管理主体が異なる地下施設物、ソウル市が統合管理
ソウル市内の地下には上・下水道管、電力線、通信線、ガス管や地下鉄のような都市機能に欠かせない数多くの地下施設物が埋まっている。その規模だけでも総延長5万2,697kmで、地球を1.3周することができる。問題は地下施設物の管理主体がそれぞれ異なっている点だ。 各管理主体が必要な時に土地を掘って埋設し、安全管理もまた複数の機関や企業でそれぞれ行ってきたため、正確な現況の把握さえ難しい場合が多かった。 ソウル市がこのような地下施設物の安全管理システムを大々的に整える。ソウル市が「コントロールタワー」となり、地下施設物の安全を統合的に管理し、通信・ガス・電気など地下施設物を管理する各機関は常設協議体を構成し、共同で参加する方式でパラダイムを転換する。 昨年、アヒョンドン(阿峴洞)通信口の火災とモクドン(木洞)の熱輸送管破裂、最近のムルレドン(文来洞)水道水の混濁水問題のように、地下施設物の老朽化・過密化による問題の再発を防ぎ、首都圏広域急行鉄道(GTX)のように大規模な地下開発による事故の危険を最小化するための趣旨であると市は説明した。 このため、パク・ウォンスン(朴元淳)市長は25日、ソウル市庁3階の大会議室で主要な地下施設物の管理機関と業務協約を締結した。協約にはパク・ウォンスン(朴元淳)市長と▴KT(ファン・チャンギュ(黃昌圭)代表取締役)、▴韓国電力公社(キム・ジョンガプ(金鍾甲)社長)、▴韓国ガス公社(チェ・ヒボン(蔡熙峯)社長)、▴韓国水資源公社(クァク・スドン(郭秀東)副社長)、▴韓国地域暖房公社(イ・ギョンシル(李庚實)副社長)など代表的な5機関が参加した。 さらにソウル市はこの日、地下施設物の統合的・先制的な安全管理を骨子とする「ソウル市地下施設物の統合安全管理対策」を初めて発表し、2023年まで合計2兆7,087億ウォンを投入することを明らかにした。▴地下安全統合システム構築、▴先制的・体系的な安全管理、▴スマート技術の予防システム開発など3大分野において10個の推進課題を施行する。 ①「ソウル市地下施設物の安全管理協議体」発足(2019年下半期) ソウル市内の地下施設物の半分以上を他機関が管理しているため、緊急事態では有機的な対応が必須である。このため、ソウル市行政2部市長を委員長とし、KT、韓国電力公社、韓国ガス公社、韓国地域暖房公社、韓国水資源公社など関係機関のソウル地域本部長及び韓国電気安全公社、韓国ガス安全公社などが参加する「ソウル市地下施設物の安全管理協議体」を今年下半期に発足する。 ②安全点検の強化及び空同調査施行 地下施設物の安全管理合同点検班を編制し、上・下水道、電気、通信、ガス、熱輸送管に対して安全点検及び維持管理規定の遵守状態を細かく確認する。また、地盤沈下予防のため、ソウル市の管理道路を5圏域に分け、2022年まで5年間で1,222㎞(178路線)に対する空同調査を施行する。 ③定期合同訓練など複合災害対応力の強化 地下施設物の事故による複合災害に備えるため、関連機関が共に参加する「合同訓練」を定期的に実施する。有事時に活用される「初期対応マニュアル」はSNSによるリアルタイム災害状況の共有、現場連絡官の派遣のような具体的な内容を含めて補完・改善する。 ④従来の都心に「小型共同溝」導入検討…ソウル市共同溝基本計画策定 従来の都心に電力口、通信口、上下水道管を共同で受容できる「小型共同溝」の導入を検討する。このような内容を含んだ「ソウル市共同溝基本計画」を2020年までに策定する。現在、韓国科学技術院などで構成された共同溝研究団で「小断面トンネル式共同溝技術」を開発中にあり、基本計画を通して軽電鉄事業などと連携した小型共同溝の導入案などを検討する。 ⑤「地下鉄施設物の安全管理統合情報分析システム」の構築 従来の個別に運営されていた地下空間の情報システムと安全管理情報システムを連携し、災害発生時に立体的に対応できる「地下施設物の安全管理統合情報分析システム」を2020年に構築する。 ⑥老朽不良地下施設物の早期投資及び整備 老朽上・下水管路、老朽熱輸送管など70~80年代に集中的に建設され老朽化が急速に進んでいる地下施設に、2023年までに予算2兆4,699億ウォンを早期投入、整備を推進する。 ⑦生涯周期的観点の先制的管理に転換し、地下施設物の長寿命化を推進 維持補修と事後管理が中心となっていた施設物の管理を、未来に備えた中長期的・先制的対応方式に転換する。2019年の年末までに基盤施設別に維持管理履歴及び性能に対する全数調査を実施し、2020年までに総合管理計画を策定して中長期投資計画と財政確保案を用意する。 ⑧掘削工事時の地下水流出最小化など「地下開発安全ガイドライン」の用意 GTX、都市鉄道網など大規模な地下開発が計画中であるため、安全な地下開発と体系的な地下施設物の管理に向けた「地下開発安全ガイドライン」の用意にも取り組む。まず、地下掘削工事場から流出する地下水を最小化するため、制度的・技術的な総合対策を2020年までに策定し、地下開発時に地熱パイプなどの破損を予防するため、関連情報も体系的に管理する。 ⑨ビッグデータ分析による基盤施設の老朽化の予測システムを開発 地下施設物の詳細履歴をDB化し、ビッグデータ技術を活用して施設物の状態変化、維持管理費用などを予測・分析して最適の補修・補強時点を算出する予測システムを年内に開発する。 ⑩モノのインターネット、人工知能の活用などスマート管理システムの構築 モノのインターネット、人工知能などスマート技術を活用した施設物の安全点検で人材中心の限界を克服し、管理死角地帯の解消にも取り組む。代表的にウンピョン(恩平)共同溝に年内設置予定の軌道走行ロボットは、共同溝の天井に約2.4kmのレールを設置し、観測装置が24時間レールに乗って周り、熱の変化、温度、湿度、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素など内部状況をリアルタイムで収集し、本部の中央サーバーに転送する方式だ。 パク・ウォンスン(朴元淳)市長は、「地下施設物は一度事故が発生すると複合災害の原因となるため、徹底した予防活動と迅速な対応が何よりも重要だ」と述べ、また「ソウルの地下施設物の中で半分以上はソウル市以外の機関で管理しているため、ソウル市がコントロールタワーとなって統合管理し、各機関と協力してソウルの地下安全を構築する」と語った。
登録日投稿者SMG ヒット682