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プレスリリース

  • ソウル市、新設洞駅の幻のホーム長年使われていない駅の遺構が「ソウル未来遺産」に

  • プレスリリース SMG 670
    • 地下鉄新設洞駅の幻のホームが、ソウル未来遺産として生まれ変わる。地下鉄駅では12例目
    • かつて5号線のホームとして建設されたが計画の変更により幻に。2000年代以降はロケ地として注目を集めるように
    • リニューアルが進む地下鉄に建設当時のまま残されたホームを活用する方策を検討

    ソウル市内の地下鉄にわずかに残る「幻のホーム」。市はこのほど、1、2号線の新設洞(シンソルドン)駅に建設され、これまで使用されてこなかった古いホームを「新設洞2号線非運用ホーム」として新たに「ソウル未来遺産」に指定した。地下鉄の駅としては12例目となる。

    「ソウル未来遺産」とは、国またはソウル市の指定文化財、登録文化財として指定されていないもののうち、市民が共有できる共通の記憶や感性を伝えるソウルの近現代の遺産を市が選定し保存する文化財のことをいう。

    ソウル未来遺産には、市内の地下鉄全11駅(1号線清凉里(チョンニャンニ)からソウル駅9駅舎(東廟前(トンミョアプ)駅を除く)、2号線九(ク)老(ロ)デジタル団地駅(旧九老公団駅)、3号線景(キョン)福宮(ボックン)駅)がすでに指定されている。

    ▲未来遺産に指定された祭基洞(チェギドン)駅と清凉里駅に設置されたプレート
    新設洞駅は、1970年、日本調査団の報告書を参考にしてまとめられた第1期地下鉄計画により、当時の1号線(ソウル駅から清凉里(チョンニャンニ)駅の9.14㎞)と5号線(千戸(チョノ)洞(ドン)から鍾(チョ)路(ンノ)、新設(シンソル)洞(ドン)、延禧(ヨニ)洞(ドン)までの32㎞)の乗換駅として建設された。

    当時、計画されていた路線図。1号線と5号線の様子がわかる
    当時は都心への移動のニーズが非常に高まることを考え、新設洞から鍾路区間は1号線と5号線が走る複々線とし、後に5号線が1号線の下を走る立体交差にする計画で当初からホームを複数階に分けて建設されていた。

    その後、2階と3階にある遺構は1977年に君子(クンジャ)車両基地ができるまで1号線の電車の整備を行う臨時車両基地としての役割を担った。

    だが、1974年に1号線が開通して以降、オイルショックなどによる不況により建設費用がまかなえなくなり、計画されていた追加の建設工事を進めることができなくなった。市は地下鉄建設計画の見直しを迫られ、その過程で当初の5号線建設計画は取り消され、新設洞駅は5号線の代わりに2号線(新設洞~総合運動場)計画に組み込まれたことで、地下2階のホームのみが使われることになった。

    鍾路方面の路線用に利用される予定だった地下3階ホームは、その後も乗客に利用されることなく、1号線の電車が運行終了後に君子車両基地に向かうためだけに使われるようになったため「幻のホーム」と呼ばれるようになった。

    駅名を示すプレートには、かつての駅ナンバー「113」が記されている。
    (現在の新設洞の駅ナンバーは126。)
    長い間、人々に忘れられていた未使用のホームだが、2000年代になると映画やドラマ、ミュージックビデオなどのロケ地として再び注目を集めるようになった。変わりゆく地下鉄の駅の中でも70年代当時の様子が変わらず残っていて、コンクリートがむき出しのままになった姿が印象的だと評価されたためだ。

    幻のホームで撮影された映画としては「監視者たち」(2013年)が代表的だ。

    ドラマでは「アイリス」(KBS、2009年)、「彼はサイコメトラー -He is Psychometric-」(tvN、2019年)、「キスして幽霊! -Bring it on, Ghost-」(tvN、2016年)、「ATHENA -アテナ-」(2010年)、「アンバーグリス」(2018年)などがある。

    ミュージックビデオでは、人気アイドルグループのTWICEの「CHEER UP」(2016年)、BEASTの「Ribbon」(2016年)、B.A.Pの「One Shot」(2013年)、EXOの「LIGHTSABER」(2015年)が撮影された。

    新設洞駅の幻のホームでの撮影の様子
    現在、新設洞駅の幻のホームは一般に公開されていない。ホームドアが設置されておらず、君子車両基地に向かう1号線の電車が頻繁に出入りしていて危険なためだ。ただ、2017年10月から11月までの期間中、展示スペースが設けられ、市と共同で週末限定で市民に公開されたことはあった。

    ソウル市のキム・ジョンファンソウル交通公社広報室長は「新設洞駅の幻のホームは、開発が盛んに行われていたかつてのソウルの様子を今に伝える貴重な場所のひとつ」としながら、「今後も本来の機能を維持して利用していく予定であり、安全が十分に確保されることを前提にロケ地としての利用など幅広い用途を模索していきたい」と語った。
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