ソウル市の「創意市政」、新しい行政モデルとして注目
「公共の成果と管理レビュー」6月号、行政モデルとしてソウル市の「創意市政」に注目 盤浦虹の噴水、清渓川(チョンゲチョン)プロポーズの壁、世界デザイン首都選定、千ウォンの幸福文化プログラムなどは、ソウル市民や公務員が提案し、政策として実現した代表的な事例です。 こうした公務員や市民のアイデアがソウル市の政策として実現するチャンネルであるソウル市の「創意市政」が、新しい行政モデルとして世界の注目を集めています。ソウル市の「創意市政」を取り上げた「公共組織における創意行政:革新の始動」という題名の論文がアメリカの著名な学術誌、「公共の成果と管理レビュー(Public Performance and Management Review)」の6月号に掲載されました。 この論文では、ソウル市の「創意市政」を注目すべき行政モデルとして紹介しており、全世界の公務員や学者がこの学術誌を通じて新しい行政事例を学ぶことで、「創意市政」が一つの理論として確立し、世界に紹介される契機になるという大きな意味を持っています。 「公共の成果と管理レビュー」は、行政学分野において優れた論文を掲載する世界39の国際学術誌のうち、評価順位6位で、信頼度が高く、その波及力はより大きいと期待されています。 1975年に創刊されたこの学術誌は、公共組織における生産性や成果改善、成果測定、革新的な行政技法に関する論文を年4回発刊しています。提出された論文は編集長や著名な学者から数カ月間にわたって厳しい批判や質問を受けるなど、審査の厳しいことから合格率は20%程度に留まっています。 アイデアを政策として実現するプロセスを構築…13%が政策として実現 今回の論文は、創意市政を現場で実行した経験のある松坡区(ソンパグ)のキム・チャンゴン副区長と、アメリカの行政学者、エバン・ベルマン(Evan Berman)教授が共同で昨年、書いたものです。 著者は、この論文の中で、「創意市政」は公共の組織において新しいアイデアと行政改善方法が導出されることを奨励し、それが拡散するには非常に有効な行政モデルであり、アメリカだけでなく世界各国の地方政府にも適用が可能であると論述しています。 また、公務員から提案された莫大な量のアイデアを政策として実行することができるプロセスが構築されたという点で「創意市政」は画期的だと評価しており、これが実際に公務員の体質を創造的かつ進取的に変えていると分析しています。論文によると、2006年6月から2008年5月までの2年間、ソウル市の公務員が提案したアイデアは62,666件、市民から寄せられたアイデアは11,846件で、創意市政が実施される以前の10年間(1997~2006年)の公務員のアイデア4,664件、市民のアイデア3,585件と比較すると、年平均で45倍も増えています。そしてこのうち、政策として実施されたアイデアは13%に達しています。約4年間で4,639件を実現…盤浦虹噴水、千ウォンの幸福などのヒット商品が誕生 同時に、公務員たちもこうした体質の変化を実感していることがわかりました。論文の著者がソウル市の公務員1,194人を対象に行ったアンケート調査の結果によると、創意市政導入後、所属部署が革新的に変わったと答えた公務員は33%と、創意市政導入前より2倍も増えました。 こうした革新を可能にしたのは、ソウル市の創意市政に対する意志とインセンティブ、教育訓練によるものだと論文では分析しています。 一方、ソウル市創意市政は、2006年民選4期の発足と同時に、すべての行政を「市民の立場から考える」よう組織の体質を画期的に改善しました。こうした組織の体質改善は、▲アイデア提案コーナーである「想像バンク」の設置▲創造性向上のための教育訓練▲アイデア提案に対するインセンティブと報奨の提供▲政策実現のために月に3回行う「創意発表会」がその土台となっています。 さらに、創意市政は、オンラインサイト「千万想像オアシス」を運営し、2カ月に一度、優秀なアイデアに対する「千万想像オアシス実現会議」を開いて市民からのアイデアを政策として採択することで、市民が行政に参加する市民ガバナンスの実現にも大きく貢献しています。 民選4期以降、想像バンク(公務員アイデア受付窓口)には計210,324件のアイデアが寄せられ、計4,464件の政策が実現し、千万想像オアシス(市民アイデア受付窓口)には計98,480件のアイデアが寄せられ、計175件の政策が実現しました。
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