❍ 日時:2016年1月28日(木)10:00~11:30
❍ 場所:セウン商店街チュンジョン(中庭)スペース
皆さま、おはようございます。
寒い中にも関わらずセウン商店街を再生するための場にお越しいただき有難うございます。
昨年の11月に、この場所で皆さまにお会いしましたが、本日セウン商店街再生事業の着手発表を住民の皆さまと共にできる事は、より意味のある事だと思っております。
私は先週、スイスで開かれたダボス会議に参加しました。「第4次産業革命」を主題とし、グローバルリーダーたちと共に産業革命と都市開発に関する討論を行いました。
特に、<インフラおよび都市開発に関するリーダ会議>、<都市の魂>という主題のセッションでは、全面的な撤去開発ではなく、既存のインフラを活用する都市再生、住民の暮らし方は勿論のこと、歴史と環境も保つ都市再生がいくらでも可能だという事に対してソウル市の事例を紹介し、全世界の専門家からためになるお話をたくさん聞きました。
そして本日、「セウン」の意味を踏まえながら、ここセウン商店街で、住民の皆さまと共にソウル型都市再生の大きな第一歩を踏み出そうと思います。
本日、セウン商店街は再び建つ事となります。70年代のセウン商店街が大韓民国とソウルの「第3次産業革命」を導く骨であったならば、今日からのセウン商店街は、「第4次産業革命」を導く心臓として生まれ変わります。
住民の皆さまと共にする「ソウル型都市再生事業」としてセウンが再び誕生します。
ここに来ている若い記者の方々の中で、セウン商店街に来た事のある方はいますか?
私は若い頃、電子製品とレコードを買いによく訪れていました。
1972年に建てられたセウン商店街は、「世(セサン)の気運(キウン)」という名のように、とても繁栄しておりました。
あの頃のセウン商店街は、「電子メッカ」と呼ばれていました。「セウン商店街の技術力でタンクも造る事ができる」という話が出るほど技術が優れていた場所でした。
しかし私が市長になり久しぶりに訪れてみると、とても残念な事に、セウン商店街は大規模撤去開発の弊害を抱えたソウルで最も立ち遅れている地域になっていました。
地域全体が巨大な工場だった場所が今やその命脈を保つ事だけで精一杯の状況です。売上が減少した企業が75%にもなる程なのです。
私がソウル市長になる大分以前からセウン商店街を生き返らせようという努力が継続的に行われましたが、様々な理由から開発計画が変更されました。
開発を期待していた住民たちは少しずつ不安になり、計画自体を信じる事が出来なくなりました。
今まで住民の皆さまに苦痛を味わわせてしまった事について、市長として申し訳ない思いと責任を感じています。
しかし皆さま、もうこれ以上心配は入りません。今日のこの場は、計画は既に始められ、必ず守るという約束の場です。
2015年2月24日、セウン商店街再生事業計画を発表した後、1年の間本当に沢山の準備を行いました。
行政は市民の心を先に伺う事から始まります。
そのためセウン商店街再生事業も不安と苦痛の中からセウン商店街を守って来た住民の皆さまのご意見を聞く事から始まりました。
24時間の疎通部屋を運営しながら、住民の皆さまからの様々な意見を聞くために努力しました。
一人一人のお言葉をより近く、より詳しく聞くために肖像画インタビューというものを行いました。
現在、チョロクティ公園に作られた肖像画の柱が正に住民の皆様の意見を聞きながら描いたものです。
住民の皆さまの貴重なご意見は、公共空間設計に全て反映いたしました。
昨年6月に、国際コンぺティションを通じて当選作品を選定しましたが、これから紹介するセウン商店街の新しい姿の設計者は、正に住民の皆さまです。
何よりセウン商店街に見合う再生法案を設けるため、大変頭を悩まされました。
文化芸術、建築、産業など様々な分野における最高の専門家たちで構成された諮問委員と会議を行いました。
BBP(Beyond Big Plants)国際カンファレンスで海外都市再生専門家たちは直接セウン商店街を周りながら見つけた解決策を提示しました。
セウン商店街に多くの市民が訪れる事も重要ですよね?そのため特別なセウン商店街を素材にした行事を開催しました。
セウン商店街は最も異色な舞台となり、7080の思い出を浮かべるタイムトラベルもできました。
セウン商店街の資源を材料として若い創作者たちが作品を作り、展示も行いました。
この様な努力でセウン商店街に希望の声が響く様になりました。
