2013年12月9日、ソウル市庁の多目的ホールで「ユニバーサルデザインセミナー」が開催された。
海外では公共建築物などの環境に配慮した物理的バリアフリー(Barrier-Free)化をはじめ、さらには教育・文化・情報・サービスなどのソフトウェアに至るまで、政府による積極的なユニバーサルデザイン政策の導入がなされている。特にアメリカの場合、ユニバーサルデザインセンターを設立、弱者の便宜増進のためのさまざまな事例が発掘されている。
しかし現在ソウル市の場合、福祉施設は11,000ヵ所を超え、400ヵ所余りの施設の機能補強事業を行うために300億ウォン以上を投入(2012年基準)するなど多額な財源が投資されているにもかかわらず、施設の構築と運営において共有できるデザインのノウハウもなければ、各利用者別の行動や特性を反映した環境や人権などへの配慮に欠けている。今回のセミナーは、これらを改善することを目的として開かれた。
今回のセミナーは「法的には最小限に、生活には最大限に」というテーマで行われ、福祉施設担当公務員を含む福祉施設長や現場で働く社会福祉士などを対象にユニバーサルデザインの国内外の事例を共有する場となった。
特に今回のセミナーでは、日本やヨーロッパの公共施設及び福祉施設の事例をはじめ、ソウル市のユニバーサルデザイン推進事例を紹介しながら今後の発展の方向性を論じることができた。ソウル市はユニバーサルデザインについてよく知らない市民たちに、その意味とマインドを拡散するため、ユニバーサル国際セミナーを毎年開催する計画だ。