ソウル市は、韓国で初めて、相対的に生計維持が困難な世帯をより手厚く支援する福祉制度である「安心所得」のモデル事業を実施する。「安心所得」とは、年の所得が一定額に満たない世帯に対して、その及ばない分の所得のうち一定の割合を現金で支援する制度である。公正と共存の価値を実践するための、オ・セフン(呉世勲)ソウル市長の主要公約の一つである。
ソウル市はモデル事業を設計するための「ソウル安心所得モデル事業諮問団」を構成・運営する。民生と直結する事業だからこそ、慎重に慎重を重ねて多角的なアプローチおよび研究ができるように福祉・経済・経営・雇用・社会科学・未来・統計などの各分野からの24人の専門家等を招聘し、27日には諮問団の委嘱式を開催した。諮問団は、モデル事業の基本的な方向性、適用対象、参加者の選定方法、成果指標分析方案等に対して深度ある議論を行うことになる。
ソウル市は「安心所得」の導入により、▲所得格差の緩和、▲労働の動機付け、▲経済活性化、▲既存の福祉・行政手続の補完、▲有意味な一定所得の保障、の5大効果を得られることを期待している。
福祉の盲点に置かれていた低所得世帯を発掘・支援することで、所得格差現象が緩和され、受給資格から外れることを恐れて労働能力があっても働かない既存の福祉制度の副作用を緩和できると期待される。また、低所得世帯の年所得が増大されるということは、貯蓄等の望ましい消費の活性化に繋がり、資産形成に寄与して、さらに、それによって経済活性化や市民生活の上方平準化にもつながると見込まれる。