汚染物質を排出せず、微小粒子状物質(PM2.5)の浄化能力があることから「走る空気清浄機」と呼ばれる環境にやさしい「水素バス」が、15日からソウル中心部を走る。
ソウル市は市内バスの正規路線を走る370番に水素バスを導入し、運行を開始すると発表した。2020年12月15日(火)にまず1台の運行を開始し、12月22日(火)に残りの3台を追加で導入する予定だ。水素バスの導入路線は充填インフラの状況を考慮して決定した。370番バスが利用する車庫から片道2.4㎞の距離にHカンドン(江東)水素ステーションがあり、水素の充填が相対的に便利だと考えられる。1回の充填で一日中運行することが可能だ。
370番バス1台あたりの年間走行距離である8万6千㎞を水素バスで走行すると、計41万8,218kg(1kmあたり4.863kg)の空気が浄化される。これは成人(体重65kg基準)約76人が1年間に吸うことができる空気量だ。
今回の水素バスの導入は、「ソウル型グリーンニューディール」(2020年7月)のコア事業の一つ。
ソウル市は水素バスの試験運行当時、一般バスに比べて急発進・急停車、振動などが少なく、乗客と運転手のどちらも満足度が高かったため、継続的に水素バスのリクエストがあったと説明した。今回の水素バスの導入により環境にやさしい交通システムをリードすると同時に、市内バスの移動利便性や安全性を高め、公共交通機関の全般的なサービス品質も向上することが期待される。
ソウル市は2025年までに水素バスを1千台まで増やし、水素ステーションも11か所構築することで水素自動車の時代を切り開くきっかけとなり、グリーンニューディールのコア事業であるグリーンモビリティの活性化をリードすることが目標だ。