ソウル市が新たに強小企業として選定した55社を発表。「ソウル型強小企業」は、フレックスタイム制、自己啓発へのサポート、水平的な組織風土、子育てしやすい環境など、若者が働きたいと思うような組織風土、ワークライフバランスの取れた企業風土を備えた企業のこと。
今回ソウル型強小企業に選定された55社は、▲IT(31社) ▲ サービス(16社) ▲製造·建設(8社)。これから2025年まで「ソウル型強小企業」としてサポートされる。
ソウル型強小企業は、ソウル市所在の中小企業のうち、公共機関の認証を得た企業に限って申し込みできる。▲雇用創出(雇用創出の実績、従業員の処遇水準) ▲経営力量(営業利益率) ▲質の高い雇用(雇用安定性、ジェンダー平等制度の運営、適正な賃金、福祉制度の運営、ワークライフバランス制度の運営) ▲企業の優秀性(成長可能性)などをきめ細かく評価する。
サポート内容は、①育児休業者の代替要員(インターン)の人件費(236万ウォン)を最大23カ月間支援 ②ソウル市内に居住する若者を正社員雇用すると、福祉改善に充てられる「勤務環境改善金」を1人当たり最大1500万ウォン、1社に計3人まで支援 ③ワークライフバランスの良い、子育てしやすい組織風土の定着に向けて、選定企業を対象に教育とコンサルティングなどを行う。
特に今年は、子育てしやすい組織風土を形成しているか、若者が企業と一緒に成長できるか、ワークライフバランスに取り組でいるかについて評価した。現場に直接訪問し、勤務環境を確認する他にも、役員・従業員を対象に面接を行うなど、きめ細かく検討した。
<①育児休業者の代替要員に最大23カ月間人件費を支援、業務負担を解消>
まず、人手不足により育児休暇をなかなか取れなかった中小企業の負担を軽減するために、育児休業者の代替要員(インターン)の人件費を、育休前の3カ月~休暇~復帰後3カ月まで最大23カ月間支援する。
1社当たり6人まで応募でき、2人までは100%支援、3人から6人までは市と企業が50%ずつ負担する。
若者インターン制度を活用し、育休前後における業務引継ぎの効率を高める。また、育児のためにフレックスタイム制と母性保護休暇を男女関係なく申し込みできる組織風土づくりをサポートする。
育休者の代替要員は、市から進めてもらうか、直接採用することもできる。ソウル型生活賃金を基準に、代替要員の税込み賃金と4大保険(雇用保険、労災保険、国民年金、健康保険)における事業者負担金まで全額サポートし、従業員も、その家族も幸せにする中小企業育成に取り組む。
<②若者の正社員雇用に、福祉改善、自己啓発など、勤務環境改善金を最大4500万ウォン支援>
次は、ソウル市内の居住する18~34歳の若者を正社員に雇用すると、1人当たり最大1500万ウォンを支援する。1社当たり最大3人まで応募可能だ。「勤務環境改善金」を最大4500万ウォンまで支援する。
勤務環境改善金は、育児施設の整備・改善、休憩・便宜施設整備、結婚・出産祝賀金、自己啓発費などの福祉費用として使用できる。その他にも、新入社員向けの「組織適応研修」と「水平的・ジェンダー平等的組織風土ワークショップ」などにも使用できる。
<③育児しやすく、ワークライフバランスの取れた組織風土づくりに向けた教育・コンサルも>
最後に、若者が働きたいと思えるよう、育児しやすく、ワークライフバランスの取れた組織風土づくりのために、ソウル市女性家族財団と協力し、専門家が現場に直接訪問する1:1コンサルティングも行う。
新しく選ばれた強小企業を対象に、事前にアンケート調査を行い、その結果をもとにワークライフバランスコンサルタントが企業を訪問。1:1コンサルティングを行う。
なお、若者雇用を後押しするために、就職ポータルサイト(JOBKOREA)と協力し、「ソウル型強小企業専用採用館」を常時運営する。成長可能性のある強小企業で働きたい優秀な人材と強小企業をつなぐ窓口である。
その他にも、「ソウル型強小企業専用ローン」(新韓銀行)を設け、各企業に最大30億ウォンまで0.5%金利優遇し、テレビ、ラジオなどにおける広告コストの70%割引も支援(韓国放送広告振興公社)し、強小企業の知名度向上に力を入れている。
ソウル市のソン・ホジェ経済雇用企画官は、「今回のソウル型強小企業の新たな選定は、若者が安定的に仕事をしながら企業とともに成長できるように、各分野で競争力と成長可能性を備えた中小企業を発掘・支援することに重点を置いた」とし、「これからも、就活中の若者が働きたいと思えるような、子育てしやすい、ワークライフバランスを取れる企業風土が、ソウル市の中小企業に定着するようにサポートし、若者雇用創出に取り組んでいきたい」と述べた。