ソウル市民の人生を変える「質の良い雇用」を創出します
2013年ソウル雇用総合計画発表 月日:2013年3月4日 会場:ソウル市庁ブリーフィングルーム ソウル市民の皆様。私は本日、この時代最大の難題を解決するためにこの場に立ちました。世界大恐慌の真っ只中の1932年、米国のルーズベルト大統領は経済を再建して雇用を創出し、貧困と不安の中にある国民を救済する政策を展開しました。その政策名は「忘れられた人々のためのニューディール」でした。ソウル市も失業の苦痛にうめく市民のために雇用総合対策を立てました。 まず、ソウル市の雇用の現状を見てみましょう。ソウル市の昨年の失業率は4.2%でした。体感失業率は11%を超えました。雇用率は59%と、仕事ができる人のほぼ半数が仕事に就けない状態です。 こうした状況から、社会的弱者が参加する公共労働の倍率が平均で3倍となり、ある自治区では100人以下の募集に数百人が応募する事態となりました。 若年層の雇用問題はより一層深刻です。一週間前に大学の卒業式がありました。ソウル市所在の大学を卒業する約9万 2千人のうち、就職できたのは半数に満たない4万 5千人だけです。一番仕事を学べる若い時期の失業は、その後も続く可能性が高いため、将来の社会的負担がそれだけ大きくなることを意味します。 今年は特に、経済成長率が2%台と予想され、雇用率も昨年10月から3カ月連続で減少しています。職がないのは、人生に赤信号がともったことを意味します。経済的な困難はもちろん、健康や教育、文化など各領域で生活の質が低下し、家庭崩壊につながる割合も高くなっています。 雇用は社会的人権であり、雇用こそ最高の福祉である理由がここにあります。ですからソウル市は、市民の暮らしを変える良い雇用を創出してまいります。 ソウル市は今年一年間、昨年よりも8.9%多い4,231億ウォンを投じて21万件の雇用をつくります。まず、公共雇用から革新します。従来の公共雇用予算(2,764億ウォン)の他に予備費210億ウォンを緊急追加投入し、「ソウル型ニューディール雇用」4,002件を提供します。公共雇用は雇用創出と都市サービスの増進という二つの目的を同時に達成しなければなりません。ところが、これまでの公共雇用はというと、一時的に仕事をするだけで、将来は保障されませんでした。単純労働なので技術を身につけることができず、経歴を積むこともできませんでした。目まぐるしく変化する世の中、この時代が必要とする雇用ではなかったのです。 ですから大きく変えました。「ソウル型ニューディール雇用」は、民間企業に就職する際にも経歴となり、市民のリスク要素を取り除き、福祉の死角を解消し、都市の安全に必要な公共雇用を発掘します。 ソウル型ニューディール、新しく生まれた公共雇用が具体的にどのようなものかご説明します。 若者の失業の苦痛を解消する公共雇用が提供されます。将来を担う若者たちは、これまでの基準ではなく未来を見据えて雇用を開拓しなければなりません。これまでの製造業や大企業中心の職業観から抜け出し、新しい経済、新しい雇用をつくるべきです。代表的な若者の公共雇用として「青年革新家」を挙げることができます。青年革新家は、社会的企業、町のコミュニティ、非営利団体で公益的な仕事をします。一人で遊ぶ子どもや帰宅時間の遅い生徒の安全に責任を持つ「登下校安心サポーター」も公共雇用として約200人採用します。 文化や歴史、建築などソウルの膨大な資料を調査して整理する「新択里志事業」でも「青年文化地理学者」という新しい雇用をつくり、若い人材を投入します。乳児を育てる母親や共稼ぎの夫婦に育児情報を提供し、地域の保育所などと連携してサービスを提供する「保育コーディネーター」も採用します。 今年からはもう歩者道ブロックの工事を無分別に行うことはありません。新たな職業が生まれるからです。歩道の舗装状態を調査・点検し、簡単な補修をする「歩道見張り番」 200人を採用し、不要な工事を事前にチェックします。 高齢者や特別な技術を持たない低所得層が参加するという公共雇用の特性から、単純労働や単発雇用が多いのが現実です。この問題の解決に向け、働く人と市民、そして仕事の成果をすべて満足させるシステムを構築します。参加者を対象にした職業訓練と支援を継続的に行い、民間雇用につながる土台にします。長期的・継続的に成果のある分野は市の継続事業に転換し、持続可能な雇用としていきます。 ソウル市の雇用対策のもう一つの軸は民間雇用です。「民間の質の良い職場」に就ける道筋を示します。正確な需要予測により、今後進出できる職業を分析し、現場中心の個々の特性に合わせた雇用教育を通じて就職と起業につながるようにします。 デジタル時代を迎え、民間雇用は今、一大革新を遂げています。労働集約型の第1・2次産業中心だった雇用はいつしか昔の話となり、今は創造知識型雇用が30年以上続く有望な雇用と予測されています。