ソウル市は11月の一カ月間、無形文化遺産を身近に感じてもらい、その価値を共有するために、多彩な実演イベントを開催する。
まず、▴ソウル石匠の公開実演は11月1日(金)にトクスグン(徳寿宮)フンドクチョン(興徳殿)で開催され、▴小木匠(家具)の実演は11月2日(土)にソウル無形遺産教育展示場(チョンノ(鐘路)区ユルゴクロ10ギル13)で繰り広げられる。▴ソウル盲人読経の実演は、11月6日(水)にミアリゴゲ(弥阿里峠)芸術劇場(ソンブク(城北)区トンソムンロ177)で、▴宮中茶礼儀式の公開イベントは11月23日(土)に国立中央博物館・小講堂で披露される。
「石匠」とは、石造物を制作する技術や技能を保有する職人のことを意味する。朝鮮の首都ハニャン(漢陽)を造成する過程で、築城や石造物の制作は欠かせなかったため、石匠の技術も自然と発展していった。「ソウル石匠」の公開実演は、「石構造匠」保有者であるキム・グォノ氏、「石彫刻匠」保有者であるイム・ハンビン氏が参加し、伝統的な手法で「石削り」と「石彫り」の過程を披露する。11月1日(金)午後2時、トクスグン(徳寿宮)フンドクチョン(興徳殿)の復元現場で開催される。
○ ソウル石匠(石構造匠)保有者であるキム・グォノ氏は、1967年に石工の技術を習得して以来、現在に至るまで、主要城郭や城門の復元・補修工事などの石構造工事に携わってきた。当日の実演では、石材を削り、積み上げる過程を披露する。
○ ソウル石匠(石彫刻匠)保有者イム・ハンビン氏は、1968年に石工の道に入り、現在に至るまで伝統的な石造美術を再現している。公開実演では、石材を扱い、彫刻する過程を披露する予定だ。
「小木匠」とは、建物の扉や窓などの建具、箪笥や櫃など木製家具を製作する技術とその技能を持つ職人のことをいう。今回の実演には「小木匠」保有者であるキム・チャンシク氏が参加し、木製家具の製作技術を披露する。実演は、11月2日(土)にソウル無形遺産教育展示場で開催される。一方、10月30日(水)から11月23日(土)まで、さまざまな木製の伝統家具も展示される。
○ 小木匠保有者であるキム・チャンシク氏は、1960年に「小木」の世界に入り、箪笥やテーブルなどさまざまな木製家具を制作し、伝統家具の再現に取り組んできた。公開実演では、部屋の中で使われた木製家具を製作するための木組み作業などの基礎作業が披露される。
「ソウル盲人読経」は、朝鮮時代から伝わる儀式で、盲人が読経をすることで厄を払い、幸福を祈る。特にソウル地域で行われていた「盲人読経」は、他の地域とは異なり、複数の人が読経に参加して儀式を行った。今回の「盲人読経」の実演は、11月6日(水)午後1時、ソンブク(城北)区ミアリゴゲ(弥阿里峠)芸術劇場で開催される。
○ 朝鮮時代、シャーマンのムーダン(巫堂)はソウルの4大門の中、つまり城内に住むことが許されず、クッ(シャーマニズムの儀式)も城外でのみ行われ、僧侶の城内への出入りも禁止されていた。しかし、盲人が厄を払い幸福を祈るために行った読経儀式だけは、例外的に城内でも行うことができた。盲人たちは17世紀後半まで雨乞いなどの国家的な行事に動員され、正月や神無月の10月に行われるコサ(告祀)でも読経を行ったので、盲人読経は王族、両班、庶民など身分の垣根を越えて行われた代表的な儀式だった。
11月の最後の実演イベントは「宮中茶礼儀式」だ。宮中茶礼とは、宮中でお茶を供えるすべての儀式を指す。今回の公開イベントでは、保有者であるキム・イジョン氏が参加し、ヨンジョ(英祖)26年(1750年)にヨンジョ(英祖)がチャンギョングン(昌慶宮)ハミンジョン(涵仁亭)で科挙に及第した者を招待し、それぞれが書いた文章を数節ずつ詠ませたという『朝鮮王朝実録』の内容をもとに、茶礼儀式を再現する。11月23日(土)午後12時、国立中央博物館・小講堂で開催される。
○ 宮中茶礼儀式の保有者であるキム・イジョン氏は、1960年代から韓国のお茶関連の学術大会や伝統茶礼発表会を通じて宮中茶礼儀式を披露している。今回のイベントでは、尚茶尚宮として王に献上するお茶を準備する役割を実演してみせる。
ソウル市無形遺産の公開イベントは、申し込みをしなくても誰でも観覧できる。普段あまり接することのないソウル無形遺産を享受する絶好のチャンスで、実りの季節である秋に、より一層充実した時間が過ごせると期待される。詳しい日程と場所については、ソウル市無形遺産教育展示場(☎ +82-2-742-6444)まで問い合わせれば案内を受けることができ、保有者の作品購入に関する案内も受けられる。
ソウル市文化遺産保存課のホン・ウソク課長は、「11月の無形遺産公開イベントは、トクスグン(徳寿宮)や国立中央博物館など、さまざまな場所でさまざまな無形遺産に触れることができるように心掛けた」とし、「今後も韓国の無形遺産を継承し、現代に合わせて発展させるために引き続き努力していきたい」と語った。
添付:公開イベントの広報物及び関連画像、各一部
ソウル石匠の広報物及び写真
小木匠(家具)の広報物及び作品の写真
花草欌 | |
書案 | 四方卓子 |
ソウル盲人読経の広報物及び写真
宮中茶礼儀式の広報物及び画像