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交通

  • 600年の古都、ソウルの歴史を歩く

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    [ソウル都心の中の遊歩道]

    • 首都600年の歴史を語る都心の遊歩道
    • イウムギル、イェップンギョンギル、ヌルチョンチュンギル、チョンゲムルギルの5つのルート、合計25.4㎞、年内に整備
    • 遊歩道には「ソウル空色」と「歩く都市、ソウル」BIを表示し歩行のランドマークに
    • 遊歩道の主なストーリーテリングポイントで、QRコードによる外国語案内ウェブサイト・アプリ連動

    米国ジョージ・ワシントン大学の都市不動産分析センターは、数年前「歩行者にやさしい都市ほど、1人当たりの国内総生産(GDP)と大学の進学率が圧倒的に高い」という研究結果を発表した。また、歩行者にやさしい都市では、市民の肥満率が低いという報告もある。このように、各国が歩行者にやさしい都市づくりのための多様な行政運営に注力する中、ニューヨーク市は、秋の情趣を満喫できるウォーキングツアーを通じてニューヨーク市内を観光する新しいウォーキングツアーコースを開発した。例えば、ニューヨークで話題の食べ歩きツアーであるフードオンフットツアー(Food on Foot Tours)は、3時間半から最大5時間かけて、マンハッタンのフラットアイアン地区の6つの美味しいレストランや、ブルックリンのウィリアムズバーグ(Wiliamsburg)にある約7か所のこじゃれた商店を巡りながら、食べて学べるツアーである。さらに、ニューヨークは世界で最も歩行者にやさしい都市を表明し、趣のある秋の風景を背景に、ニューヨークの観光名所を徒歩で楽しめる都市づくりに取り組んでいる。

    ソウルの歴史を垣間見られる都心散策

    米国のニューヨークと同じく、韓国のソウルもウォーキングツアーにうってつけの場所として取り上げられている。昔は少し古臭いイメージがあったソウルの路地や森路が、近年ホットスポットとして浮上し、国内外から多くの観光客が押し寄せている。しかし、ソウルはずいぶん前から歩きたくなる街づくりのための方法を模索し、都市再生に傾注してきた。

    特にソウルは、「新しい都市ブランド」構築の一環として、歩きやすい都市づくりに積極的に乗り出しており、特に王城2千年(A.D18年の百済温祖大王時代)の歴史をもつ都市として、また朝鮮王朝時代の漢城から600年間続いた首都として、その歴史や文化を生かした遊歩道づくりに集中してきた。 そのうち「近代遺産1番地」とも呼ばれる貞洞(チョンドン)は、米国公使館の建設を機に西洋の外交街に変貌を遂げ、それ以降協会や教育施設、医療施設が立ち並んだ。1970年代のデートスポットの代名詞になった貞洞路は、1998年にアスファルト舗装が取り除かれ、「歩きたい道」として注目を浴びるようになった。

    貞洞路 仁寺洞(インサドン)
     

    また、韓国を代表する伝統的文化の街として取り上げられる仁寺洞は、2002年韓国初の「文化地区」に指定され、外国人観光客が絶えず訪れる名所である。

    朝鮮王朝時代の道や路地が最も美しく保存されている「西村(ソチョン)」は、昔から中人(朝鮮王朝時代、両班と平民の間の身分で、医者や外国語の通訳などの業務に従事した)や芸術家が多く住んでいたところで、街や路地の保存状態が良好であるため、500年前の町並みを感じることができる。

    一方で、江南の狎鴎亭(アプクジョン)や弘大に並び立つ「梨泰院(イテウォン)」は、多様な文化が共存する地域で、ここでは韓国語と英語だけでなく日本語、中国語はもちろん、中東の言語も聞こえてくる。特に、最近最も人気を集めている梨泰院の経理団(キョンリダン)通りは、メインストリートを中心に世界各国の料理を味わえる小さな店が立ち並んでおり、ソウルの中にある小さな地球を体験することができる。

    600年の歴史が息づく首都ソウルの遊歩道

    このように、ソウルには過去、現在そして未来を感じられる「ギル(路)」が存在する。特に600年の歴史を誇る首都には様々な物語が秘められており、その歴史や文化を生かすために5つのコース、合計25.4㎞の遊歩道を開発した。ソウルを一周する「ソウル・トゥルレギル(157㎞)」やソウルの城の跡地を巡る漢陽(ハニャン)都城(18.6㎞)のようなテーマ・歴史の遊歩道と、ソウル春花道やソウル紅葉道のような季節ごとに楽しめる遊歩道を設けている。しかし、市民や観光客が集中している都心には代表的な遊歩道が不足しており、これら5つのコースを「歩く都市、ソウル」を代表するランドマークとして位置づける計画だ。

