- TikTokなどのプラットフォーム、ソウルの代表的な名所、独創的なKファッションの三拍子そろって、大きな反響を呼んだソウルファッションウィーク
- 160ヵ国からの視聴、海外メディアでも100回以上報道…Youtube視聴数7倍↑、77.2%が海外からの視聴
- 国内の3つのブランドがグローバルコマースへの入店に成功、これまで計59億ウォンの受注契約を締結
- 来年3月、「2022 F/W ソウルファッションウィーク」は、段階的日常回復に合わせオフライン開催も検討中
新型コロナにより委縮したファッション業界をソウル市が支援すべく、昨年から始めた100%事前制作型デジタル版「ソウルファッションウィーク」が、徹底した企画力や高い完成度のおかげで、コロナ時代の以前の記録を大きく上回る成績を上げている。
市は、景福宮(キョンボックン)や徳寿宮(トクスグン)などソウル5大故宮をはじめ、ソウルの過去-現在-未来が合わさった様々な名所で行われたデジタルファッションショー「2022 S/S ソウルファッションウィーク」が、ここ1ヵ月で世界160ヵ国から7433万ビュー(11月8日現在)を達成し、過去最高を記録したと発表した。前のシーズン(2021 F/W)の場合、1ヵ月で472万ビューを記録した。
※デジタルランウェイの視聴数(計7443万ビュー):Youtube171万ビュー、TikTok7200万ビュー、Instagram55万ビュー、Facebook17万ビュー
ソウル市は、今シーズンでMZ世代や海外の人たちがよく使うTikTokで公開したことなど、映像コンテンツに見慣れているMZ世代のコンテンツ消費環境を積極的に活用したことが有効だったと分析している。ハッシュタグイベントの「#ソウルファッションウィーク ファッション映像 チャレンジ」を含め、TikTokだけでも7200万ビューを記録した。
※MZ世代(Generation MZ):1980年代半ばから1990年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」と、その後の1990年代後半から2010年の間に生まれた「Z世代(ジェネレーションZ)」の2つの世代を合わせたもの
Youtubeの場合、171万ビューを記録したが、これは直前のシーズン(2021 F/W、22万8千ビュー)よりなんと7倍以上増えた数値だ。このうち77.2%はインド、インドネシア、ベトナムなど海外からの視聴だった。18~44歳(80.7%)の割合も前に比べ7%p増加している。
海外のメディアでも100回以上報道され、「ソウルファッションウィーク」に高い関心が寄せられた。Vogueなど世界的に影響力のあるファッション誌だけでなく、HypebeastやWHOWHATWEAR、Flaunt、JustJared、WhoWoreBestのようにアメリカやヨーロッパ、日本のMZ世代から人気の高いメディアでも「ソウルファッションウィーク」を積極的に取り上げた。
「ソウルファッションウィーク」は、この記録的な興行を土台に、Kファッションのプレゼンスを世界に発信するプラットフォームとしての役割を果たすだけでなく、韓国デザイナーの海外進出にも役立っている。
「ソウルファッションウィーク」に参加したBMUET(TE)、CAHIERSの両ブランドは、ソウル市の支援を受け、ブランド業界のアマゾンと言われるグローバルeコマースの「Farfetch」と、韓国で初めて独占契約を結び、入店を確定した。VEGAN TIGERは、グローバルショールーム「Boon Paris」と受注契約を締結し、約1億ウォンの売り上げを上げている。
海外のバイヤーと国内デザイナーを繋げる「オンライン受注商談会」では、57億ウォンの結果を出している。中国、シンガポール、アメリカ、オーストラリアなど世界各国から約120人のバイヤーや流通関係者が参加し、国内の126社との計980件の商談が行われた。現在、追加受注や契約などの話し合いが進んでいる。
今回のファッションウィークは、業界だけでなく一般消費者も参加できる機会を設けた。NAVER Designer WindowやSSG.COMなど代表的な国内流通プラットフォームで「ソウルファッションウィーク企画展」を開催し、33のブランドのB2Cセールスを支援した。
ソウル市は37のブランドの個性を感じられるランウェイフィルムをソウル観光公社、Kotra、各国の大使館などと共有し、Kファッションやソウルの様々な魅力を発信する計画だ。
2022 S/S ソウルファッションウィークのデジタルランウェイ映像は、ソウルファッションウィークホームページ(
https://www.seoulfashionweek.org)、Youtube(
https://youtube.com/c/SFW_official)、Naver TV(
https://tv.naver.com/sfwofficial)などでいつでも観ることができる。
また市は、2022年3月開催予定の「2022 FW ソウルファッションウィーク」を「段階的日常回復(ウィズコロナ)」に合わせ、オフラインファッションショーにすることも検討している。オフラインでソウルファッションウィークが開催することになれば、2019年10月に行われた「2020 S/S ソウルファッションウィーク」以来、約2年半ぶりのことになる。
ソウル市のパク・デウ経済雇用企画官は「今回のソウルファッションウィークは、ソウルの代表的な名所、Kファッションの独創的なスタイル、MZ世代が好まれるプラットフォームという3つの連携を成功させたことで、年齢を問わず世界的関心が寄せられ、記録的な興行成績を上げた」としながら「ウィズコロナ時代に、ソウルファッションウィークが業界の競争力を高めるとともに雇用創出、都市ブランドの強化、観光客の誘致をけん引できるよう運営していきたい」と語った。