ソウル市保健環境研究院(以下「研究院」)の2024年ハンガン(漢江)水質調査の結果、主な水質指標が3年連続で改善傾向にあり、ハンガン(漢江)がますますきれいになっていることが分かった。
特に、溶存酸素量(DO)の増加に伴い生態系の健全性が回復しており、水質汚染の主な指標である全窒素(TN)と全リン(TP)の濃度は減少し、ハンガン(漢江)の水質が清浄に近い状態にあると分析された。
○ 環境政策基本法の河川生活環境基準に基づく2024年のハンガン(漢江)水質評価では、溶存酸素(DO)指標で「非常に良い」、総有機炭素(TOC)指標で「良い」、全リン(TP)指標で「やや良い」という結果が示された。
※ ハンガン(漢江)の主な水質指標の変化(2022~2024年)
溶存酸素(DO):9.5㎎/L → 9.9㎎/L → 10.4㎎/L (増加)
全窒素(TN):3.684㎎/L → 3.506㎎/L → 3.133㎎/L (減少)
全リン(TP):0.071㎎/L → 0.068㎎/L → 0.061㎎/L (減少)
* 溶存酸素(Dissolved oxygen, DO):水中に溶けている酸素の量、数値が高いほど水がきれいであることを示す
全窒素(Total Nitrogen, TN):水中に含まれる窒素の総量、水質汚染の原因の一つで数値が低いほど水がきれいであることを示す
全リン(Total Phosphors, TP):水中に含まれるリンの総量、水質汚染の原因の一つで数値が低いほど水がきれいであることを示す
○ 溶存酸素量(DO)はハンガン(漢江)内の生態系を活性化して水中生物の生息環境を改善する上で重要な要素であり、ハンガン(漢江)の溶存酸素量は2024年平均が10.4mg/Lで、これは河川水質基準の最高等級(DO 7.5mg/L以上)に該当する。
○ 一方、水質汚染の主な指標である全窒素(TN)と全リン(TP)の濃度が低下したということは、汚染物質の流入が減少したことを意味する。
2024年にはソウルの年平均気温がこの10年間で最も高く、水温も3年連続で上昇したにもかかわらず、下水処理施設の改善やリアルタイム水質管理政策の成果により、ハンガン(漢江)の水質はむしろ改善された。
研究院はハンガン(漢江)水質リアルタイム監視システムを構築し、水質自動測定所で溶存酸素など計16項目の水質指標を24時間リアルタイムに測定、開かれたデータ広場(韓国語、https://data.seoul.go.kr/dataList/OA-15488/S/1/datasetView.do)にハンガン(漢江)の水質情報を直ちに掲載することで、市民がハンガン(漢江)の水質変化を直接確認できるようにしている。
特に、研究院は近々始まるハンガン(漢江)バスの正式運航や「第2回のんびりハンガン(漢江)トライアスロン祭り」開催の前に追加の水質検査を先行して行う。「のんびりハンガン(漢江)トライアスロン祭り」は昨年合計63万人が訪れるほど大人気を博した大規模イベントなだけに、事前・事後にハンガン(漢江)の水質管理を徹底し、市民が安全かつきれいな環境でハンガン(漢江)を楽しめるようにする方針だ。
ソウル市は市民が安心できる水環境づくりに努めており、2023年3月にハンガン(漢江)の自然性回復と水辺生態系の復元に向けた「グレートハンガン(漢江)」プロジェクトを発表し、ハンガン(漢江)を自然にやさしい空間にしようと一層の努力を注いでいる。