2012年のソウルにおける微小粒子状物質の大気中濃度が5年連続で最低値を更新
ソウルにおける微小粒子状物質の2012年の平均濃度が、観測を始めた1995年以来の最低値であることが明らかになった。1995年にはじめて観測した時には78㎍/㎥であったが、2012年には41㎍/㎥へと減少した。その差は37㎍/㎥である。観測当初は増減を繰り返していた微小粒子状物質の濃度は、2007年の61㎍/㎥を境に5年連続で最低値を更新している。 ○ 微小粒子状物質の濃度:78㎍/㎥(1995)→61㎍/㎥(2007)→41㎍/㎥(2012) ○ 視認距離の良さ(20km 以上):76日(2007)→274日(2012) ○ 大気中の物質の少ない日数(30㎍/㎥ 以下):66日(2007)→130日(2012) ○ 大気中の物質の多い日数(100㎍/㎥ 超過):49日(2007)→5日(2012) ソウル市は、上記の内容を盛り込んだ「2012年ソウル大気中物質評価報告書」を7月23日(火)に発表した。同時に、誰でも情報に簡単にアクセスできるよう、ソウル市大気環境情報のサイト(http://cleanair.seoul.go.kr)にも掲載を行った。「ソウル大気物質評価報告書」は、保健環境研究院が客観的なデータに基づいて毎年作成しているもので、国家記録院やソウル図書館などに配布されている。しかし、ウェブサイトに掲載するのは今回が初めてである。 ソウル市は大気中の物質を削減するために様々な活動を行っている。例えば、道路の大気浮遊塵の吸入や水を用いた清掃、工事現場における集塵管理、ディーゼル車の低公害化、市内バスや清掃車両などの天然ガス(CNG)化、などが挙げられる。この他にも、とくにソウル市は、建物部門において窒素酸化物の27%を排出しているという事実があるため、低NOxバーナーの普及を重点的に行っている。このバーナーは、CO2排出量の削減のために開発されたもので、中小の事業所の建物のボイラーに用いられるものである。さらに、根本的な削減を目指すために、家庭で用いられている中・小型のボイラーの窒素酸化物(NOx)の排出基準を明示するよう、国の環境部に提案も行っている。 この他、大型貨物車・通勤バスなどには微小粒子状物質と窒素酸化物(PM-NOx)の両方を削減可能な装置を取り付ける。老朽化した建設機械についても同様に装置の改造・交換をする。これによって、2014年までに、1,150台に装置が試験的に装着され、2015年からはさらなる装着の拡大を目指す計画である。
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