- ソウル交通公社、2号線のICT基盤駅舎統合管理システム構築に着手…2020年3月完了予定
- 3Dマップ、知能型防犯カメラ、IoTセンサーで常時立体的モニタリングが可能に…安全・セキュリティ、運営効率の向上
- 既存のモニタリングシステムの改善を図る…8/3にLG U-Plusコンソーシアムで着手報告
- キム・テホ社長「スマートステーションを未来型都市鉄道駅舎管理システムの標準に」
2018年4月からソウル地下鉄5号線君子(クンジャ)駅でテスト運営されていたスマートステーションが、2号線に本格的に導入される。
ソウル交通公社(社長:キム・テホ)は、分散している駅舎管理情報を情報通信技術(ICT)で統合的に管理できる「スマートステーション」を、来年3月までに2号線の駅舎全50か所に構築すると発表した。これに先立ち、君子駅でスマートステーションを試験的に導入した結果、駅舎の巡回時間は平均28分から10分に、異常事態発生時の対応時間は平均11分から3分に短縮するなど、安全・セキュリティ、運営効率の向上が確認されたことから今回の拡大を決めたと説明している。
スマートステーションが導入されれば、3Dマップ、IoTセンサー、知能型防犯カメラなど、個々の機能が有機的に作用し合い、一つのシステムで駅舎のセキュリティ、災害、施設物、顧客サービス分野などを統合的に管理できるようになる。
3Dマップを使えば駅員が駅舎内を一目で把握できるため、火災などの緊急時にトラブルの発生場所や状況などを既存の平面図より正確かつ立体的に把握し迅速に対応できるようになる。
知能型防犯カメラは、200万画素以上の高画質で客体認識機能も搭載されているほか、制限区域で無断侵入や火災などが発生すると直ちに知らせてくれる。さらに、地下鉄の駅舎内を3Dで撮影するため、防犯カメラ画面を通じてバーチャルパトロールも可能になる。
ソウル交通公社はこれらのシステムを、既存の統合モニタリングシステムを改善する方式で2号線に導入する。先月、LG U-plusコンソーシアム(LG U-plus、ロッテ情報通信、Hitron Systems)と契約を締結し、8月3日に着手報告会を開く。事業費は119億ウォン。
今回の契約には、施設の不具合に速やかに対応できるよう、各部署で運用しているIoT端末の収集情報を標準化し、LTE-R基盤のIoTプラットフォームを構築する内容も含まれている。
また、君子駅でテスト運営したスマートステーションの機能を補完する作業も同時に行われる。車椅子を自動的に感知し駅員に知らせる機能を追加するなど、交通弱者に配慮したサービスを強化するほか、駅員が駅務室の外でも駅舎をモニタリングできるよう、モバイル版モニタリングシステムを構築することも改善事項に含まれている。
ソウル交通公社のキム・テホ社長は、「2号線を皮切りに、スマートステーションを地下鉄全線に漸進的に拡大する予定」とし、「安全を最優先に考えるスマートステーションを、未来型都市鉄道の駅舎管理システムの標準として策定し、今後海外にも進出できるよう機会を模索していきたい」と話す。
▲君子駅で駅員が3Dマップで待合室の防犯カメラを確認している
▲君子駅の3Dマップで防犯カメラ、照明、空気質感知センサー、消防設備などの位置を立体的に確認できる