、135人の「市民城巡視官」を委嘱し、ハニャン(漢陽)都城文化祭を毎年開催することで、市民の皆様とハニャン(漢陽)都城を一つにつなぎ、ハニャン(漢陽)都城の価値を共有しています。また、開発が制限された都城周辺を再生させ、都城と自然に調和した歴史遺産の村に変えてきています。
ハニャン(漢陽)都城の未来作りと伝授のため、ハニャン(漢陽)都城と関連した様々な分野の専門家たちとともに、学術研究活動も強化しています。また、その成果を後世に伝えるための記録事業、学術書籍の編さん事業などを着実に進めており、例えば最近フンインジムン(興仁之門)付近にハニャン(漢陽)都城博物館を開館し、都城の歴史的・文化的価値を広く知らせています。
ソウルは独立後、急速な開発過程を経て巨大都市へと成長してきました。栄辱の歴史を経験している間、ハニャン(漢陽)都城と旧都市構造を一部失ってしまうこともありました。ソウル市は、ハニャン(漢陽)都城の昔の痕跡を見つけるための努力を続け、失われたとされていた都城の形跡を次々と見つけ、城郭の流れと歴史を知ることができる重要な資料となっています。
「歴史は、人間の記憶の上に時間が書いた伝説の詩である(シェリー、英国作家)」という言葉があります。私は、「歴史」は私たちにただ与えられるものではないと思います。私たち皆が記憶して一緒に共有していく時、そしてその記憶の産物を上手く保存していく時、初めて「歴史」になると思います。
今年の学術会議は、文化遺産の保存専門家の皆様をお招きし、「都市城郭の科学的保存と創意的な介入」について意見を交換する、意味のある場になると思います。世界各地で発掘された大切な人類遺跡の保存事例を共有し、私たちの現実に合った保存方法を探して、ハニャン(漢陽)都城の価値を高めていこうと思います。皆様、ハニャン(漢陽)都城の保存のために知恵を絞ってください。皆様の関心と参加がソウルをさらに由緒ある都市、世界的な歴史文化都市へと生まれ変わらせるのです。ありがとうございました。