外国人観光客がソウルの地下鉄に熱狂する理由は?
– CNNなど海外メディアでも最高と認められた交通カードシステムなど最先端のITサービス – 便利な乗換施設、階段を使わずアクセス可能な駅88%、ロンドンより3倍↑ – 車内の冷暖房設備、乗降場ホームドア、外国語案内など細心なサービスも人気 □ ペルーはマチュピチュ、中国は万里の長城、インドはタージマハル。では、韓国を代表するのは何だろうか。世界最大規模の旅行情報サイト「トリップアドバイザー」は、昨年発表した「世界の国々で観光客がやるべきただ一つのこと」で、韓国に行くならソウルの地下鉄に必ず乗るべきだと紹介している。京福宮と明洞を抜き、世界の人々を熱狂させたソウル地下鉄の魅力は何だろう。 □ ソウル地下鉄1~8号線を運営するソウル交通公社(代表:キム・テホ)が、外国人がソウルの地下鉄を利用した際に満足したサービスや印象に残ったと答えた施設の話を紹介した。 «交通カードシステムなど最先端のITサービス» □ ソウル地下鉄の交通カードシステムは、数多くの国がベンチマークのため韓国を訪れるほど注目されている。実際にソウル市は、多くの国や都市に交通カードシステムを輸出している。昨年は、スペイン経営大学院が発表する全世界都市発展度評価でソウルが都市交通分野で第1位となった。 □ ソウル地下鉄は、運営会社や路線とは関係なく交通カード一枚でどこでも乗換が可能で、料金を一度で清算できるという長所がある。利用区間超過などにより交通カードが残額不足となった場合、改札周辺に設置された自動精算機で直ちに精算できる。 □ 観光地に関する情報や地図を検索することの多い外国人観光客は、ソウル地下鉄が提供するWifiサービスに大変満足している。BBCは、ロンドンの地下鉄と世界の地下鉄を比較する記事で、ソウル地下鉄の4G-Wifiサービスを世界最高のシステムだと評価した。米CNNも、ソウル地下鉄の無線インターネットサービスを世界で最も優れたシステムだと紹介した。。 ○ 開通から100年経ったニューヨーク地下鉄は、現在もトンネルで携帯電話の通信状態がよくないという点でソウル地下鉄とは対照的だ。 □ 外国人が驚くもう一つのソウル地下鉄のITサービスは、3~4つ前の駅からリアルタイムで到着情報を知らせるLED発車案内表示である。ソウル地下鉄のLED発車案内表示が閉鎖的に運営されていた地下鉄運行情報をデジタル技術と融合することで、地下鉄の利用客に有益な情報を提供できるようになった良い例だ。 «ロンドンチューブも羨む乗降便宜施設» □ 7月初旬ロンドンの地下鉄チューブは、高齢者や障がい者の利用便宜を図るために今後5年間2億ポンド(約1,500憶ウォン)を投じ、階段を使わずアクセスできる(Step-Free)駅舎を、現在の26%から40%以上に引き上げると発表した。では、ソウル地下鉄の乗降便宜施設はどうだろう。 □ ソウル地下鉄は、階段を全く利用せずエレベーターだけで乗降場から出口まで移動できる駅舎が駅全体の88%に上る。ロンドンチューブの3倍を超える水準だ。ソウル地下鉄は現在11の駅でエレベーターの追加設置を進めており、今後乗降便宜施設の設置率はさらに高くなる見込みだ。 «座席も暖かく、快適な冷暖房システム» □ ソウル交通公社は「暑すぎる」や「寒すぎる」といった苦情が1日平均1,500件以上寄せられるが、外国人の目から見たソウル地下鉄の冷暖房システムは非常に優秀である。 □ 外国人は特にソウル地下鉄はほかの地下鉄に比べ差別化された、細かいところまで行き届いた冷暖房システムを整えている点が印象深いと答えている。ニューヨークに住むパラッシュ・ゴーシュ(Palash ghosh)氏は、オンラインニュースメディアの「インターナショナルビジネスタイムズ」に投稿し、「ソウル地下鉄は座席が布で覆われておりどこも破れていないうえ、冬には座席にも暖房がきくところが素晴らしい」と話した。 □ 米旅行情報サイト「ワンダーウィズダム(Wander Wisdom)」は昨年5月、アジア4大地下鉄のひとつとしてソウルを集中的に紹介し、冷房が苦手な人のために冷房の設定温度を他の車両より少し上げた「弱冷房車」をソウル地下鉄の魅力として取り上げていた。 «韓国語が分からなくてもOK、便利な外国人案内システム» □ ソウル交通公社は外国人も地下鉄を不便なく利用できるよう多言語案内システムを整えている。地下鉄の乗車券を購入できる1回用交通カード販売機には韓国語以外に英語、中国語、日本語で案内言語を選べる。すべての車両では韓国語と共に英語の案内が順次放送され、72の主な乗換駅と終着駅では中国語と日本語のアナウンスも流れる。 □ モバイルアプリの路線図サービスの普及に伴い、韓国語の路線図へのニーズより、外国語路線図へのニーズが着実に増えている。ソウル交通公社では毎年2回、英語、中国語、日本語が併記された外国人向け路線図を制作し、277の全駅の案内センターに配置している。 ○ 外国人向け路線図には地下鉄路線以外にも1回用交通カードの購入方法や観光通訳サービス、主な観光情報センターなどに関する案内も載っている。 «未来型地下鉄につながるドア、乗降場のホームドア» □ 米ニュースサイト「ビジネスインサイダー」は、2015年12月の記事で「韓国で地下鉄に乗ると、ニューヨークの地下鉄がどれだけ立ち遅れているかわかるだろう」と、ソウル地下鉄の最新施設に多くの関心を示した。同メディアは騒音や安全事故の減少効果の高い乗降場のホームドアをソウル地下鉄の代表的な施設として紹介した。 □ ソウル地下鉄の乗降場のホームドアは、2009年に全駅に設置を完了したが、以前に比べ騒音は7.9%改善し、冷房費用は36%も減少する効果があった。アメリカの留学生トーマス・マッケンス氏は、今年6月「ワンダフル、韓国の地下鉄」というタイトルで東亜日報に投稿し「ソウルは他の国と比べてより早いスピードで未来の交通手段に近づいているようだ」とソウルの地下鉄を説明した。 □ ソウル交通公社のキム・テホ代表は、「外国人が安全かつ便利にソウル地下鉄を利用できるよう不便な点や改善点がないかなどを継続して関心を持っている」とし「世界的な規模に見合うよう、満足度や利便性においても世界的な水準を目指して最善を尽くしたい」と話した。 □ ソウル交通公社は今年5月の発足で、輸送人員世界3位、営業距離世界4位、保有車両世界4位、運営駅数世界3位となり、北京、ニューヨーク、ロンドン、パリの地下鉄など世界有数の地下鉄と肩を並べるようになった。
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