この1年の間、セウン商店街再生事業を設けながら、お会いした多くの方々が同じ事をおっしゃられました。
セウン商店街がまだ健在だという事を見せたい。
セウン商店街が持っている産業における潜在力を生かさなければならない。
セウン商店街が再び活気を取り戻してほしい。
ソウル市は多くの方々の期待と希望を込め、セウン商店街の再生のための正しい道を探そうとしています。都市開発のパラダイムが「撤去と再開発」から「再生」へと変わる世界的な勢いに合わせ、住民たちの暮らし方、地域の環境と歴史・文化的価値を
尊重する流れに方向を転換しました。
セウン商店街地域の歴史性と価値を保ちながら新しい活力を加える再生、「消して新しく使用する都市」から「直して再び使用する都市」へ再生事業を推進する事になったのです。
セウン商店街を直して再び使用する道は、世界経済活性化の解決策と流れを共にします。
世界は今、第4次産業革命として未来の経済成長の原動力をつくる事に集中しています。
自動化システムの大量生産から離れた柔軟で効率的な生産システムが製造産業の競争力になりました。
そしてこの様な流れには、3Dプリンター、IOT(モノのインターネット)等のICTを活用し、協業と融合を実現するメーカー運動と製造スタートアップがあります。
アメリカは製造業の復活で経済がよみがえっており、ホワイトハウスでメーカーフェアを開催する程、製造業の革新に対する政府の関心と支援が大きくなっています。
中国でも、広東省で大規模なメーカー養成計画を立てました。
製造業の生態系がセウン商店街と似ている深セン市が製造業創業の中心地として浮上しています。
皆さん、セウン商店街が深セン市よりも劣っていますか?違いますよね。セウン商店街こそ都心製造業の革新を率いる最高の条件を備えた場所です。
セウン商店街には最高の技術を持った匠が集まっています。創業と創作に必要な事は何でも作り、直す事のできる所ですよね。周辺地域の様々な産業と連結でき、それこそ製造業分野の融合が起こりうる革新地と言えます。
住民の皆さま、長い間お待たせいたしました。既に全ての準備は終わっています。
製造業革新の時代、セウン商店街がソウルの中心になり、世の中心になる様、世の気運が再びセウン商店街に集まるセウン商店街再生事業「タシ・セウン」プロジェクトを力強く始めます。
セウン商店街の価値は保ちながら新しい活力の機能を踏まえ「再び歩むセウン」、「再び訪ねるセウン」、「再び笑うセウン」を築いていきます。
これからセウン商店街は、外見から全て変わります。
人々が沢山訪れ、常に活力が溢れる所になる事を願いますよね?セウン商店街により多くの人々が集まれるよう「再び歩むセウン」を築いていきます。
今年10月までにチョンミョとセウン商店街を繋ぐ市民の文化空間を造成する予定です。
セウン商店街の入口からチョンミョが目の前に広がる傾斜になっている広場と広場と傾斜面の下にある多目的市民ホールを造る予定ですが、創意製造産業の様々な姿を見る事ができるメーカーフェア等市民と観光客が参加する行事を開催いたします。
2005年に途絶えていた空中歩道橋を2017年5月までに再び繋げます。
特別な高さでソウルの風景を見て感じる事が出来る空中歩道橋は、チョンゲチョン(清溪川)と空を一目で眺める事が出来る場所として、家族や恋人、友人と共に訪れたい歩行ランドマークになるでしょう。
セウン商店街とテリム商店街の両サイドに羽のように広がる歩行者用デッキも整備し、多くの市民と観光客に訪れてもらうために様々な見どころと楽しめるスポットを設ける予定です。
セウン商店街でのみ体験できる特別なプログラムが運営されます。
プログラムには、「メイクシティー・セウン」の過去―現在―未来のストーリーを込めた展示空間や、市民が直接セウン商店街で販売されている部品を使って世界に一つだけの作品を作る事のできる空間等があります。
セウン商店街と周辺地域の活力が一つの流れとして繋がれば、より大きな上昇効果が得られます。
そのためチョンゲチョン(清溪川)とウルチロが、セウン商店街と立体的に繋がる様にしました。
チョンゲチョンとすぐ繋がった階段を通じてより多くの人々が来やすいようにしました。
ウルチロ地下商店街との連結路とエレベーターの設置は住民の皆さまの宿願の事業でしたね。そのためソウル市が悩んだ末、予算を編成し、事業を推進する事になりました。
それだけではありません。皆さま、私たちが立てた計画がこれだけだと思いますか?
