オ・セフン(呉世勲)市長、「庭園都市ソウル」の構想を発表…ソウルが365日緑色に染まる
日常の中で疲れた市民が、週末に長時間運転して市外へ出かけなくても元気をチャージできる安息の地であると同時に、多彩な楽しみどころによりレジャーを楽しめる都心の中の日常庭園が、季節を問わずソウル各地に設置される。 オ・セフン(呉世勲)市長は、ぎっしりと立ち並ぶ都心の灰色の建物を取り払って、365日ソウルのどこでも庭園と触れ合えるよう、グローバル庭園都市への転換を骨子とする「庭園都市、ソウル」の構想を発表した。 すでに発表している「グレートハンガン(漢江)プロジェクト」、「ソウルリング」、「都市・建築デザイン革新方案」などが、海外観光客3千万時代を本格的に牽引するためにソウルの多彩な魅力を発掘し満たしていくことを目的とする計画であるなら、この「庭園都市、ソウル」構想は、都心にぎっしりと立ち並ぶ灰色の建物を取り払い、空いた空間を市民が生活の中で楽しめる緑地生態空間に変えていくというオ・セフン(呉世勲)市長の市政哲学で、都市計画に先立つ「グリーン優先都市空間再編原則」を宣言するものと言える。 オ・セフン(呉世勲)市長は、去る5月9日(火)に、「庭園都市、ソウル」の構想のため、「2023スンチョン(順天)湾国際庭園博覧会」の現場を見学して、ソウルの空間構造を庭園と緑地中心に改編するにあたり、スンチョン(順天)の事例を参考にしていくと述べている。 最近、世界各国の都市では、地球温暖化と気候変化による猛暑・大雨、PM2.5(微小粒子状物質)発生などの自然災害に対応すると同時に、都市競争力の向上、未来社会への変化に対処するため、環境都市、グリーン都市、持続可能な都市への転換を宣言している。都市全体の70%を占める緑地を管理して、「世界の環境首都」と言われているドイツのフライブルク市、都内のすべての緑地空間の連結と拡張を試みて、「自然の中の都市(City in nature)」を標榜したシンガポールの事例が代表的だ。 ソウルもこれまで、このような都市パラダイムの変化に足並み揃えてグリーン都市へ転換するため、ポラメ公園の再整備、ノウル公園開園、北ソウル夢の森造成、スソンドン(水声洞)渓谷の復元など、大規模な移籍地、遊休空間に大型公園を設置することで、住宅、商業、道路によって灰色に染まっていたソウルの至る所を緑色に変えてきた。ソウルの公園面積は、2009年168.16㎢から2022年172.68㎢に、荒廃地復元など生活圏都市林は、2009年31.1㎢から2021年47.3㎢に増加した。 このような努力が実を結び、ソウルの公園率(28.53% / 2022年)と1人当たり都市公園面積(17.74㎡/ 2022年)に達したが、国立公園など外郭山林を除く「徒歩生活圏公園」の面積は、1人当たりわずか5.65㎡で、市民が体感できる生活圏公園には依然として及ばないのが現状だ。また、自然の中の憩いの場や見どころはいまだ不足し、週末になると多くの市民が家族一緒に渋滞をくぐり抜けてソウルを出て憩いの場を探さなければならず、交通費と費用の負担により、市民がレジャーを楽しむのは容易ではない。 * 徒歩生活圏公園:市民が歩いて気軽にアクセスできる公園で、プッカンサン(北漢山)国立公園、スラクサン(水落山)、クァナクサン(冠岳山)などの外郭山林は除く そこでソウル市は、「空ける」、「つなぐ」、「生態」、「感性」の4つの戦略をもって、「庭園都市、ソウル」を推進する。今回の「庭園都市、ソウル」の構想発表は、これまでのソウル市のさまざまな努力にも関わらず不足していた緑地空間を造成するため、ぎっしりと立ち並ぶ都心の中の灰色の建物の取り払いにスピードを上げて、断絶された緑地をつなぎ、自然と共存する生態公園を築き、ソウルの公園と余裕敷地を見つけて、感性ある庭園と文化施設の設置に重点を置いた。 まず、ぎっしり詰まった都心の空間を「空け」て、多彩な見どころ溢れる開かれた庭園を築く。「ソンヒョンドン(松峴洞)敷地」は多くの市民が楽しめる都心の中の特別な庭園として空けておき、「ヨンサン(龍山)公園」内には世界各国を代表する庭園の世界庭園を提案して、市民と共に築いていく「私が描いた庭園」を設置する。「マゴク(麻谷)3地区文化施設敷地」は、ソウル植物園と連携して季節ごとに野生花を植栽し、市民が訪れたくなるレジャー空間にする。また、地下化が推進されているヨンドンデロ(永東大路)、ククェデロ(国会大路)、キョンブ(京釜)高速国道の区間上部に庭園を設置して、休息空間を設ける。 