ソウル市は、ポストコロナ時代における非対面コミュニティチャンネルとして人気を集めつつあるメタバースプラットフォームを、全国の自治体の中で初めて独自に構築し、これを市政全般に取り入れて新しい発想のもと公共サービスを開始する。
独自の高性能プラットフォーム「メタバースソウル」(仮称)を来年2022年の年末までに構築し、2022年から3段階にわたって経済・文化・観光・教育・窓口業務など市政のあらゆる分野における行政サービスにメタバース生態系を実装する。
2021年のパイロットプログラムでとして行った大晦日の仮想ポシンガク(普信閣)鐘つきイベントを皮切りに、2022年には仮想市長室、ソウルフィンテックラボ、インベストソウル、ソウルキャンパスタウンなどソウル市の各種企業支援施設やサービスなども、メタバースの中に順次実装していく計画である。
2023年には仮想の総合民願室「メタバース120センター」(仮称)を設立する。これによって市庁の民願室を訪問しなければ処理できなかった窓口業務・相談サービスも、メタバースにおいてアバター公務員により利用することができる。
さらに2022年には、クァンファムン(光化門)広場、トクスグン(徳寿宮)、ナムデムン(南大門)市場などソウルの人気観光スポットを「仮想観光特区」として造成し、トニムン(敦義門)などのように焼失した歴史資源も仮想空間として再現する。2023年からはソウル・ランタンフェスティバルなどソウルを代表するお祭りもメタバースで開催し、全世界の人々が仮想空間を通じて参加できるようにする。そのほかにもエクステンデッド・リアリティ(XR)技術を用いた障害者向けの安全・利便コンテンツなど、社会的弱者のためのサービスも開発する。
ソウル市はまた、先端技術を基盤とするメタバースプラットフォームを通じて時間的・空間的制約や言葉の壁などの現実的な限界を克服する公共サービスを提供し、これを市政の各分野に拡大して公務員の業務効率も高めていく方針だ。
ソウル市は6日(水)、このような内容を中心とする5か年「メタバースソウル推進基本計画」を発表した。公共・民間のメタバース動向とサービス需要を反映し、7分野(経済・教育・文化観光・コミュニケーション・都市・行政・インフラ)にわたる20の課題を基本計画に盛り込んだ。これは自治体初のメタバース政策に関する中・長期総合計画であり、オ・セフン(呉世勲)市長が「ソウルビジョン2030」で提示した「未来感性都市」のコアとなる戦略の一つでもある。