豪雨による清渓川の氾濫
私は昨年、日本の横浜市を訪問しました。どのようにすれば豪雨による洪水被害を減らせるのか、その解決方法を探すためです。その時、一番印象に残ったのは、家や建物を建てる時に雨水などを排出する雨水浸透施設の設置を義務化する条例があるということでした。そしてこの方法を導入すると全降水量の約20%の雨水が地面に浸透して地下水になると言うのです。
今すぐにこの方法を採用し、条例を設定して建築物建設の際に適用することは無理でしょう。そこでまず、ソウル市の公共施設のうち、雨水浸透施設を設置可能な38か所を示範的に選定し、雨水浸透ます920か所、雨水浸透管(浸透トレンチ)850メートルを本格的な梅雨が始まる前に設置することにしました。
これらは既存の雨水受けに透水ますや浸透管などを連結して雨水を地中に流し込む施設です。この施設を設置すれば浸水被害を減らすことができ、さらに土壌の自然性の回復にも役立ちます。このような雨水浸透施設の設置ガイドラインを作成して自治区に配布し、682か所に雨水浸透ますを新設する予定です。
1960年代には7.8%だった不透水面積が2010年現在で48%に増加しました。そのため、豪雨が降れば、その雨水はすべて低地帯に流されて水害が発生します。光化門(クァンファムン)の水害・江南(カンナム)十字路の浸水被害など、すべてこれが原因なのです。以前、大深度地下を開発し低地帯の水を地下に流し込む方法はどうかと考えたこともありましたが、これには膨大な費用がかかります。
今回ソウル市が試みる方法は、一度にすべての問題を解決することはできませんが、費用を押さえた上で透水性を強化することができ、漸進的に浸水被害を防ぐことができると思います。私は就任後、浸水被害を最小化するために数十回にわたり各分野の専門家とあらゆる方法を研究し検討してきました。今回実施する雨水浸透施設の設置はその中の一つです。
梅雨が始まるのはまだまだ先です。しかし私たちはもうすでに夏の豪雨を心配しています。