ソウル市、アリスの生産効率を高める新技術を開発
アリスの生産過程において、二酸化炭素とオゾンを水に効率よく混合する装置を開発 デジタル実験により、水の流れと強さを分析し、高効率な装置の最適な位置を選定したほか、効果も検証 ソウル市は、アリスの生産過程で水道水の品質向上において重要となる二酸化炭素とオゾンを水に効率よく混合する新技術を開発したと発表した。 この新技術を適用することで、水を濁らせたり、味・においを誘発する物質を効果的に除去し、水道水の品質を向上させることができると市は語った。 まず、二酸化炭素を水中に効率よく溶かす技術は、従来の単一注入方式から6つのノズルで水に均等に噴射できるよう改善した。また、二酸化炭素の注入位置も、従来は着水井の前方だったものを、水の流れる勢いは後方の方が強いことが判明したため、後方に変更した。 ※ 着水井:浄水処理のため原水を一度貯蔵して安定化させ、次の処理施設に供給する水の量を調節するための施設 (従来)▲ 単一注入方式 (改良策)▲ 噴射ノズル設計 (現場適用)▲ 高効率二酸化炭素設備 ソウル水研究院は、着水井の後方に新型の二酸化炭素混合装置を設置したところ、従来の注入方式に比べ二酸化炭素が水中に溶けだす比率が20%以上高まったと発表した。 次に、オゾンを水中に効率よく混合する技術であるが、格子状になっている3段混和ネットをオゾン接触槽の前段に設置し、水が混和ネットを通過する際に水の勢いを大幅に変化させることで、水とオゾンが均一に混合するようにしたものである。 (アイデア図)▲ 混和装置最適設計 (デジタルシミュレーション)▲ 水の勢い及び強さの分析 (現場適用)▲ 高効率オゾン混和装置 ソウル水研究院は、高効率なオゾン混和装置の適用効果を分析した結果、従来の混和率は65%であったが、改善後は71%まで上昇するものと確認した。米国環境保護庁(EPA)のマニュアルによると、混和率が70%以上である場合、性能が優れていると認定を得ることができる。 一方、ソウル水研究院は、新技術を適用するに最適な位置を探し、性能分析を行うため、仮想上で水の流れの速さと勢いの変化を予想することができるデジタルシミュレーション技術を活用した。デジタルシミュレーション技術は模擬試験を行うことができるため試行錯誤の回数を減らし、技術開発にかかる時間と費用を節約することができる。 ▲ 二酸化炭素(赤)の流れの分布デジタルシミュレーション画面 ▲ オゾン混和装置の流れの分布デジタルシミュレーション画面 ソウル市は、技術の独創性を広くアピールすべく、現在特許出願を検討中であると発表した。
登録日投稿者SMG ヒット1,165