ソウル市は、9月25日福岡のレストラン「ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ」で、「Eat! Seoul@福岡」イベントを成功裏に終えたと伝えた。
ソウル市は、韓国料理を通じて世界の人々にソウルの魅力を知ってもらうため、9月6日から9日までの4日間ベルギーのブリュッセルで開かれた世界料理祭典に参加し、若手シェフらが作る韓国料理ポップアップレストラン「Eat!Seoul@ブリュッセル」を運営した。
「Eat! Seoul@福岡」は、それに次ぐ2番目のポップアップレストランとして、韓国伝統料理を現代化したことで注目を浴びている韓国のチョ・ヒスクシェフと福岡を代表する料理人福山武志シェフのコラボで8品のランチコースを韓国伝統酒のペアリングで提供した。
チョ・ヒスクシェフは、韓国料理専門のシェフらから師匠と呼ばれるほどの人物で、ソウルにある有名ホテルの韓国レストランのシェフ、在米韓国大使館のシェフ、ウソン大学外食調理学科専任教授、アルムチギ財団の食文化研究専門委員を務め、今年開かれたピョンチャンオリンピックでは、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と国連事務総長のランチも担当した指折りの名シェフ。彼女は10年以上韓国各地を歩き回りながら、長い歴史を持つ氏族の本家に訪れ、失われつつある本家ならではのレシピを受け継ぎ、それを生かしたレシピを開発してきた。現代風にアレンジしたモーダンな感覚の韓国伝統料理で、これまで宮廷料理やお寺で食べる精進料理が主だった韓国伝統料理業界に新しいブームを巻き起こした人としても知られている。
一方、福山武志シェフは、福岡出身で自分が生まれた町で30年以上経験を積んできたベテランシェフである。山と海からのローカル素材を生かしたお任せスタイルのフレンチ料理を提供する彼のお店は、アジアベストレストラン50にも入った有名なフレンチレストラン。
当日披露した8品のランチコースは、プガクという海苔の揚げ物と松の実パウダーをまぶしたエビの和え物、そば粉で作ったお餅の巻きが「ウェルカムディッシュ」としてスタートを切った。
前菜は、①博多ラーメンからインスピレーションを受けたという豚足料理(チョ・ヒスクシェフ作) ② カボスシャーベットとサバのネギ包みキャビア添え(福山シェフ作) ③ お魚の白身を皮に見立てて餃子にした朝鮮時代の宮廷料理「オマンドゥ」(チョ・ヒスクシェフ作) ④ アワビと椎茸のリゾット(福山シェフ作)。
メイン料理は ⑤ 骨付きカルビの蒸し煮をモチーフにした「牛タン蒸し煮」。骨付きカルビの代わりに日本人にとってより馴染みのある牛タンを使い、現地の人をターゲットにした絶品として高い評価を受けた。⑥水キムチのスープが効いた水冷麺は、お肉の料理の後は麺で締めくくる韓国の食文化が反映されたもの。
デザートは、⑦ バニラ味噌のクレームブリュレ(福山シェフ作)と⑧韓国の伝統お菓子「ヤッカ・タレカ・高麗人参のチョンガ」やソンピョンというお餅(チョ・ヒスクシェフ作) をお茶と共に提供した。
ペアリングしたドリンクは、しばらくの間受け継がれなかったが最近の伝統酒復元事業によって昔の姿を取り戻した四時通飲酒、淸甘酒、煮酒など韓国伝統酒を現地の人の好みに合うよう新しくアレンジして出した。
今回のポップアップレストランには、福岡はもちろん東京など日本各地から料理、旅行の専門記者や料理専門家など30人が招待された。そのうち、日本の3大料理専門学校である中村料理学校からの中村理事長は、「私が今まで食べていた韓国料理とは全く違う新しい味を経験した。韓国料理の繊細な味付けに改めて感動した。」と感想を述べた。
2017年ソウル市外来観光客実態調査のよると、ソウルに訪れた日本人観光客のパターンは、他の国からの観光客に比べ、滞在期間は短い方だが、訪問回数が平均6.7回と2倍も多かった。そして、観光目的は「買い物とグルメ」が最も多く、食べ物に対する満足度が最も高かったという。今年1月から8月までの日本人観光客が前年同期比23.1%増の146万人に上るなど、増加ぶりも目立っているという。
ソウル市観光体育局長のチュウ・ヨンテ氏は、「日本では既に韓国料理が広がっていると聞いているが、今回のコラボイベントを機に、また新しい韓国料理の魅力を見つけることが出来たらと期待している。」とし、「長い歴史を持つ韓国伝統料理が現代風にアレンジされながら多様化しているように、ソウルの魅力もさらに多様化している。その魅力をこれからも広く発信して参りたい。」と述べた。