ソウル市民の体感景気、新型コロナウイルス感染症発生前と同じ水準に回復
ソウル研究院は、「第2四半期のソウル市の消費者体感景気とソウル市に求める景気政策」の調査結果を発表した。 ソウル市民の暮らし向きへの期待感など体感景気を指標化した「消費者態度指数」*は、2021年第2四半期に92.9を示した。前四半期に比べて3.9p増加しており、新型コロナウイルス感染症発生以降はじめて90台を回復した。ソウルの「消費者態度指数」は、新型コロナウイルス感染症発生直前の2019年第4四半期に93.3を記録して以降、継続して90台以下にとどまっていた。 * 消費者態度指数は、100を超えると経済展望や消費支出展望を肯定的に見ていることを示し、100以下はその反対を意味する。 今後、「消費者態度指数」はワクチンの普及が広まるとともに、政府が下半期の経済政策において果敢な消費喚起策と内需浮揚策を強調する方針を打ち立てたこともあり、第2四半期以降は緩やかに回復していく見通しだ。しかし、景気回復が顕著になる場合、消費者物価上昇と金利上昇などが懸念され、また新型コロナウイルス感染症の変異ウイルス拡散などリスク要因も未だ残っていることから、不確実性が高い状況にあるといえる。 [図1] ソウルの消費者態度指数 Blue Line : 消費者態度指数 / Red Line : 標準化指数 2020 2/4四半期 2020 3/4四半期 2020 4/4四半期 2021 1/4四半期 2021 2/4四半期 [図1] ソウルの消費者態度指数 なお、ソウル地域の標本となる1,200世帯を対象(回答1,200人)にアンケート調査を実施した結果、現在自らの社会経済的地位に対して13.8%が「満足」と答えた半面、41.3%は「不満」と答えた。特に、新型コロナウイルス感染症発生以前と比較して、社会経済的地位が「下がった」と回答した比率は34.2%で、「上がった」と答えた6.3%に対して著しく高かった。 [図2] ソウル市民の現在の社会経済的地位に対する満足度 (単位:%) とても満足 やや満足 普通 やや不満 とても不満 [図2] ソウル市民の現在の社会経済的地位に対する満足度 上記のような状況で、ソウル市長に最も迅速に取り組んでほしい経済政策第1位は、「生活物価の安定」が38.5%と最も高く、重視して取り組んでほしい経済政策は、「新型コロナウイルス感染症に対する防疫」(4.38点)と「不動産市場の安定化」(4.33点)が高得点を示した。 [図3] ソウル市長に迅速に取り組んでほしい経済政策 ソウル市民の23.3%が新しいソウル市長の任期中に民生経済が好転することを期待しており、1年後にソウル市の民生経済が活性化されるためには、「生活物価の安定」(39.1%)が最も重要だと答えた。
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