- 観光客が初めて降り立つ仁川・金浦空港の取締りを週2回以上、昼・夜間に拡大
- 警察、空港と情報共有…3回以上違反したタクシーは無期限で空港出入り禁止
- 違法行為頻発地域でタクシーと運輸事業従事者の履歴をDB化、体系的な取締りを実施
- 外国語が堪能な公務員を19人に増員…観光客に扮した職員による覆面調査など多様な取締り実施
- 処分権を市が回収後(2017年3月)強硬処分へ、2018年は計21件の資格取消
外国人観光客2千万人時代を前に、ソウル市が外国人を狙った不当な料金請求、いわゆる「ぼったくり」などの違法行為を行うタクシーに対する取締りを強化する。
特に、外国人観光客が初めて降り立つ仁川・金浦空港での取締り回数を、月1回から週2回以上の昼・夜間へと大幅に拡大し、ソウル地方警察庁(観光警察隊)、韓国空港公社などと違法行為が疑われるタクシー情報を事前に共有し、実効性のある取締りを行う。
ソウル市は、仁川空港と協業し、外国人観光客に対して不当に料金を請求した車両の立ち入りを制限している。一度でも行政処分を受けると60日間仁川空港内での営業を禁止し、3回目からは無期限で立ち入りを禁止する。
また、過去3年間の取締り資料をもとに、観光客を狙った違法行為の頻発地域と摘発履歴のあるタクシー、違法行為を行った運輸事業従事者のデータベースを構築の上、脆弱地域を選定し、違法行為の種類別に体系的な取締りを実施する。
特に、5月と10月は、中国の労働節や国慶節の連休、日本のゴールデンウィークなどでソウルを訪れる外国人観光客が多く、百貨店、観光地、宿泊施設などを中心に、先制的に特別取締りを行う予定。
今年2月には、外国語が堪能な専門職員を11人から19人(中国語8人、日本語6人、英語4人、ベトナム語1人)に増員した。言葉の壁を解消することはもちろん、職員を適材適所に配置することで、日増しに巧妙になる手口に多角的に対応している。
最近では、明洞や東大門など、観光客が多数訪れる地域で常習的にぼったくりを繰り返しては、取締り班の監視から逃れるために、乗客をホテルの正門ではなく、後門や向かい側の道路に降ろし素早くその場を去るという、巧妙なやり口も見られる。
有効な取締りのために、市はタクシーを利用した外国人観光客にインタビューを行う方法や、待ち伏せ取締りのほか、職員が実際に外国人観光客に扮してタクシーを利用するミステリーショッパー(覆面調査)も取り入れている。
不当料金請求に対する処分もより厳しくなった。2017年3月、自治区から処分権を回収したソウル市が、同年6月、「ぼったくり三振アウト制度」を実施(2016年2月)して以来、国内で初めてタクシー運転者の資格取消処分を下した。2018年末までの資格取消件数は、計21件に及ぶ。
一方、昨年一年間で、外国人観光客を狙った違法行為で摘発された310件のうち、不当料金請求(ぼったくり)は301件で、全体の97%を占めた。不当料金請求では、外国人が判断しにくい市界(市外)割増を利用した手口が最も多かった。
【タクシーの違法行為別取締り件数(2018年)】
タクシーの違法行為別取締り件数(2018年)
不当料金請求301件 |
不当料金ほか |
市界割増 |
メーター未使用 |
その他 |
9件 領収書未発行、乗車拒否など |
91件 |
36件 |
174件 |
310件 |
※その他:呼出料金を含めた料金請求、メーター料金以外の追加料金請求、近距離の迂回運行など
不当料金請求により摘発されたタクシー運転者は、「タクシー運送事業の発展に関する法律および施行令・施行規則」に従い、1回目の違反で過怠料20万ウォンと警告の併科処分、3回の違反で過怠料60万ウォンと資格取消を命じられる三振アウト制度が適用される。
ソウル市交通指導課のオ・ジョンボム課長は、「ソウルを訪れる外国人観光客が増加の一途を辿っているが、未だタクシーの違法行為が横行している」とし「グローバル都市としての地位を守り評価を高めるためにも、外国人観光客が気持ちよく交通機関を利用できるよう、タクシーの違法行為を徹底的に取り締まっていきたい」と話す。
2018年の主な違反事例
2018年の主な違反事例
① |
外国人観光客を乗せて宿泊施設⇔仁川・金浦国際空港間を運行中、自動で入力される深夜割増とは別に、ボタンによって作動する市界割増ボタンを押し、メーター料金のほかに20%の追加料金を請求する事例(仁川・金浦空港はソウル市など6つの地域の共同事業区域のため、ソウルの市界から出ても割増料金は適用されない) |
② |
宿泊施設⇔免税店、ショッピングモール、観光地などを運行中、メーターを使用せず10,000ウォン~40,000ウォンの料金を任意で入力し請求する事例 |
③ |
最近増えている手口では、タクシーを呼び出していないにもかかわらず、運転手が呼出料金ボタンを押し、乗客に1,000~2,000ウォンを上乗せして請求する事例など |