ソウル市では、酷寒、大雪などが集中する冬を迎え、来る11月15日から来年3月15日まで、24時間「2012年冬の総合対策」を本格的に稼働する。
「2012年冬の総合対策」は、全部で6分野に分けて推進される。それらは▴一人暮らしのお年寄り・ホームレスなど「福祉的弱者の保護」▴交通安全対策を含む「除雪対策」▴新型インフルエンザの予防など冬の「保健・衛生管理」▴キムチ漬けシーズンの農水産物の価格安定、上水道の凍結防止など「市民生活の不便解消」▴火災予防▴道路・公園など都市施設の安全管理である。
特に、今年は次の点が冬の総合対策として強化されるか、または新たに推進される。 ①希望オンドル暖かい冬事業の重点的な推進、②ホームレス冬の応急寝所拡大運営(2011年250人→420人)、③一人暮らしのお年寄りなど基礎生活受給者2,000世帯対象の基礎消防設備の普及、④降雪画像転送施設の拡大運営(5→8ヶ所)、ソウル市除雪対策情報ホームページの構築・運営(11月中旬予定)、⑤社会的弱者対象の寒波対策の強化、⑥都市ガス・地域暖房・練炭などエネルギー供給施設の伝授事前確認の実施、⑦メーターの凍結防止および大型送水管の漏水復旧システムの強化などである。
〈低所得の社会的弱者が暖かい冬を過ごすための福祉セーフティネットを充実〉
希望オンドル拠点機関111ヶ所を活用して福祉の死角地帯を発掘し、「分かち合う隣人」を通じて一人暮らしのお年寄りや両親のいない家庭などを訪問し、相談や生活物品を支援する。
福祉の死角地帯を訪れて生活必需品を支援する「希望馬車」事業と、民間企業の支援とプロボを通じて困った人たちに壁紙・オンドルの床交換、ボイラーの修理などを推進する希望オンドル「幸せな部屋作り」事業も拡大して行う。
最低生計費200%以下の低所得市民の中から申請に応じて暖房費、生活費などを緊急支援する「希望オンドル危機・緊急支援」制度の場合、暖房費支援を昨年比月10万ウォンから15万ウォンに拡大し、支援期間も2ヶ月から3ヶ月に拡大する。また、高齢者ヘルパー、ソウル在宅ヘルパーなどの高齢者サービス人材(1万8千人)を活用し、体の不自由な高齢者を常時ケアする。彼らは、一人暮らしのお年寄りを週1回以上訪問したり、週2回以上「愛の安心フォン」通話で安全を確認し、緊急発生時には消防署・保健所などと連携して迅速な救助サービスを提供する。
特に、市では体の不自由な高齢者(2万1,248人)を対象に、無料の食事配達(1日1回)とおかず配達(週2回)を拡大支援する。基礎生活保障受給者約11万9千世帯については、越冬対策費(1世帯当たり5万ウォン)を支援し、生活施設居住障害者や欠食児童にも必要な支援を行う。施設居住障害者の場合、その施設にキムチ漬け費用(50ヶ所)と暖房費(43ヶ所)を支援する計画である。5万人の欠食児童には、休み期間中に継続的な給食支援と大雪および旧正月連休に備えた給食計画を推進する。
ホームレスの越冬のためには、現場相談所(ソウル駅、永登浦駅2ヶ所)の24時間運営と、出張街相談活動を強化し、応急避難所(200人)、応急救護部屋(4ヶ所120人)、応急住宅(50ヶ所100人)などの応急寝所を拡大する。
〈大雪・酷寒への先制的対応および関連交通安全対策の推進〉
大雪に迅速に対応するために、市は降雪画像伝送システムの増設や、初動対応のための除雪現場管理システムを構築・運営する。降雪の移動経路に設置したCCTVを、既存の5ヶ所から8ヶ所(仁川、汶山、江華、甕津、華城、高陽、富平、始興)に拡大し、30分単位で降雪の兆候を事前に捕らえ、先制的に対応できるようにリアルタイムな情報を提供する。
また、迅速な初期対応のために「災害状況チーム」を24時間常時運営し、降雪予報の3時間前に勤務職員緊急発令制を実施する。降雪の兆候1時間前に人材と除雪装置を投入・配置して、除雪車にGPSを装着(267台)し、状況室で除雪現場を確認して指揮体系を強化する。市では、除雪区域を事前に指定して、除雪に必要な人材と装備、資材を拡充しており、除雪3段階(大雪警報)発令時には職員3万9,996人が動員される。
これと共に、市は「SNS活用行政」を強化した。除雪箱の補充や常習氷結地域をコミュニティマップ(
http://gis.seoul.go.kr)に表示するようにし、TwitterなどのSNSを活用して不便な事項を速やかに改善措置するようにした。
