- 財政難の中でも地方債発行という特段の措置を取り、史上最大8576億ウォンの財源を投入
- 家賃の負担を軽減できるよう零細自営業者50万人に「賃借小商工人保護資金」100万ウォンを支援
- 「4無安心金融」、最大5万人に計1兆ウォンを追加支援、正月休み前に「ソウル愛商品券」5千億ウォンを発行
- 政府損失補償対象に含まれなかったフリーランサーをはじめ約29万人に計1549億ウォンを支援
- 準重症患者用の緊急病床100台を拡充するなど、コロナ再拡大に備え防疫インフラの充実に501億ウォンを投入
コロナ禍の長期化で苦しむ一般市民の生活を助けるべく、ソウル市が史上最大規模の「市民生活安定総合対策」を実施する。資金支援、防疫対策など直接支援事業に7816億ウォンを、融資・商品券の発行など間接支援事業に1兆255億ウォンを投入し、実際の支援規模は1兆8071億ウォンになる。そのため、ソウル市は市議会と協議を行い、計8576億ウォン規模の予算を編成した。
今回の対策は、政府の損失補償対象から含まれない人を救うことに傍点を打ったもの。小商工人への支援(6526億ウォン)と被害を集中的に被った人への支援(1549億ウォン)、そして防疫インフラの拡充(501億ウォン)という3大分野・16の詳細事業に集中的に投資する。正月休みが始まる前に順次支援を受けられるよう対策を実行する。
長期間被害を受けた小商工人のために、全財源の76%を投入する。コロナ禍で収入は半分になったが政府損失補償対象に含まれなかった特殊形態勤労従事者やフリーランサー25万人に加え、運輸従事者や芸術人など計29万人にソウル市が直接支援を行う。急激なコロナウイルスの再拡大にも柔軟かつ迅速に対応できるよう、緊急病床100台を確保するなど防疫インフラにも積極的に投資を行う。
統計庁の『小商工人実態調査(2020年)』によると、コロナ禍以前に比べ小規模の事業体別営業利益の減少額は、 年平均1400万ウォンである一方、先に支給された政府の損失補償金は、平均して500万ウォンと、実際の隔たりは大きかった。
この局面を打開すべく、ソウル市は小商工人・自営業者の支援に6526億ウォンを投入する。毎月家賃を支払わなければならない小商工人約50万人に「賃借小商工人保護資金」100万ウォンを現金で支援する。申請の受付は2月7日から始まる。一番重い負担としてのしかかる賃借料を支援することで、不十分な政府の損失補償で依然として負担を抱えていた小商工人の重荷を少しでも減らしてあげたいという趣旨のもと実施される対策である。
世界的に変異株が拡大している中、崖っぷちの状態が続いている観光業界にも「危機克服資金」300万ウォンを支援する。現在の危機を乗り越え、観光市場が再び活性化されるときを備えられるよう、政府の目が行き届かなかったところを中心にきめ細かな支援を行う。
また、コロナ禍により所得が激減しているのにもかかわらず、政府の損失補償対象に含まれなかった市民に1549億ウォンを支援する。特殊形態勤労従事者とフリーランサー25万人に「緊急生計費」50万ウォンを支給する。3月末から補助金の受付を開始し、4~5月中に支給される予定。乗客の減少により苦難を強いられているバス運輸従事者(6130人)と法人タクシー従事者(21万人)には「雇用安定支援金」50万ウォンを正月休み前に支給する。中位所得120%に入らない芸術人(1万3千人)にも「生活安定資金」100万ウォンを2月から支給する。
新型コロナウイルスの急激な再拡大に備え、501億ウォンを投入し、利用可能な防疫資源を拡充する。大規模な空き地を活用し、準重症・中等症の患者を受け入れる緊急病床100台を設置・運営し、在宅療養者が直接治療を受けられる「外来診療センター」を1月中に6ヵ所→10か所に増やす。在宅療養の拡大とともに現場の人手不足を解消するため、支援スタッフ150人を追加採用し、臨時雇用の看護師の賃金も前年比43%引き上げる。
ソウル市は、予算対債務の割合が2022年末26.01%(推測値)なるという財政難の中でも、地方債4千億ウォン(既発行2千億ウォン、新規発行2千億ウォン)を活用するなど、できる限りの手段を総動員し、防疫や生活安定に全力を尽くす考えだ。
オ・セフン市長は「長く困難を強いられてきた小商工人や自営業者の負担を軽減するには十分でないことは知っている。3年も続いたその方々の犠牲を考えると申し訳ない限りだ」としながら「今回の『市民生活安定総合対策』を通じて、助けが必要な方たちが支援を受けられるようあらゆる努力をするつもりである。政府の損失補償対象に含まれなかった分野を中心に、迅速に支援を行っていきたい」と述べた。