ソウル市はこうした有望な雇用への進出を総合的に支援する26のモデルを通じ、1万 1千人が民間の安定した職場に就けるようにします。 若者を対象にした代表的な雇用は、ソウル市の次世代の収入源と言えるMICE産業の専門家や個性あふれるデザインと職人のクォリティで勝負するシューズデザイナーなどで、そうした雇用に進出できる道筋をつくります。女性には繊細さと親しみやすさを生かす工芸家や結婚移住者の観光通訳ガイド、ユニバーサルデザイナーなど、高齢者には外国人観光客向けの都市民宿、シニア社会貢献リーダーなどの民間雇用に進出できる道筋をつくります。特に社会的弱者を対象に、単純かつ単発の職業教育ではなく、アプリ開発者や愛犬美容専門家など生涯の職業とするための専門的な教育の道筋を示し、雇用につなげていきます。 例えば、第2のジミー・チュウのような世界的シューズデザイナーを夢見る若者は、靴のデザイン・製作の専門教育を受け、オーディション形式の作品発表コンテストに参加できるようにします。大会入賞者には靴メーカーに就職できる機会を提供し、最大で3年間企業で働きながらハンドメイドの靴職人からマンツーマンで教育を受けられるようソウル市が支援します。起業を望む人には、投資・販路開拓の支援により安定的に起業できるようサポートし、5年以上の経歴を持つ人の中から専門家の審査を経てソウル市が準職人の認証を与え、継続的な支援や個人ブランドの立ち上げ、海外博覧会への参加などを支援します。 そのために、まず職業訓練のシステムを社会のトレンドに合わせて変えました。スタジオスクールや小規模集中教育を導入して企業のニーズに即した教育を実施し、履修後直ちに企業に投入できる、実際に企業が必要とする人材を育てるのです。 起業支援を拡大し、活発な起業の雰囲気をつくります。ソウル市は昨年よりも1.7倍多い2,770チームを選抜し、集中的に起業インキュベーションを実施します。起業初期だけでなく起業から3年経過して安定期に入るまで、仮に失敗しても教育・コンサルティングなどを通じて再起を支えるなど、開業初期、跳躍期、安定期の各段階ごとの支援を拡大します。 これからは雇用に対する発想を根本的に変えなければなりません。私は市長になる前に『世の中を変える千の職業』という本を出し、新しい発想による雇用を提案しました。雇用に対する新しい認識で社会的価値を実現する代案的雇用4,460件を発掘します。ソウル市は、公共分野や大企業だけを好む視野の狭い職業観による失敗を減らし、社会的価値を実現する持続可能な雇用創出を目指します。 協同組合のエコシステムを構築し、社会的企業の各成長段階に合わせた支援を行い、町の企業を各段階ごとに育成することで価値のある持続可能な雇用を創出します。 ただ今ご説明した公共雇用の提供や民間雇用に進むための支援といった財政支援による雇用事業の他にも、5兆6千億ウォンに上る公共工事の発注や3兆6千億ウォンに上る公共購買、6兆ウォンに上る福祉予算などを執行する際も、雇用を最も重要な判断基準とします。 ソウル市は、すべての事業計画を策定する際に、雇用創出の規模と内訳、直接か派生か、関連分野における雇用創出を分析し、これを政策決定の判断基準とする雇用創出影響評価を義務づけます。民間企業と契約する際は、雇用を多く創出した企業を優遇します。また、公共購買の際も、社会的配慮企業の製品を優先的に購入し、購買を通じて雇用創出を後押しします。 他にも、雇用の質を改善して良い職場をつくります。引き続き非正規雇用を正規雇用に転換し、弱い立場にいる労働者の福祉増進に向け、労働監督システムの構築と被害者の権利救済を行います。5月には労働権利宣言を、7月には労働権保護条例を制定する計画です。 雇用創出は容易ではありません。しかし、挑戦します。市民の苦痛と不安を払拭する雇用政策を示します。 本日の記者説明会から始まるソウル市の雇用対策は「To Be Continued」です。本日からソウル市のすべての政策は雇用が最優先です。 このように、今年の雇用政策がひと目でわかります。ソウル市の雇用対策がひと目でわかるようにしました。 2013年は4,231億ウォンの予算を投じ、20万9,080件の雇用創出を目標に取り組みます。 第一に、現在苦しんでいる市民のための公共雇用に9万3,928件。今年新設したソウル型ニューディールや公共部門採用、公共労働型、福祉文化サービスなどで公共雇用を提供します。 第二に、民間雇用の就職・起業支援に11万5152件。今年新設した民間雇用プロセスや社会的経済雇用、職業訓練、起業支援などを通じ、民間雇用市場への進出を支援します。 そして直接的な財政支援による雇用事業の他にも、雇用拡大に向けた基盤づくりや雇用を後押しする公共購買、雇用影響評価、雇用拡大に向けた官民協力、新しい雇用領域の発掘、良い職場づくりといった雇用の基盤となる政策を通じて雇用創出の基盤を構築する計画です。
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