ソウルの歴史文化を象徴する4大門内の体系的な保存 ソウル市を名実相伴う歴史都市にしていくため、ソウル市の歴史文化を象徴する空間である「4大門内」に対する体系的な文化財総合保存策、「4大門内総合的保存策」がまとめられる。「4大門内」には興仁之門(フンインジムン)、敦義門(トンイムン)、崇礼門(スンレムン)、粛靖門(スクジョンムン)が含まれており、500年間余りにわたって朝鮮時代の都城が位置していただけに、重要な文化遺跡が集中的に分布している。
ソウル市はこれまで4大門の中の個別文化財を保存・管理し、文化遺産が集中的に分布している地域で韓国式家屋や路地などの伝統文化遺産を積極的に保存するための努力を行ってきた。そして、その一環として行われた「北村(プクチョン)整備事業」は、去年8月にアジア-太平洋地域の文化遺産の保存において卓越した成果を上げたプロジェクトに贈られる「ユネスコ文化遺産保全のためのアジア太平洋遺産賞」を国内で初めて受賞している。
しかし、最近、ソウル都心の再整備の過程で、市廛(シジョン:市場通りの店)など朝鮮時代の主要遺跡が相次いで発掘されていることから、個別の文化財保存では限界があると判断し、4大門内保存策をまとめることにした。
ソウル市は、「4大門内」に対する地域別文化遺産保存策をまとめ、4大門内の発掘遺構の総合的保存・管理体系を整備し、地表・発掘調査結果のデータベース化や公開などによってこれまでの制度が抱えていた問題点を補完するとしている。これによって、事業地域内の地上・地下の文化遺跡分布有無の確認だけでなく、開発事業を推進する際の文化財保存予測可能性を向上させ、突然の遺跡発掘に対応するための事後保存策による事業の遅延や経済的負担の増加を防げるものと期待している。