海外旅行としても行き来することが禁じられた、秘密めいた閉鎖都市の平壌。その平壌の市街地や主要な建築を観ることができる特別な写真展がソウル市庁で開かれる。ソウル市は、「平壌建築写真展示会」を10月4日(木)から10月19日(金)までの16日間、ソウル市庁本館1階のロビーで開催し、無料で一般市民に公開すると発表した。
本展示会では、1989年、世界青年学生祭典のために建てられた、平壌の光復通りの高層マンションや、2018年9月平壌で開かれた南北首脳会談当時、韓国の文在寅大統領が平壌市民の前で演説した綾羅島メーデー・スタジアムの内部、平壌を流れる大同江(テドンガン)にある羊角島(ヤンガクド)と羊角島国際ホテルなど、平壌の市街地と有名な建築を撮った写真、計40点が展示される。
今回展示される写真は、英国の代表的な日刊紙のガーディアンの建築デザイン評論家、オリバー・ウェインライト(Oliver Wainwright)の作品。彼は「この展示を通じて、今まで接触が禁じられていた北朝鮮の野望に満ちた都市計画や、ナショナリズムを表した記念物だけでなく、現実的な裏面まで窺うことができるだろう」という。
オリバー・ウェインライトは、英国ケムブリッジ大学で建築を専攻し、ロンドン広域市庁やオランダの建築家のレム・コールハースの事務所「OMA」などでの実務経験を基に、世界的に数多くの本を出版している。英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)で建築学の修士号を取得してから建築について書き始め、2012年からはガーディアン紙に寄稿している。
最近、韓国では、4月27日の板門店での南北首脳会談と9月の平壌での南北首脳会談の開催、2018年アジア競技大会での南北合同チームなど、政治・文化・スポーツなど各分野において南北間の交流が活発になり、平和ムードが漂っている。このような雰囲気の中、ソウル市は、この展示会を通じて、建築専門家だけでなく一般市民にも、これまでめったに接することができなかった平壌の建築を観る機会を提供し、さらには南北間の建築・都市分野における交流の拡大にも繋がることを期待している。
キム・テヒョン都市空間改善団長は、「『平壌建築写真展示会』は、建築界の従事者だけでなく、一般市民や学生など多くの人々に、平壌の建築に関する理解を深める機会となり、最近の平和ムードの中、南北の都市建築が共に発展するスタート・ラインとなることを期待している」と述べた。