    漢陽都城に沿って歩いている市民
     

    5つのコースは、 ①イウムギル(つながりの道):循環ルート/9.5㎞ ②イェップンギョンギル(昔の風景の道):臥竜(ワリョン)公園~雲峴宮(ウニョングン)~退渓路2街の交差点/4.5㎞ ③ヌルチョンチュンギル(いつも青春の道):恵化門~東大入口/3.8㎞ ④チョンノウンジョンギル(鐘路雲従の道):西大門駅~鍾路~東大門/4㎞ ⑤チョンゲムルギル(清渓水の道):旧国税庁別館~清渓川路~DDP/3.6㎞

    歩いて楽しむソウル四大門内の25㎞の遊歩道

    イウムギルの一部区間
     

    「イウムギル」は、2017年に遊歩道として変貌を遂げるソウル駅高架と共に新しい散歩の名所として生まれ変わる予定の、近代交通の中心でありソウルの玄関だった「ソウル駅」から始まる。そして大韓帝国時代を含めて様々な近代・現代建築が見られる「貞洞」を通り、「仁寺洞」と「興仁之門(フンインジムン)」、そして明洞を経由して再びソウル駅に戻ってくるコースからなる、5つの道のうち唯一の循環ルートである。「イェップンギョンギル」は、臥竜公園から出発し雲峴宮を経て、退渓路2街の交差点まで続くルートで、ゆっくりと見て回りながら昔の趣を満喫できるため、市民からの人気も高い。

    「ヌルチョンチュンギル」は、日本統治時代になくなり1992年に漢陽都城の一部として修復された「恵化門」から始まり、韓国の代表的な文化芸術の町である「大学路(テハンノ)」、ファッション特区である「東大門市場」につながるルートで、若い世代やその時代を表す「青春」にちなんで名付けられた。 「鐘路雲従の道」は、西大門駅からスタートし、鐘路一帯を通るルートで、この一帯が「人が雲のように集まる」という意味の「雲從(ウンジョン)街)と呼ばれたことからこの名前がつけられた。 「チョンゲムルギル」は、旧国税庁敷地を経由し、国内初の住商複合建物であり再生プロジェクトの進行が真っ最中の「セウン商店街」へ続く道で、復元された清渓川に沿って歩ける道だ。

    ソウル空色で開かれる遊歩道

    歩く都市、ソウル
     

    これらの都心の遊歩道には、誰が見ても一目でわかるように統一した色「ソウル空色」を使用する。「ソウル空色」は、ソウルの代表色10色のうちのひとつで、ソウルブランドに使われた空色と同じ色を用いることでブランド間の統一性を高める。従来道路・歩道施設には使われたことのない色であるだけに、「都心の遊歩道」をより際立たせる効果が期待される。

    地面には「歩く都市、ソウル」のBI(ブランドアイデンティティ)を活用した路面表示をルートの開始・終了地点と100m間隔ごとに置き、その場所にまつわる説明が書かれたポイント(ストーリーテリングポイント)に設置することで、歩行者の目に止まるようにする計画。

    一方、これらの遊歩道は、ブランド広報だけに集中するのではなく、場所の特性やその場所にまつわる物語を知れるようストーリーテリングを際立たせる方針だ。例えば、ソウル旧庁舎や旧国会議事堂、六曹(ユクジョ)跡地、高宗即位40周年記念碑など、歴史文化の地点には案内表示板を設置・再整備し、該当地点の歴史について理解しやすい形式で表示する。

    また、「遊」歩道であるだけに、歩くとき不便を感じないよう横断歩道を新設したり位置を改善することはもちろん、歩行に不便をきたす支障物を除去・移動させる。さらに、点字ブロック、ボラード、雨水ますなどの不適合箇所を整備し、歩行の安全性と便宜性を向上させる計画だ。

    外国人観光客も気軽に楽しめる散歩旅

    併せて観光客など外国人も「都心の遊歩道」を無理なく楽しめるよう、ソウル市公式観光ホームページ(www.visitseoul.net)とアプリ(I tour seoul)で英語、中国語、日本語などの外国語サービス(文字、音声)を提供する計画。またそのため、歴史的背景などの説明が書かれたメインストーリーテリングポイントで、該当ウェブサイトやアプリにすぐアクセスできるQRコードを表示する予定。今後ソウル旅行の計画を立てる際は、徒歩観光は必須コースとして入れること。一歩一歩歩きながら「ソウル」という本に描かれた物語を思う存分吟味できる充実した時間を過ごせるだろう。

北村、 このように変わります北村は住居地域です観光客の立入制限