2013年「ソウル市環境賞」大賞に、環境に優しい文化の定着に寄与している「タッチ・フォー・グッド(Touch 4 good)」が選ばれた。「タッチ・フォー・グッド」は、20代から30代の若者によって興された企業である。使い捨てられた横断幕などの廃材をアップサイクリングすることで、若者に人気の高い斬新なデザインの商品やエコ袋畑などのアイデアを生み出し、リサイクルを活性化することに成功している。また、子どもを対象にした、ソウルに最適の都市型環境教育に積極的に取り組んでいる。このような活動が認められ、今回の受賞となった。
ソウル市はこれまで、環境分野において静かな変化をもたらしてきた素晴らしい功労者を何人も発掘してきている。これは、環境・エネルギー関連団体や各自治区などに候補者の推薦を積極的に呼び掛け、また、専門家やマスコミ関係者などから候補者・候補団体を推薦してもらうことで発掘している。ソウル市が積極的に取り組んだ結果、本年は、2008年以来最多の 96 の候補者(団体)が受け付けられた。
ソウル市は、公正かつ客観的に受賞者を選ぶため、ソウル市の監査官や環境・エネルギーの専門機関に依頼して、徹底した検証を行った。公的審査委員会の厳しい審査を経た後、最終的に 21 の個人・団体が2013年ソウル市環境賞の受賞者として選定された。
ソウル市環境賞は、大賞・最優秀賞、優秀賞に分けられている。また、最優秀賞・優秀賞は、5つに分けられた分野ごとに選定される。
最優秀賞に選ばれたのは、5 受賞者(団体)である。1つ目のエコ技術分野からは、自然環境の復元技術を開発した「(株)エコトップ」が選ばれた。2つ目の省エネ分野からは、太陽光発電所の建設に努めているパク・スンオク氏(ソウル市民太陽光発電協同組合の理事長)が選定された。3つ目の環境保全分野からは、環境ミュージカル公演により子どもたちの環境保全の意識を高めるのに成果を挙げている「劇団空飛ぶ車」が選ばれた。4つ目の造園生態分野からは、道峰区(トボング)倉洞(チャンドン)山(サン)157番地一帯において、住民参加型公園造成計画をたてた「ユリム造園技能士事務所」が選ばれた。5つめの緑のまち分野からは、低所得層が集中して居住する街で、人々に共同体意識を持たせ、活気溢れるまちに変えた「緑のelpis」が選ばれた。
優秀賞は計 15 の受賞者(団体)が選定された。エコ技術分野から3、省エネ分野から3、環境保全分野から4、造園生態分野から3、緑のまち分野から2の受賞者(団体)が選ばれた。
ソウル市環境賞の授賞式は、クールビズ&扇ファッションショーと並行して行われ、受賞者・受賞団体だけでなく、受賞者の家族や一般市民、団体、企業の関係者など約500人が参加する中でとり行われた。環境保全と省エネへの市民参加を呼びかけるきっかけとなる文化行事となった。