交通の不便を最小限に抑えるため、大雪警報(3段階)時、地下鉄は混雑する時間帯と終電の時間帯に1時間延長運行し、バスは路線別に最大1時間延長運行する。
また、地下鉄の安全事故防止のために地上区間31.7km、地上区間の線路転機484個、車両基地12ヶ所、キャノピーのない134の駅舎などを集中管理する。地上の線路区間の除雪対策として、車両基地の信号転換機自動融雪装置(熱線)を拡充し、一般線路の場合の弱点別の除雪人材を補強する。
市内バスの場合、19日(月)から23日(金)まで常習統制区間の運行会社を対象に、市民の安全輸送対策を点検する。
ソウル市はSNS、道路電光案内板(243ヶ所)、市内バスBMS、交通放送(FM(95.1MHz)、TV)など、様々な情報メディアを活用し、降雪時の道路統制区間、主な迂回経路、混雑区間、気象状況、安全運行のお願いなどを発信する。市内バスの迂回運行時には、120茶山(ダサン)コールセンターにリアルタイムのデータを提供して案内する。
〈農水産物の需給安定、水道・電気の安定供給、ゴミの少ない回収で市民の不便を最小化〉
ソウル市は、大根・白菜の作況不振により供給量が不足し、価格が急騰する状況に備えて、白菜、大根、ニンニク、長ネギなど8つの重点管理項目を選定し、需給状況を管理する計画だ。重点管理品目は白菜、大根、ニンニク、乾燥唐辛子、長ネギ、タマネギ、梨、リンゴなど8品目で、キムチ漬けの主な品目の価格動向は、農水産物公社のホームページおよびARS、TV、ラジオなどを通じて提供する。
また、昨年のような急激寒波の襲来によるメーターの凍結と、大型送水管の漏水事故の急増に備え、凍結防止用メーターの普及(2万4,900世帯)、メーター保護ケースや保温材の補強(32万世帯)、凍結水道管の整備など事前準備を徹底的に行っている。福祉的弱者(長屋住民3,280人)を対象に、メーターの保温状態を点検し、14日までに保温措置を完了する予定だ。また、大型送水管のパトロール点検を強化して、緊急復旧体制を構築する。
また、越冬期比エネルギー供給施設について伝授事前点検を実施し、「越冬期緊急復旧・対応班」を運営して事故発生時迅速に復旧するように迅速な対応体系を構築する。都市ガス定圧施設(975ヶ所)、地域暖房熱合併発電所(5ヶ所)、燃料販売所(練炭、LPG、ブタンガスなど322ヶ所)について市・自治区および関係機関の合同点検を実施する。
〈インフルエンザ予防接種、食品衛生検査を通じて、食中毒・伝染病の予防…市民の健康保護に万全を尽くす〉
市は、冬の新型インフルエンザの発生と口蹄疫・鳥インフルエンザなど家畜伝染病の再発を予防する。75万9千人を対象にインフルエンザの予防接種を実施し、25の自治区保健所を通じて大規模な建物の地下空間、集水井や浄化槽に生息する蚊の幼虫の駆除を実施した。
また、「出張医療サービス」を通じて、9つの市立病院合同でホームレスは月1回、長屋住民は週1回「分かち合う診療」を行っており、特に長屋密集地域の巡回診療を月2回と強化した。
家畜伝染病予防のために家畜飼育地域に専任スタッフを指定し、週1回予察を実施して週1回農家自律防疫のための消毒剤を支援する。
〈複数の利用施設の消防安全点検および低所得層住宅施設の火災予防の強化〉
2012年11月から2013年2月まで、店舗や映画館、デパート、ディスカウントストアなど大衆利用施設(総3,114ヶ所)について、消防設備が正常に動作するかどうかなどを継続的にチェックし、伝統市場125ヶ所を対象に消防用水施設等の対応装備の確保と自律消防隊の運営および活性化を支援する。特に、一人暮らしの高齢者など基礎生活受給者2,000世帯と長屋など住宅劣悪地域(7,215世帯)については基礎消防施設を普及する。
〈大型工事現場、文化財、公園など冬の市民利用関連施設の安全管理強化〉
ソウル市は冬の亀裂や崩壊の危険がある共同住宅の災害危険施設、大型工事現場の安全点検を実施し、公園や文化施設についても、市民が安全かつ便利に利用できるように管理・点検する計画だ。
市は、11月中に住宅の再開発・建て替えが進行中の整備事業工事現場(45ヶ所)と、共同住宅の災害危険施設(29ヶ所)などについて切開地、斜面などの凍結と解氷が繰り返されることに伴う安全対策を樹立して、大雪時の工事現場周辺の安全対策を点検する。
また、大雪・寒波などの災害脆弱時期を迎え、来る15日から1ヶ月間、ソウル市所在の不動産文化財(246件)について建築、消防施設、電気施設における一斉安全点検を実施する。