海外在住のデザイン専門家や専攻学生など、都市デザインに関心の高い「デザインリポーター」の活躍が今年も期待される。「デザインリポーター」は、海外の様々な都市における公共デザインの優れた事例をリアルタイムに収集し、ソウル市の各種施設やサービス、文化・芸術分野に取り入れてソウル市民の生活をより豊かで魅力的なものにするという趣旨から始まった。
ソウルデザイン財団は、今年も世界各国で活動する「2024ソウルデザインリポーター」を募集すると発表した。「ソウルデザインリポーター」は、デザインを専攻した、またはデザイン分野に関心のある海外在住韓国人の中から選ばれ、世界の優れたデザイン政策の事例を集めてソウルに送り、ソウルのデザインを世界中に広める役割を果たす。
ソウルデザインリポーターは2023年に始まったソウルデザイン財団のデザイン情報収集・拡散事業で、海外の都市で成功している公共デザイン政策の事例情報を収集する。ソウル市は、海外のデザイン事例を公共施設や公共サービス、文化・芸術などの分野に取り入れ、市民生活の質の向上を図る計画である。
特に「2023ソウルデザインリポーター」がそれまでのリポーター事業と異なるのは、報告書とあわせて発掘した事例を1人のリポーターが紹介する映像も送ってきた点である。直接現地に行かなくても、世界中の優れたデザイン事例に触れることができる。
2023年に発掘された優秀事例としては、ソ・ジョンエさんの「フィンランド・ヘルシンキにおけるプレイパーク(Leikkipuisto)のデザイン」、キム・ヒスさんの「中国・深圳市の携帯電話と連携して海岸遊歩道をランニングトラックとして活用する深圳湾スマートグリーンウェイ」、キム・ヒャンギョンさんの「イタリア・フィレンツェにおける分別ゴミ収集ボックスや共同水飲み場など都市設備改善プロジェクト」などがある。
「2024ソウルデザインリポーター」の募集期間は、2月29日(木)9時(KST)から4月11日(木)16時(KST)まで。応募資格は海外在住韓国人のうち、デザイン分野に関心のある専門家、専攻者、学生などが対象となる。
選考審査は、応募者の提出した事例研究計画案をもとに行われる。今年は収集事例をソウル市の政策に積極的に反映させるため、ソウル市と財団のデザイン政策事業遂行者を対象に事前調査を行って決めた「ソウル市の政策に即したテーマ」を中心にリポーターを選定する。
ソウル市の政策に即したテーマとしては、▴都市のブランディングと都市グッズ開発の事例、▴デザインスタートアップサポートセンターの事例、▴市民が参加する様々なデザインイベントや主要博物館・美術館のツアープログラム、▴公衆トイレ、遊歩道、観光地情報マップなどに取り入れられたユニバーサルデザイン、▴海外の新進展示企画者やデザイナー向けの展示公募事業、▴大型メディアアート、光イベントの事例、▴デザインウィーク&フェアの種類と開催内容、▴資源循環製品・サービスや関連センターなどがある。
募集に関する詳細は、ソウルデザイン財団ホームページの「お知らせ」ページから確認できる。
選抜されたリポーターには様々な特典がある。電子委嘱状と名刺が交付され、任務を果たしたリポーターには所定の活動費が支給される。「2024ソウルデザインリポーター報告書」の著者としても記載され、優秀リポーターに選ばれれば賞金を追加で受け取ることができる。
昨年の「ソウルデザインリポーター」は、17か国28都市から「都市再生デザイン」、「文化芸術デザイン」、「市民空間デザイン」、「ユニバーサルデザイン」、「持続可能なデザイン」の5分野で28件の優秀デザイン政策事例を収集する成果をあげた。
関連内容はソウルデザイン財団ホームページ「アーカイブ」メニューの「報告書・刊行物」からダウンロードでき、映像はYouTubeチャンネルで視聴できる。
ソウル市のデザイン政策関係者は、リポーターが書いた「報告書」と「現地の様子を生き生きと伝える映像」を参考にしながらソウルのデザイン・文化産業政策を計画・推進することによって試行錯誤を減らし、政策の水準を引き上げる計画。今後リポーターが送る映像は、ショートフォームを含めた様々な形態のコンテンツに再加工し、ソウルデザイン財団のSNSで拡散する予定である。
ソウルデザイン財団のイ・ギョンドン代表理事は、「ソウルは国際的に公認された『デザイン創造都市』で、世界レベルの都市競争力を持っているが、世界各地の優れたデザイン事例を積極的に取り入れる海外事業も活発に推進している」とし、「今年もソウルデザインリポーターの活動に期待している」と述べた。