パク・ウォンスン(朴元淳)市長は9月26日、サンフランシスコ市庁で同市のエドウィン・リー(Edwin M. Lee)市長と面会し、両都市間における文化観光施設利用時の割引推進などが盛り込まれた「両都市間文化・観光施設相互利用優遇事業に関する協議書」を締結しました。
この日締結された「両都市間文化・観光施設相互利用優遇事業に関する協議書」は、▲両都市間における文化観光交流及び相互優遇事業 ▲博物館・美術館における展示 ▲都市のシンボルの交換などが柱です。
また、両市長は「共有経済」と「多文化政策」をテーマに意見を交わしました。「共有経済」については、共有経済を生んだ革新都市サンフランシスコの経験を参考に、「共有都市ソウル」の実現に向けた様々なアイデアとヒントを共有するとともに、ソウル市が推進中の事業を紹介するなど、革新と共有経済を基にした都市発展について話し合いました。
サンフランシスコは、エアビーエンビー(Aairbnb)などの企業、シェアエイブル(Shareable)などの非営利団体、公共部門である市を網羅した「共有グループ・ワーキンググループ」を2012年3月に世界で初めて発足、共有経済関連政策を推進中です。▲「リレーライド」(カーシェア) ▲「エアビーエンビー」(Airbnb、ルームシェア) ▲「タスクラビット(TaskRabbit、買物やクリーニング店に預けたものを取りに行くといった用事を近所の人が代行してくれるサービス)」などは、サンフランシスコを基盤に生まれた共有経済サービスに挙げられています。
両市は姉妹都市締結(1976年5月)以来、市代表団の相互訪問と職員の派遣などを通じて交流を続けています。サンフランシスコは、アジア系とヒスパニック系がそれぞれ人口の31.3%、14.1%と大きな割合を占めており、そうした多様な人種・民族も堂々と意見を言える文化的土壌の肥えた開かれた市です。2011年に就任したエドウィン・リー市長は、アジア系住民から初めて選ばれたサンフランシスコ市長です。
続いてパク市長は、市庁近隣のツイッター(Twitter)本社で同社CCO(最高コミュニケーション責任者)のガブリエル・ストリッカー(Gabriel Stricker)氏と面会しました。パク市長のツイッターのフォロワーは、現在約90万5千人に迫っています。
ツイッターは、世界の約2億7千人の人が使用しており、一日に5億件ものツイートが転送される、代表的なソーシャルネット・ワーキング・サービス(SNN)の一つです。ソウル市は2011年の民選5期発足以来、「対話に基盤を置いた市民の参加と協力」を主要政策基調とし、現在計104のツイッター(本庁40、事業所64)を運営中です。
パク市長とストリッカー氏はこの日の対話で、昨年構築された「ツイッター・ライフライン」がより迅速かつ幅広く活用されるように機能を開発するなど、今後のソウル市とツイッター社との交流・協力関係を強化する方法などについて協議しました。「ツイッター・ライフライン」は、水害や豪雪などの自然災害発生時に災害情報の提供を受けられない状況でもインターネットやスマートフォンで災害情報をリアルタイムで確認できるよう、ソウル市とツイッター・コリアが2013年7月に構築したサービスです。
一方、パク市長は、テスラ・モーターズの電気自動車「モデルS」の生産工場を視察し、太陽光急速充電所「スーパーチャージャー(Super Charger)」を自ら体験しました。ソウル市は、2009年~13年に官用車や電気バス、障害者コールタクシーなどとして電気自動車1211台を普及し、燃費が一般のLPGタクシーの約13%と非常に安いうえ、粒子状物質などの排気ガスを排出しない環境配慮型の電気自動車タクシー10台を今年10月から運行しています。
パク市長は、「両都市間の文化観光協力を通じ、市民が文化芸術を享受できる機会を増やす一方、ソウル市ならではの強みを生かした文化観光活性化政策を推進し、見どころ満載の観光都市、親切で温かい人情あふれる街「ソウル市」を目指して取り組んでいきたい。今後、文化観光分野をはじめ、サンフランシスコとの本格的な交流を通じ、両都市がともに発展できる協業システムを構築していきたい」と述べています。