ソウル市は、11月11日(月)~12日(火)ソウル市庁(8階多目的ホール)で、「UAM・ドローン・AI新技術協力コンファレンス」を開催した。11日(月)ソウル市のオ・セフン市長が基調講演を務め、UAM路線など、具体的なロードマップが盛り込まれた「ソウル型都心航空モビリティ(S-UAM)未来ビジョン」を発表した。
今回のビジョンには、韓国型都心航空モビリティ(K-UAMロードマップ)・2040ソウル都市基本計画を中心に、ソウル全域に都心航空モビリティを構築、「3次元立体交通都市」を目指す計画が盛り込まれた。
ソウル型都心航空モビリティ(S-UAM)の強み
※ 地下鉄(11の路線·337の駅)、バス(378の路線·6,608のバス停)
市は、▴UAMの安全性の確保 ▴公共交通機関との連携で3次元立体交通体系の構築 ▴ビジネスモデルなどグローバル競争力の確保 ▴エコフレンドリー・持続可能な未来交通リードを目標に、「ソウル型都心航空モビリティ(S-UAM)未来ビジョン」を完成していく方針。
まず、市は、UAM運航に欠かせない施設であるステーション「バーティポート」施設を段階的に確保し、交通連携性を高める。市は、テストと初期段階の運行のために2030年までに汝矣島・水西・蚕室・金浦空港の4カ所に主要施設を構築する予定だ。
市は、開発計画、連携交通体系などを考慮し、約500カ所の敷地を検討し、1次的にステーション用の敷地約30カ所を選定した。バーティハブ(大型)、バーティポート(拠点)、バーティストップ(小型)、規模別に分け、長期的な観点で路線の連携性を高められるようにした。
運航路線は、段階別の活性化させる時期により「実証~初期~成長~成熟」の4段階に分けて構想。実証機関である来年の上半期KINTEX(高陽)~金浦空港~汝矣島公園・蚕室~水西駅、2つの区間を対象に実証を実施し、機体、運航管制など全般的な安全性を検証する。
特に、「初期商用化段階(2025~2030年)」には、汝矣島でテスト運航を始める予定。金浦空港~汝矣島~蚕室~水西など、漢江の全区間を巡回することになる。金浦空港のバーティポートと連携し、ビジネス向けの需要だけでなく、観光・医療向けの路線としても活用する見通しだ。
2030~2035年は、漢江と4大支川を繋ぎ、首都圏を網羅する広域路線が構築され、事業の成熟期に入る2035年以降には、主な都心を繋ぐ幹線体系およびオンデマンド路線が完成すると予想される。
広域路線には、上岩・加山・光化門・往十里・上鳳など中間拠点のステーションが加わり、都心と住居地域など生活圏がつながれ、京畿・仁川空港との連携性も向上する見込みだ。
UAMネットワークの完成段階には、新道林・江南・水踰・麻浦など交通の需要が高い地域をさらにきめ細かくつなぎ、UAMが「公共交通」の役割を担う時代が開かれる予定だ。
ソウル型UAMの体系が完成すれば、地上と地下にとどまっていた従来の交通手段を超え、「3次元立体交通」のサービスが実現され、都市間の廉潔性が画期的に改善、空間的限界を乗り終える「メガシティ」時代が開かれると期待される。
例えば、公共交通や車で約1時間かかる板橋~光化門駅の25㎞区間を、UAMでは約15分で移動でき、蚕室~仁川空港も25分で行けるようになる。
首都圏内における画期的な移動時間の短縮により、年間約2.2兆ウォンの経済的効果が見込まれ、首都圏の輸送市場の規模も拡大し、年間約4兆ウォン、ソウル市内におけるバーティポートの構築で約1.2兆ウォンなど莫大な経済効果が期待される。
市は、2025年から実証を実施し、2040年にUAMネットワークを完成させる目標を達成するための官・民・学産業生態系の構築に取り組んでいる。市は特に、今回のコンファレンスを皮切りに、陸軍と「ソウル型UAM導入」初期段階から空域の管理、非常時の対応体制サポートなど、安定的な運航のために協力し続ける計画だ。
ソウル市のオ・セフン市長は、「ソウルの空に新しい道を切り開く『ソウル型UAM未来ビジョン』を通じて、都心における移動の自由がもはや構想ではなく『現実』になる」とし、「ソウルが世界的な3次元立体交通都市へと躍進を遂げられるように、市と陸軍が協力し、互いの経験と技術力を集め、安全かつ効率的な未来交通環境を築いていきたい」と述べた。