ソウル市の公共自転車サービス「タルンイ」は、サービス開始から14ヶ月で11自治区450ヶ所の貸出所、累積レンタル件数172万件を記録した。ソウル市は、タルンイ運営台数を現在の5,600台から2017年末までに2万台規模に拡大する予定だ。これは、最もポピュラーな公共自転車サービスとして知られているパリのVelib(23,600台、2016年基準)と肩を並べる規模だ。
このため、ソウル市は「公共自転車タルンイ拡充及び利用改善対策」を発表して5大対策を推進し、21世紀型交通手段である公共自転車を実質的な生活交通手段として定着させていく予定だ。5大対策とは、①タルンイを2万台に拡充、②「タルンイ特化地区」の初造成、③利用サービスの改善、④自転車専用道路など安全インフラの拡充、⑤安全文化の拡散だ。
< タルンイを2万台に拡充 >
2017年の1年間でタルンイを14,400台追加配置し、計2万台まで拡充、ソウル市民1万人あたりのタルンイ台数を15台から20台に増やす予定だ。貸出所は、既存の11自治区450ヶ所から25全自治区1,300ヶ所まで拡大する。新規の貸出所を設置する際には流動人口とニーズを考慮し、公共交通機関の下車後すぐにタルンイで目的地まで行けるよう、地下鉄駅の出入口、バス停、タクシー乗り場から10~20m以内に、貸出所間の間隔は500m以内になるように設置する。
< 「タルンイ特化地区」の初造成 >
タルンイだけで通勤、通学、ショッピングなどの生活移動が可能な「タルンイ特化地区」をソウル市内の3ヶ所に初めて造成する。都市開発事業と連携し、計画段階から自転車道路、貸出所などのインフラを集中的に構築し、タルンイ利用に最適な生活圏地域づくりを中心的に進める。
< 利用サービスの改善 >
タルンイの利用もより簡単になる。これまで外国人やタルンイアプリ非会員の場合、利用の際に必要だった「本人認証」が6月から省略され、アプリをインストールしなくても「モバイルウェブページにアクセス→利用券決済→レンタル」の3つのステップだけで、クレジットカードや携帯電話さえあればタルンイをレンタルできる。また、外国人観光客のためにモバイルウェブの英語サービスも開始する。
< 自転車専用道路など安全インフラの拡充 >
タルンイの拡大に合わせて、自転車利用の安全も強化する。自転車道路は、量的拡大よりも「安全」に重点を置き、2020年までに総84.4kmの「自転車専用道路」を追加で造成する。また、上半期中にチョンゲチョンロ(清渓川路)のコサンジャ(古山子)橋にソウル市初の「自転車信号」(自転車型の信号が青色になると直進する方式)を試験運営し、歩行者と自転車利用者の安全を確保していく計画だ。
< 安全文化の拡散 >
最後に、安全な自転車利用文化の拡散を通じて事故を減らし、市民の安全意識を高めていく。筆記試験と技能・走行試験に合格した子供に一種の免許を与える「子供自転車認証制度」を拡大し、2018年にはソウル市内60校30万人の子供全員を対象に推進する。また、タイプ別事故の予防と適切な自転車利用文化拡散のため、幼児・学生・成人を対象に、利用者別のカスタマイズ型自転車安全教育とその体験プログラムの比重を拡大し、実効性を高める予定だ。
市民が必ず知っておくべき安全上の注意、自転車関連の法律‧制度などの内容を盛り込んだ安全マニュアルと映像を制作して教育庁と自治区などに配布し、関連機関のホームページにも掲載する。