次に、市民が近場でレジャー空間へ行けるよう、公園、緑地帯、散策路を「つなぐ」。ソウル全域に散らばっている断絶された緑地を連結・整備する大規模事業「ソウルチョロクギル(緑の道)」を、2026年まで合計2,063kmのグリーンネットワークとして構築する。8つのコースで構成され、ひと区間が長すぎてアクセスが困難だった「ソウルトゥルレギル」は、21コースに分けて短くて多彩な区間に造成し、市民の誰もが気軽に挑戦できるよう改善する。日陰がないため長時間とどまるのが困難だったソウル広場には、韓国人の選好度が高い松の森をつくり、追加の植栽を通じて木陰の森を造成する。 また、外郭の山、ハンガン(漢江)、近くの支川は、治山・治水を超えて本来の自然性を回復させ、ゆっくり休める「生態庭園」にしていく。このため、ナムサン(南山)野外森博物館を、ナムサン(南山)野外植物園の周辺に設置して、補償が完了した公園敷地には、荒廃地の植生を復元して、季節ごとに花を植栽して庭園に生まれ変わる。同時に、ハンガン(漢江)公園内に花の道、花畑などを設置して自然体験空間を築き、都心の河川を生態・レジャースポットにする「水の庭園」事業を通じて、2023年はプルグァンチョン(仏光川)、ムクトンチョン(墨洞川)など4か所に造成する。 最後に、ソウルの庭園が代表観光商品となれるよう、「感性」を込めて庭園博覧会などのコンテンツを開発し、老朽化した公園は特色あるスポットに再整備して、近郊の山のキャンプ場、休養林などのレジャー施設も拡充する。1週間にわたって開かれていた「ソウル庭園博覧会」を、2023年から2か月間にわたりワールドカップ公園のハヌル公園にて大幅拡大して開催し、2024年は有名海外作家との公募庭園など、ハイレベルな庭園を観られる「ソウル国際庭園博覧会」を、トゥクソム・ハンガン(漢江)公園にて、春から秋まで6か月間実施する。また、「庭園都市ソウル」への参加を希望する市民と企業のため、「私の木プロジェクト」を開始する。 このような「庭園都市ソウル」は、「空ける」、「つなぐ」、「生態」、「感性」の4つのコア戦略を中心に推進される。合計30個以上の事業のうち、各戦略における主要な事業は、以下の通りである。 <第一に、空ける – 都心の真ん中を空けて、都市の呼吸が芽吹く開かれた庭園で満たす!> 対外環境の変化に従って、都市の形を変えていく過程で発生する都心の中の空間を空けておき、余白と憩いの空間を満たしていく予定だ。 (ソンヒョンドン(松峴洞)敷地) 110年間歴史の息吹きを抱いて眠っていた土地が、2022年にようやく市民のもとへ帰ってきた。先日、オ・セフン(呉世勲)市長が多くの開発要望を退けて、イ・ゴンヒ(李健煕)美術館を除くいかなる施設も受け入れない原則を明かしたように、ソンヒョンドン(松峴洞)文化公園敷地(26,604㎡)は、多くの市民が楽しめる都心の中の特別な庭園として築く。 (ヨンサン(龍山)公園) 米軍が去り空いた状態のヨンサン(龍山)公園の2,426,748㎡の広々とした空間には、さまざまな国の代表庭園を楽しめる世界庭園を造成して、ヨンサン(龍山)公園とともに都心の庭園観光スポットを提案する。また、「国民の懐に」返す政府の方針と路線に従って、市民が直接手入れして参加する庭園を築く方案を、政府に建議する予定だ。 (マゴク(麻谷)3地区の文化施設敷地) ソウル植物園温室の横にあるマゴク(麻谷)813番地は、遊休地のままフェンスで囲まれ、周辺空間と断絶されていた。ここに、ソウル植物園の造園を連携させて、管理が容易な季節の草花と市民の休息庭園を設置・開発する計画だ。 (地下化した道路上部の公園化) ククェデロ(国会大路)、ヨンドンデロ(永東大路)、キョンブ(京釜)高速道路の立体化区間など、既存の道路を地下化して、その上部は建物を建てずに空けておき、公園と庭園を設置して、市民の憩いの空間に生まれ変わる予定だ。 <第二に、つなぐ – 断絶された緑地をつないで、すき間庭園、立体庭園を築き、ソウルのどこからでも5分以内に庭園へ行けるようにする。 > 部分的に散在する休息空間をつないで、不足する場所にはさらに築き、自宅近くから遠い外郭の山まで途切れることなくつながったグリーンレジャー空間を設置する。 (ソウルチョロクギル(緑の道)) 外郭のトゥルレギルと都心各地の低山に設置された裾道、公園、河川道、路地をきめ細かくつなぐことで、ソウル市民の誰もが5分内に花と木と触れ合え、各自の好みに合わせて好きな時に読書、生活体育、団体活動、森体験、トレッキングなど多彩なレジャー活動を楽しめるようになる。ソウル市は、286.6㎞を新規造成して、2026年までに2,063.4㎞のチョロクギルを完成させる。そして、山の下部には「スプチョンイ(村の近くの森を意味する韓国固有語)」を広く設置して、登山客たちが休んでいける場所を築き、広々と広がる季節の花群生地も造成して、憩いと見どころを提供する。河川など段差がある地形には、ミズキなどの傾斜型・立体型連結庭園を造成して、緑地と散歩道をつなぐ。このような既存のチョロクギル連携・整備事業以外のソウルチョロクギル試験造成事業は、対象地選定を経て下半期から本格的に推進する。 (ソウルトゥルレギル2.0) 意を決してコースにチャレンジしなければならなかったソウルトゥルレギルだが、既存の8コースから21コースに拡大して、誰でも気楽に挑戦できるようにする。そして、トゥルレギルコースの不便な場所を整備して、スカイウォーク、デッキ、展望台、休息施設を設置し、誰もが快適に楽しめるようにする。また、近場のスポット、伝統市場などの地域商圏と道をつないで、見どころ、グルメ、楽しみどころ満載のコースにする。地下鉄との連結区間は、既存の17か所から49か所に大幅拡大して、トゥルレギルへのアクセスや帰宅もさらに便利にする。 (国家象徴街路) 2021年6月、セジョンデロ交差点からソウル駅までの車道を縮小させ、歩道を拡大して豊かな街路緑地造成を完了し、2022年8月、クァンファムン(光化門)広場再構造化を終えて、さらに多くの市民が都心の街路公園とゆとりを楽しんでいる。今後、国家象徴街路造成事業を通じて、クァンファムン(光化門)からのノドゥルソム(ノドゥル島)(チョンワデ(青瓦台)-キョンボックン(景福宮)-セジョンデロ-ソウル駅-ハンガンデロ-ノドゥルソム(ノドゥル島)-ハンガン(漢江)南側)の約10㎞を、快適な木陰の道を歩いて、花と木に囲まれた憩いの空間で休み、周辺の歴史・文化空間へ気軽に行ける、ソウルで最も長い名品「街路庭園」にする。 (ソウル広場の森) 日差しが照りつけて憩い空間が不足していたソウル広場には、生い茂る松の森やベンチなどの休憩施設が設置され、涼しい木陰の下で読書や憩いを楽しめるようになる。また、歴史・文化の象徴性と歩行連携性を強化して、都心に活力を吹き込むソウルを代表する憩い空間を築く。 同時に、「グリーンウェイ事業」を通じて、トクスグンギルの片方の歩道に芝生道と造園・休息施設を設置して、都心の日常でさらに身近に緑地を散歩できる経験を提供する計画だ。 (立体庭園) 限られた空間を誰でも利用できるよう、「地下化」と「緑化」の2つの方法で公衆・平面・地下に、途絶えることなく日常のどこでもグリーン空間に触れられるようにする。屋上、壁面、高架下部、地下屋内にも空間の特色に合わせて大小のカスタマイズ型庭園を設置し、どこでも遊びと憩いを楽しめるようにする。特に、索漠とした地下駅舎の空間などに屋内の森を設置するソウルアレスプギル事業は、2026年までに3か所を設置して、民間屋上庭園設置及び開放事業は、2023年までに12か所、2026年までに48か所を設置する計画だ。 <第三に、生態 – ソウルのハンガン(漢江)、河川と近郊の山の自然環境を保全しつつ、多彩な自然景観を楽しめる生態庭園を設置する。> ソウル市が先に発表した「グレートハンガン(漢江)プロジェクト」、「水辺感性プロジェクト」が不足する施設の設置に焦点を当てている一方、「庭園都市ソウル」は、ハンガン(漢江)と支川、山の自然をありのままに感じて休息を楽しめる空間づくりに重点を置いている。 (ナムサン(南山)森博物館) 既存の山林自然環境の保全はもとより、休息文化と自然を抱く生態公園にアップグレードされる。ナムサン(南山)の山林資源と自然環境を利用して、全国の樹種を一度に見られる野外の森博物館が、ナムサン(南山)野外植物園周辺に造成される。そして、不便なため利用者が少なかったナムサン(南山)図書館~南側トゥルレギル~野外植物園にデッキ道を補完し、眺望スポットを設置して近接性を高めて、生態景観保護地域はさらに拡大させて、既存の松の森保全を強化する。 (生活密着型公園・庭園)... 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