「ソリプル見える収蔵庫」国際設計公募の最終当選作の鳥瞰図
1階には公開庭園を設置して、市民のアクセス性を高める計画だ。
「1階公開庭園」市民のアクセス性を高めて、「講堂」のステージ背景はソリプルの丘
最終的に選ばれた作品は、地下2階、地上7階規模で、ソリプルの丘およびソチョデロと調和する優雅な外観を誇っている。また、敷地から採掘した岩石を利用した各々異なる形の4つの大きなマス(かたまり)の上に建物をのせた構造で、1階のマスの間の空間にはすべての市民が利用できる4つの庭園を設置して市民のアクセス性を高め、建築物の魅力を加えたのが大きな特徴だ。
また、6階に設置されるカフェの4面は1枚ガラスで設計され、ソウル都心のパノラマ全景を昼夜鑑賞できるようにし、建物全面にソーラーパネルを設置して、カーボンニュートラルシティ・ソウルを代表するエコ建築物としても名声が高まることを期待している。
1階ロビー(左)と中央アトリウム(右)
また、内部は中心部がコーンの形に開放された構造で、1階からでも各階の展示物の一部を見られるようにし、階段型の講堂は、ソリプルの丘側にステージが設置され、市民が自然の中の公演場を体験できるようにした。
階段型の講堂は、ソリプルの丘側にステージを設置して、自然の中の公演場にする。
今回の設計公募は、9月から開始され、12月1日には世界的建築家7名が約850人の市民と専門審査委員団が出席するなか、直接公開プレゼンテーションを開催した。現場に出席した市民のほかにも、世界中の2.6万人以上がYouTubeでプレゼンテーション視聴した。
審査委員団は審査評価で、「当選作は、敷地と周辺の状況を上手く捕えて、シンプルで優雅な幾何学的な形を表現している。1階から上部へ移動しながら、保存条件に従って精巧に分類された収蔵品をロビーから段階的に発見していくスタイルを選んだのは、従来の博物館、美術館とは差別される独創的な開放型収蔵庫のモデルとして評価したためである」と選定理由を明かした。
ソリプル開放型収蔵庫の断面図
また、「エネルギーを生産する半透明の立面システムは、持続可能なデザインのための革新的な解決策と見ることができ、1階の公共庭園、都市の全景を見られる上部のカフェは、従来のソウルの美術館とは差別化された新たな市民空間になることをが期待される」と評価した。最後に、民間の寄付採納によって設置される事業なだけに、本プロジェクトの成功へ向けてすべての参加主体が誠実に意見交換・協力し合うよう求めた。
ソウル市のホン・ソンギ未来空間企画官は、「ソリプル開放型収蔵庫の国際設計公募展は、寄付採納による建築物の最初の設計公募事例で、民間と公共が共生する見本になるだろう」とし、「ソリプル開放型収蔵庫が、設計・施工過程でも関連主体が互いに協力し合い、革新と独創性が実現された文化アイコンになるよう努めていく」と述べた。
ホームページ:プロジェクトソウル(ENG):https://project.seoul.go.kr/main/viewMain.do