「空飛ぶ自動車」がソウルで実現する。ソウル市は2020年11月11日、ヨイド(汝矣島)の空に、未来の交通手段である「有人ドローンタクシー」を飛ばした。人間が乗ることのできるドローンタクシーの機体が実際空を飛ぶのは、韓国初の試み。
2020年11月11日(水)午前10時、ソウル市は国土交通部と「都市、空を切り開く」というサブタイトルのもと、「都心航空交通ソウル実証」を共同開催し、ドローンタクシーの飛行実証を行った。
この実証には、2人乗りドローン機体1台が投入され、海抜50mの上空でヨイド(汝矣島)ハンガン(漢江)公園、ソガンデギョ(西江大橋)、パムソム(栗島)、マポ(麻浦)大橋一帯を約7分間飛行する。韓国初の飛行場があったヨイド(汝矣島)において飛行実証を行うという点で大きな意味を持つ。今回の実証イベントでは、ヒュンダイ(現代)自動車、ハンファシステムなど韓国・海外の7企業や大学などが参加する中で、開発されたドローンタクシー機体模型の展示も開催する。
ソウル市は、国土交通部が政府による「韓国型都心航空交通(K-UAM)ロードマップ」の後続措置として「航空安全法」などの制度的基盤を整備し、ソウル市がドローンタクシーなどインフラを投入することで、ようやく有人ドローンタクシーの飛行が実現したと述べた。
空を移動するための都心航空交通(UAM、Urban Air Mobility)は、高い人口密度と慢性的な交通渋滞により地上交通が限界を迎えている大都市において、交通問題の解決策として注目を集めている。ソウル市は、今回のドローンタクシー飛行実証により、空を移動するための都心航空交通分野において、ソウルが世界をリードするきっかけづくりにしていく計画だ。
そして今回の飛行実証に投入した機体を活用し、2021年はソウルだけでなく他の自治体でも、追加の飛行デモンストレーションを実施、都心航空交通に対する国民的な関心を集めるために努める。
また、航空分野の大学や民間機関とMOUを締結することで、操縦・整備分野の専門人材の養成にも乗り出す。ソウル市は、ドローンタクシー機体を専門人材の養成に活用し、今後、国土交通部の認証を経て、消防航空機として活用するとともに、UAMが市民の生命と財産を保護する時代を切り開いていく方針だ。
一方、都心航空交通の商用化に向けては、民間部門の機体開発と歩調を合わせ、政府による関連技術の開発と制度の改善が必要となる。国土交通部は、今回の準備過程においてドローンタクシー機体の安全性を検討する基準を設け、認証の経験を蓄積することで成果を挙げることができたと述べた。今後も、韓国企業に対し、新技術が適用されたドローンタクシー機体の飛行機会を継続して提供するとともに、商用化のための制度を早急に設けるなど、韓国産業の育成を積極的に支援する計画だ。