アジア第1号のカール・ポラニー研究所アジア支部(カール・ポラニー社会経済研究所)がオープンしました。
“不”平等、“不”安、“不”信…
社会の“不(韓国語で「火」と同音異義語)”を消す水となるでしょう。
目に見える“不”は水で消せますが、
目に見えない社会の“不”は、対話を通じた革新によって
消さなければなりません。
社会の“不”を消すための
ソウル市の大きなな転換と大胆な実行に
どうぞ力をお貸しください。
多少長いですが、私の高まる思いを挨拶に込めました。
こんにちは。お会いできて嬉しいです。
ソウル特別市長のパク・ウォンスン(朴元淳)です。
まず、カール・ポラニー研究所アジア支部のオープン・セレモニーご出席のために遠くからお越しくださったコンコーディア大学のアラン・シェファード総長とケリー・ポラニー・レビット教授に心より感謝の意を表します。
そして、本日この場にはご出席いただけませんでしたが、マーガレット・メンデル教授をはじめソン・ギョンヨン準備委員長、チョン・テイン所長ら、これまで研究所の誘致を支えてくださった方々にも感謝申し上げます。
皆様、本日はとても意義深く、歴史的な日です。
アジア第1号の「カール・ポラニー研究所」が大韓民国の心臓、首都ソウルにオープンしたのです。実際、「カール・ポラニー」は、韓国では馴染みの薄い名前でした。
ところが、ポラニーが亡くなって50年余りが過ぎた今、ポラニーが蘇りつつあります。「新たな社会」「新たな文明」へと進歩しようという熱望が、ポラニーを墓から呼び出しているのだと思います。
私たちは今、深刻かつ重大な脅威と危機に直面しています。貧富の格差と不平等が社会の正義と統合の道をふさぎ、少子高齢化や気候変動といった問題が私たちの未来を脅かしています。
何よりもこの1年間、韓国社会は深刻な混沌状態でした。新たな未来に向かって一歩も前に進むことができずにいます。
私たちがあれほどまでに信奉・盲信してきた圧縮的近代化とスピード競争の高度成長は、「セウォル号沈没事故」という未曾有の大惨事を生みました。
前ばかり見て突っ走り、誰よりも先に到達しようとして成し遂げた産業化と民主化は、「セウォル号沈没事故」の前で無能と無気力と無知の極地を見せました。
新たな社会に対する反省と想像力の足りなさが生んだ結果でした。
「危機という古いものは死につつあるが、新しいものは生まれない状況」と診断したアントニオ・グラムシの言葉を思い出します。
皆が口を揃えて危機だと言っています。
しかし、古いものに代わり、古いものを一掃する、新しいものはまだ芽生えていません。「ピンチの後にチャンスあり」になる可能性もあるので、私たちはこの危機を新たな社会、新たな文明へと進歩させる「巨大な転換」にしなければなりません。
カール・ポラニーは、私たちに新たな想像力と社会発展モデルのモチーフを投げかけてくれました。
「自由はすべての真の調和の基礎」「人間は決して市場や商品に従属されない」と言いました。
「経済は、社会と人間を服属させず、社会と人間のために動けるよう統制・指導しなければならない」と強調しました。「埋め込み(Embeddedness)」という概念を通じ、経済も社会の中で埋め込まれているため、社会との関係の中でアプローチし、理解しなければならない」と力説しました。
人間の自由意志に対する根深い信念、共同体の協力と連帯への信頼がもたらす洞察でした。
共存と相互扶助、互恵という人間的信頼が生んだメッセージでした。
私たちは今、「巨大な転換」に向け、大胆な勇気で、到来する新たな共同体を見据えた新たな想像力を発揮しなければなりません。
「カール・ポラニー研究所」アジア支部が立地するソウル市がその中心となるでしょう。ソウル市はすでにその第一歩を踏み出しました。
市民との協治と革新の市政は、ソウル市を動かす2つの翼となりました。
共有経済、社会的経済、協同組合、町の共同体運動は、新たなソウル市へと向かう起爆剤でした。
カール・ポラニー研究所オープンセレモニーでの挨拶全文を見る:
http://blog.naver.com/seoulwonsoon/220340374489
#カール・ポラニー #巨大な転換 #パク・ウォンスン(朴元淳)