チョンミョからナムサンまで歩道がずっと繋がるよう頑張って準備を行っています。
「再び歩むセウン」は、チョンミョからナムサンまで都心歩行の縦軸となり、東大門から光化門まで東西方向に向かって都心の隅々まで活力を拡散する重要な計画です。
セウン商店街の歩行再生として「歩む都市ソウル」の姿が拡張される予定です。
セウン商店街の産業的潜在力という土壌に革新の成長力を植え付け「再び訪ねるセウン」を築いていきます。
セウン商店街の潜在力と外部の成長力を結合させ、セウン商店街を創意製造産業の生息地として築いていきます。
豊かな技術力と製造業の資源があるセウン商店街は、青年創作者とスタートアップを見つけ、上手に協力する事で革新を起こせる所です。
タシ・セウン協業支援センターがセウン商店街の内外部の資源を発掘し、連結し、協力できるよう支援します。
誰もがセウン商店街に訪れ、作りたい物を作り、創業できるよう力になる「セウン・リビング・ラボ」を運営します。
技術と製作を中心に協業プロジェクト、スタートアップ開業、製品テストベッド等、様々な活動を支援します。
スタートアップ開業を準備される方、技術・製作分野の協業を望まれる方、試作品を開発したい方は全員セウン商店街へお越しください。
セウン・リビング・ラボで皆さまの夢見る全てを築く事ができます。
セウン商店街の活力と革新に若者層の変化の原動力が加わるよう戦略機関を誘致します。
ソウル市社会的経済支援センターをはじめ、「ソウル・クリエイティブ・ラボ(SCL)」の新職業研究所、ソウル市立大学シティーキャンパスを入居させ、若者層との協業が活発に行われるようにします。
何よりも住民の皆さまが「再び笑うセウン」を築いていきます。
住民が主導する地域活性化を実現できるようにします。
セウン商店街の活性化のため、自立的な住民組織の運営を支援します。
住民の皆さまが持っている技術と長い間自分の分野で積んできたノーハウを活用できるよう、受理協同組合を運営し、業種別に協力のための集まりも支援します。
住民の皆さまの技術と若者層のアイディアが出会う活力プログラムを実行します。
技術と芸術が融合した代案技術教育プログラムを運営するつもりです。
セウン商店街の技術の匠と商人が若者たちを教える市民大学も運営します。
アイディア発掘から事業化推進まで、住民の皆さまが直接協同事業を運営できるよう支援します。
開発による副作用を防ぐ事も重要です。セウン商店街の再生事業はジェントリフィケーションの防止をまず先に考えた最初の都市再生です。地域活性化を共に成した皆さまが賃貸料の上昇で追い出される事の無いようにします。
地域の発展と生活基盤を守るため共存協約を締結し、持続的な行政支援を致します。
タシ・セウン歩行でセウン商店街の流動人口は5倍以上に増加する事でしょう。
タシ・セウン産業で売上は30%以上増加し、開業と職も増える事でしょう。
タシ・セウン共同体で共存協約の賃貸借企業は70%以上になる事でしょう。
長い間お待ちいただいた住民の皆さまに恩返しする気持ちで、2016年2月、着工を行ないます。
2017年5月には、新しいセウン商店街に出会う事ができます。
長い間お待ちいただいた住民の皆さまに恩返しする気持ちで、今年準備した202億の予算を投入し、計画した期間内に必ず終わらせるようにいたします。
何よりも先に、住民の皆さまが不便に思う事から解決いたします。
住民の皆さまが至急改善しなければならないと言われた事、必ず必要だと言われた事から先に始めます。
本日、皆さまとソウル市が共に、セウン商店街活性化のための第一歩を踏み出しました。
世の気運を再びセウン商店街に集める約束、必ず守ります。
これから工事が始まれば不便な点が生じると思いますが、今までしてこられたように協力していただき良い意見もたくさん聞かせて下さい。
これからもずっと皆様の意見を反映いたします。
<タシ・セウンプロジェクト>、本日から1日目です。
2段階事業も既に準備しており、続けて進行する予定です。
本日この場に参加して下さった皆さま、
新しいセウン商店街にまたお越し下さりますよね?
皆さまと共に歩き、共に笑える事を期待しながら一生懸命準備いたします。
2017年5月新しいセウン商店街が皆さまの前に開かれます。